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カイトアーキテクツに 寺戸地区移住定住促進住宅 10月末までに設計完了へ

2023.2.17 黒滝村

 黒滝村は、公募型プロポーザル「黒滝村寺戸地区移住定住促進住宅設計等業務」について、カイトアーキテクツ一級建築士事務所(大阪市中央区南船場2―11―18中村ビル410)を事業者に特定した。
現在は公園として利用している寺戸地区の土地に、移住を希望する人のための移住定住促進住宅を整備するもので、10月末日までに設計をまとめる予定。プロポーザルには22社が応募し、1次審査で4社を選定、選定委員会(委員長はアルセッド建築研究所大倉靖彦代表取締役副社長)による2次審査のヒアリングを行い、評価点合計150点満点中111・75点の最高得点でカイトアーキテクツ一級建築士事務所を優先交渉権者として特定した。
業務場所は大字寺戸539―1。コロナ禍を契機に増加傾向にある、同村での就業を希望する移住者等のために安心・安全・快適で周辺環境と調和した移住定住促進住宅の設計等を行うもの。委託期間10月末日。業務量の目安は700万円込を限度とする(工事監理については別途計上することを予定している)。担当は林業建設課(電話0747―62―2031)。
同村は村域の97%が豊かな森林に囲まれており、「林業の村」と言われるほど林業とともに発展してきた。村より産出される杉と桧は良質な「吉野材」として全国にその名を知られており、今なお、林業は村の産業の核となっている。
コロナ禍を契機に就業のために移住を希望される人が多く、村内の住宅の空き情報に関する問い合わせは増加している一方で、居住者の入れ替わりが少なく住宅全体のストックが不足していることから入居待ちの状態が続いている。
今回の業務は、豊かな自然環境と林業とともに歩んできた、黒滝村における「後世につなぐ村づくり」の実現のため、安心・安全・快適で周辺環境と調和した移住定住促進住宅の設計を行うもの。
敷地条件は敷地面積365・09平方㍍。都市計画区域外で土砂災害警戒区域。直結給水、戸別合併処理浄化槽、現在は公園として利用している。敷地全体が緩やかな傾斜地となっており、隣地及び道路の相互間に高低差はない。敷地南側は県道、東側は村道に面している。敷地北側は7年頃に県吉野土木事務所の県道赤滝五條線の道路工事により新たな道路の整備が予定されている。
計画条件はW造平屋建の移住定住促進住宅で長屋住宅1棟4戸。工事費は1棟当たりの上限額8000万円込程度(但し敷地内の残置物の撤去及び用地の造成に係る費用は含めない)。原則として黒滝村で生産される木材を使用する。入居者同士のコミュニティ形成に配慮した計画とし、敷地南側の前面道路を人及び乗用車等の主な出入口とする。各戸に乗用車1台分の駐車スペースを確保する規模は45㎡程度( 1~2人世帯での利用を想定)。国土交通省住宅局所管の地域優良賃貸住宅制度の活用を想定。
業務内容は①除却設計業務②設計事前業務=建設地で現地調査等。この業務の委託に先立って同村においてボーリング調査を実施予定だが、必要に応じて地盤調査を行う③造成設計業務=敷地北側において道路改良工事を実施する県吉野土木事務所と必要に応じて調整を行う④建築設計等業務=敷地中央部に湧水があるためその影響等を充分考慮する。住宅のパース図及び模型を作成する⑤工事費の算定及び積算=5年8月上旬までには工事費概算額を算出する⑥スケジュールの検討=7年3月の供用開始に間に合うような施工スケジュールを検討する⑦関係機関との調整=建築関係諸申請と設計住宅性能評価の取得等に関する申請等業務を行う。

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