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県技術管理課 国際航業で業務進む BIM/CIM環境構築推進 土木インフラ分野でDX実現へ

2023.12.8 県土マネジメント部

 奈良県県土マネジメント部技術管理課は、「奈良県BIM/CIM環境構築推進業務第1―委1号」を公募型プロポーザルにより国際航業奈良営業所(奈良市大宮町6―2―10奈良タカタニビル)に委託して業務を進めている。
プロポーザルには2者が参加、提出された参加表明書及び技術提案書について評価基準(合計100点)に基づき審査し、69・52点で国際航業を受託業者として特定して1980万円込(業務量の目安は2000万円込が限度)で契約を締結したもの。
 土木インフラ分野では受発注者において担い手不足が深刻さを増していることから、奈良デジタル戦略に掲げる県土DX(建設生産・管理システムの高度化・効率化を図る取組みであるデジタル・トランスフォーメーション)を実現していく必要がある。
 そのため現在の業務プロセスの検証やIT環境の整備を図り、効果的にデジタル技術を導入し、業務の効率化を図っていくことが重要。令和4年度に職員へのアンケート調査やヒアリングと既存システム・データの調査等を実施し、現状における課題や改善ニーズを整理した。また、他の自治体等の先進事例も参考とし、データの利活用などデジタル技術を用いた解決方法を検討し、将来像の設定やDX戦略メニュー案をとりまとめた建設生産と管理に係るDX推進計画(案)を作成した。
 今回の業務では、県全域を対象にDX推進基本計画(案)の具体化と案のうちBIM/CIMに関連する基本計画(案)の作成及びIT環境整備の検討を実施する。委託期間6年3月22日。打合せは業務着手時・中間2回・成果品納入時の計4回で、計画準備をしたうえで次の業務を行う。担当は土木積算情報係(電話0742―27―7607)。
【DX推進基本計画(案)の具体化】
建設生産と管理に係るDX推進基本計画(案)について技術管理課と調整を行い、妥当性について検討して計画の具体化を図り信頼性を高める。
【BIM/CIM基本計画(案)の作成】
▽BIM/CIMの円滑な導入の検討=県土マネジメント部における土木分野でのBIM/CIMについて、円滑な導入をめざしてDX推進基本計画(案)に関連する事項を抽出し、より詳細なロードマップ(個別計画)と、実施に当たっての課題の整理・分析及び解決方法を盛り込んだBIM/CIM基本計画(案)を作成する。
▽事業スキームの立案=BIM/CIMの実施に当たり、事業の進め方やBIM/CIMの活用方法がイメージできる事業スキームを立案する。併せて国の3次元測量・設計・施工の発注仕様及び動向を調査し、実施要綱(案)及び発注図書(案)を検討する。また、設計変更時の3次元成果の修正方法等の運用方法を検討する。
▽研修実施計画検討=BIM/CIM活用を前提とした発注者向け研修内容を検討する。研修の方法や実施期間を含めた研修実施計画をBIM/CIM基本計画(案)に盛り込む
【IT環境整備の検討】
▽ハード環境整備の検討=新技術の活用に向けたネットワーク・ハード環境の整備を検討する。また、BIM/CIM導入に必要な環境について、別途に試行導入を予定しているハイスペックPCを用いたBIM/CIM活用業務での使用状況も考慮しながら検討する。
▽3次元データ閲覧・共有プラットフォームの詳細設計=3次元データの閲覧・共有が可能なプラットフォームの詳細設計を行い、技術管理課と導入検討に向けた調整を行う。なお、情報共有に向けた環境構築としてデータマネジメント手法及びハード環境整備の検討を行うとともに、実装時のユーザビリティを考慮して設計する。
(吹上)

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