一般記事

文化財保存課 5年度に基本計画策定 興福寺旧境内登大路瓦窯跡整備

2023.5.16 県文化・教育・くらし創造部

 奈良県文化・教育・くらし創造部文化財保存課は、現在県立美術館北側の県有地内(奈良市登大路町の史跡興福寺旧境内)で発掘調査により計12基が検出された登大路瓦窯跡を整備するための基本計画を令和5年度に策定する。
一般競争入札「登大路瓦窯跡整備基本計画策定支援業務委託5文財第2号」を6月1日に開札して業務を委託する。業務概要は登大路瓦窯跡整備基本計画の策定支援、検討委員会資料作成・議事録作成。委託期間6年3月22日。担当は記念物・埋蔵文化財係(電話0742―27―9866)。
業務の対象地である「史跡興福寺旧境内 登大路瓦窯跡」は、興福寺旧境内に含まれ、現在県立美術館北側の県有地内に所在する。発掘調査により計12基の窯跡が検出され、操業開始時期は奈良時代後半(12基のうち3基)と考えられ、概ね鎌倉時代初頭まで操業されていたことが明らかとなった。
この瓦窯跡は文献史料に見られず、発掘調査により確認された奈良時代の窯であること、奈良時代後半以降の興福寺伽藍の維持管理を支えた瓦窯であるという歴史的意義を鑑みて、日本古代の窯業史を検討するうえで非常に重要な瓦窯跡であると評価できる。
登大路瓦窯跡は発掘調査後、現地に埋設保存されており、今後の史跡整備として露出展示を始めレプリカ展示、何らかの地表面表示など複数の手法について検討する必要がある。また、隣接する県立美術館と一体となった整備についても検討を行う必要がある。
4年3月に「史跡興福寺旧境内保存活用計画」が法相宗大本山興福寺により策定された。この保存活用計画を踏まえ、 これまでの発掘調査・史料調査等の成果と保存活用計画策定者の興福寺の意向のほか、県が5年度に設置する「史跡登大路瓦窯跡整備検討委員会」における議論等を反映させて登大路瓦窯跡整備基本計画を策定する。そのための支援業務を委託するもの。

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