民間情報

新社長に大本専務が就任 官製談合による引責辞任

2022.10.27 カテゴリ2(民間情報)企業

建設コンサルの最大手 パシフィックコンサルタンツ

 建設コンサルタント会社の最大手、パシフィックコンサルタンツの重永智之社長が引責辞任を受け、専務の大本修氏が10月1日、新社長に就任した。
引責辞任に発展した富山市の橋梁設計などを巡る官製談合事件。受注者側と結託した市職員が、プロポーザルの参加要件を恣意的に緩和させたり、競合他社を蹴落としたりしていた。富山市が発注した「呉羽丘陵フットパス連絡橋」の設計業務などのプロポーザルを巡る不正で、同社イノベーション事業本部総合プロジェクト部副部長が有罪判決を受けたことに伴う人事だ。
 有罪判決を受けたのは同社副部長(公契約関係競売入札妨害)の他、同社とJVを組んでいたGK設計(東京)の都市環境デザイン部シニアディレクター(同)と取締役関西事務所所長(同)、プロポーザルの選考委員を務めていた富山市建設部次長(官製談合防止法違反、公契約関係競売入札妨害)の計4人。
こうした不正を許した背景には、市が実施するプロポーザル方式の不透明な進め方にある。選考委員(当時の副市長、建設部長、建設技術統括監、建設部次長、活力都市創造部次長、商工労働部次長の6人)の市職員と受注者側が結託し、受注者側に選考委員名簿や公告後行われた市建設部内の意見メモを渡し、秘密情報を教えるなど、同JVが有利になるよう後押ししていた。
 同市では、プロポーザルでは特定した会社以外の名前を公表していない。また、1次審査の結果も非公表だ。どのような評価でパシコン・GK設計JVが2次審査に残ったのかも分からない。建設部次長の同JVへの評価が、選考委員全体の評価にどの程度影響したのかも明らかにされていない。
 富山市の発表によると、今回の不正に対する再発防止策として、プロポーザルを実施する際、所管課の他に契約課を事務局に加えるようにした。さらに、公告時に選考委員名簿を公表し、プロポーザル参加者による委員への不適切な接触を禁じるようにした。(橋本)

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