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県土利用政策室 3月2日までパブコメ 天理周辺都計道路の見直し(案) 布留二階堂線と天理王寺線対象に 廃止は1区間、4区間で事業存続

2022.2.8 県地域デザイン推進局

 奈良県土利用政策室は、天理周辺地域における未着手の都市計画道路の見直し(案)について3月2日までパブリックコメントを行う。令和4年度に都市計画変更の資料を作成し、早ければ5年度に都市計画審議会へ上程される見込み。
 県土マネジメント部地域デザイン推進局県土利用政策室は、令和3年度から天理市と田原本町と連携して進めてきた天理周辺地域における未着手都市計画道路の見直しについて、市町の意見を踏まえ見直し(案)を作成し、パブリックコメントを実施している。
 3月2日まで郵便・FAXにより意見を受け付けるとともに、問い合わせフォームからも提出できる。見直し(案)は県土利用政策室(県庁本庁舎2F)・県政情報センター(県庁舎東棟1F)・県民お役立ち情報コーナー(奈良県産業会館、吉野町中央公民館〈吉野福祉事務所〉、橿原総合庁舎〈中南和県税事務所〉、県立図書情報館)と各市町で閲覧に供している。問い合わせは計画調整係(電話0742―27―7520)。
 対象となった布留二階堂線(2区間)と天理王寺線(3区間)を見直した結果、天理王寺線の起点~勾田町交差点間の1区間のみが事業廃止となり、残る4区間はすべて事業存続となった。パブリックコメントの意見に回答するとともに、意見を反映した都市計画変更の資料を4年度に作成、順調に進展すれば5年7月にも都市計画審議会へ上程される見込み。
 都市計画道路は、都市における円滑な移動の確保と良好な都市環境及び市街地の形成などの機能を有し、都市の骨格を形成する道路として都市計画法に基づいて都市計画決定されているもの。
奈良県内の都市計画道路は、これまで高度成長期の急激な都市の拡大による爆発的な人口増加や自動車交通量の増加に迅速に対応するために、自動車交通等の円滑な処理を主な目的とした道路ネットワークを構築すべく都市計画決定を行ってきた。奈良県の都市計画道路は392路線で延長約852㌔㍍、整備率が約53%と全国平均約66%より低い水準にとどまっている(2年3月末現在)。
しかし厳しい財政的制約等により、都市計画決定後に未整備のままとなっている都市計画道路が多数存在する状況にあり、都市計画道路区域内の一定の建築物の建築を長期に亘り制限している状況が課題となっている。
県内においては、自動車交通等の円滑な処理を主な目的とした道路整備が引き続き必要な状況だが、一方では既に人口の減少の始まり、超高齢社会の到来、将来の自動車交通量の減少が予測されるなど社会情勢が大きく変化しており、自動車交通等の円滑な処理の観点のみならず、良好な都市環境を確保する機能等まちづくりの観点からの都市計画道路の見直しの必要性が高まってきていると考えていることから、これらのさまざまな社会情勢の変化も踏まえ、自動車交通等の円滑な処理の観点に加えて、個別市町村のまちづくりの観点からも丁寧な議論を行いながら都市計画道路の見直しに取り組んだもの。
 【布留二階堂線】起点・天理市布留町~終点・天理市嘉幡町の延長約4740㍍標準幅員12㍍(2車線)、関係機関は天理市・奈良国道事務所。
 ▽見直し対象区間1=起点~天理教本部東側の交差点。天理市都市計画マスタープランにおいて「まちなかシンボル軸」に位置付けられているが、現道の天理市道は2車線が確保されていることから自動車の交通機能の観点から必要な機能を有している。また、「まちなかシンボル軸」に位置付けられている区間については現道の南側の歩道が設けられていないため歩行者等の交通機能の観点から必要性が認められる。その他に緊急輸送道路に位置付けられている現道の天理市道は2車線が確保されていることから必要な機能を有しているが、天理市都市計画マスタープランにおいて「シンボル的な街路景観の形成区間」に位置付けられていることから、自治体のまちづくり計画との整合性の観点から必要性が認められる。このような必要性が認められ、代替する路線も存在しないことから「存続」が妥当とした。
