一般記事
下水道マネジメント課 導入可能性を調査 浄化センター下水汚泥肥料利用 コンポスト化や乾燥処理を検討
2025.6.10 県土マネジメント部
奈良県県土マネジメント部下水道マネジメント課は、令和7年度に浄化センターの下水汚泥資源を肥料としての利用導入可能性について調査することにしている。これは、5年3月17日に国土交通省より「下水道管理者は発生汚泥等の処理を行うに当たっては肥料としての利用を最優先し、最大限の利用を行うこととし、また、焼却処理はコンポスト化や乾燥による肥料利用が困難な場合に限り選択し、焼却処理を行う場合も焼却灰の肥料利用、汚泥処理過程でのリン回収等を検討する」旨の通知が発出されたことによるもの。
県建設産業課で一般競争入札「浄化センター下水汚泥資源の肥料利用導入可能性調査委託(社会資本整備総合交付金事業)R7浄化委第6号」を6月24日に開札して業務を委託する。業務場所は大和郡山市額田部南町。委託期間8年3月19日。予定価格2731万3000円込、調査基準価格2191万2000円込。担当は企画係(電話0742―27―7526)。業務内容は次の通り。
【基礎調査】
▽下水処理場と周辺地域の特性把握=下水処理場と周辺地域の①周辺地域の特性②処理場用地の特性③水処理方式及び汚泥処理方式④発生汚泥量及び処分状況について整理する。
▽将来汚泥量の推定=最新の上位計画と関連市町村の整備予定等に基づき現状の汚泥量をもとに物質収支計算の妥当性を評価して将来汚泥量の推定を行う。
▽潜在的な肥料需要の把握=肥料の流通を想定するエリアにおける肥料需要量について統計資料と農業関係機関の情報をもとに調査を行う。
▽新技術の情報収集=肥料化に関する新技術の情報を文献や国が推進するB―DASHプロジェクト等を参照し、必要に応じてメーカーヒアリングを実施し情報を収集する。
【】連携体制の構築
下水汚泥資源の肥料化の検討を進めるに当たり、庁内の関係部局・地域内のJA・地域の肥料ユーザー・産業廃棄物処分業者・肥料メーカーの例を参考に肥料原料供給者と肥料製造事業者及び肥料利用者等の関係者をリストアップする。リストアップした関係者に対して基礎調査結果に基づいてヒアリング調書を作成し、ヒアリング調査を実施する。調査に当たっては複数の需要家に対して連携可能性の有無等についてもヒアリングする。
【肥料化実施可能性の検討】
▽肥料化手法の検討=基礎調査の結果と下水汚泥の分析結果を踏まえ、県浄化センターに適していると思われる肥料化手法を複数選定し、「下水汚泥の肥料利用に関する検討手順書」を参考に肥料原料の取出位置と肥料生産方法の概略について検討する。なお、コンポスト等の肥料利用のほか既存処理施設の状況や更新検討時期も踏まえて焼却灰の肥料利用とリン回収についても併せて検討する。
▽外部委託の検討=外部委託の検討に当たっては肥料製造事業者である産業廃棄物処理業者やその他肥料製造業者に対して「肥料原料の受入れ基準」「受入れの余裕」や「今後の需要見込み」などに関するヒアリングを行い、肥料化の実施可能性について判断する。
▽関係者ヒアリングと流通経路の検討=直営により肥料化を実施する場合について肥料利用者の希望する形状・成分量・施肥量・施肥時期・肥料コストと肥料の受渡方法(場内・現地)等を基礎調査やヒアリングにより把握し、結果をとりまとめる。流通経路に関わる関係者に対しては把握結果に基づいて流通可能性をヒアリングにより把握し、結果をとりまとめる。
▽実現可能性の検討=事業効果を評価するための指標のひとつとして経済性について検討する。これに加えて地域農業への貢献とCO2削減効果及びリン回収による水質改善効果など経済的な価値を直接的に評価し難い側面も考慮し、総合的に肥料化の実現可能性を検討する。
【報告書の作成】
調査内容と検討内容及び検討結果等を整理して業務報告書にとりまとめる。なお、計画実施に向けて次年度以降の業務に繋がるように具体的に課題等を整理する。