 ▽見直し対象区間2=市計画道路天理停車場裏南線との交差点~嘉幡町交差点。天理市都市計画マスタープランにおいて「まちなかシンボル軸」、奈良県道路整備基本計画において「骨格幹線道路ネットワーク」に位置付けられており、現道の国道25号は2車線が確保されていることから必要な機能を有している。しかし田井庄交差点と嘉幡町交差点が地域の主要渋滞箇所に位置付けられているが、渋滞緩和に寄与する対策が実施されておらず、一部区間が国土交通省の「事故ゼロプラン」における事故危険区間に位置付けられているが、事故減少に寄与する対策が実施されていないことから、自動車の交通機能の観点から必要性が認められる。また、通学路やあんしん歩行エリアに位置付けられている他に「まちなかシンボル軸」や「骨格幹線道路ネットワーク」に位置付けられている区間については現道の国道25号の両側に歩道が設けられていることから必要な機能を有しているが、一部区間が国土交通省の「事故ゼロプラン」における事故危険区間に位置付けられており、事故減少に寄与する対策が実施されていないことから、歩行者等の交通機能の観点から必要性が認められる。その他に緊急輸送道路に位置付けられている現道の国道25号は2車線が確保されていることから必要な機能を有しているが、天理市都市計画マスタープランにおいて「シンボル的な街路景観の形成区間」に位置付けられていることから、自治体のまちづくり計画との整合性の観点から必要性が認められる。このような必要性が認められ、代替する路線も存在しないことから「存続」が妥当とした。
 【天理王寺線】起点・天理市杣ノ内町~終点・天理市西嘉幡町の延長約4660㍍標準幅員24㍍(4車線〈2車線〉)、関係機関は天理市・田原本町。
 ▽見直し対象区間1=起点~勾田町交差点。天理市都市計画マスタープランにおいて「まち・さと連携環状軸」や「市街地骨格幹線道路」に位置付けられているが、現道の国道25号は2車線が確保されていることから自動車の交通機能の観点から必要な機能を有している。また、「奈良まほろばサイク∞リング」のルートに位置付けられているが、サイクリングルート等の拡幅計画はなく現道が必要な機能を有している。通学路や「まち・さと連携環状軸」等に位置付けられている区間については、現道の国道25号の両側に歩道が設けられているため歩行者等の交通機能の観点で必要な機能を有している。自治体のまちづくり計画との整合性の観点からは当該区間は緊急輸送道路に位置付けられているが、現道の国道25号は2車線が確保されていることから必要な機能を有している。どの観点からも現道が必要な機能を有していることから「廃止」が妥当とした。
 ▽見直し対象区間2=勾田町交差点~東井戸堂。天理市都市計画マスタープランにおいて「まち・さと連携環状軸」や「市街地骨格幹線道路」に位置付けられているが、現道の天理市道は2車線が確保されていることから自動車の交通機能の観点で必要な機能を有している。また、「奈良まほろばサイク∞リング」のルートに位置付けられているが、サイクリングルート等の拡幅計画はなく、現道が必要な機能を有しているが、「まち・さと連携環状軸」等に位置付けられている区間については歩道が設けられていない箇所があるため歩行者等の交通機能の観点から必要性が認められる。なお、自治体のまちづくり計画との整合性の観点からはどの項目からも必要性が認められなかった。歩行者等の交通機能の観点から必要性が認められ、代替する路線も存在しないことから「存続」が妥当とした。但し、当該区間は4車線の道路として都市計画決定されているが、将来の交通量を推計した結果、2車線の道路で対応できるため今後必要な道路規格(車線や幅員)について検討する必要がある。
 ▽見直し対象区間3=嘉幡橋北詰交差点~終点。「奈良まほろばサイク∞リング」のルートに位置付けられているが、サイクリングルート等の拡幅計画はなく、現道の天理市道が必要な機能を有している。一方で当該区間については道路管理者である天理市が道路拡幅等の安全対策を今後検討していくとしていることから、自動車の交通機能の観点及び歩行者等の交通機能の観点から必要性が認められる。なお、自治体のまちづくり計画との整合性の観点からはどの項目からも必要性が認められなかった。これらの必要性が認められ、代替する路線も存在しないことから「存続」が妥当とした。但し、当該区間は4車線の道路として都市計画決定されているが、将来の交通量を推計した結果、2車線の道路で対応できるため今後道路管理者である天理市が必要な道路規格(車線や幅員)に応じた都市計画変更を実施する。

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