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県防災統括室 6年度内に策定へ 県総合防災体制基本構想 一般競争入札を5月14日に開札

2024.4.25 県総務部

 奈良県総務部知事公室防災統括室は、令和6年度内に県の新たな防災体制の方向性をとりまとめることを目的に、県全体の防災体制を総合的に検討して「(仮称)奈良県総合防災体制基本構想」 を策定する。このなかで大規模広域防災拠点実現可能性の再検討や、県立橿原公苑及び五條市県有地が果たすべき役割の整理、さらに消防学校に係る検討も行う。
一般競争入札の「(仮称)奈良県総合防災体制基本構想」検討業務を5月14日に開札して業務を委託する。業務対象は県全域。委託期間7年3月24日。担当は広域受援推進係(電和0742―27―8091)。
南海トラフ地震等の大規模かつ広域的な災害では、県や非被災市町村の支援のみでは充分な応急対策活動が困難であることが予想されるため、県が全国的な応援を迅速かつ円滑に受け入れ、被災市町村を支援し、被災者支援に繋げることが重要となる。そのため県では、 広域防災拠点の追加指定を行うとともに、県立橿原公苑や五條市の県有地等を活用し、防災力の強化を図っている状況。
奈良県の被災が想定される災害に対し、県における防災体制の現状を把握するとともに 課題を抽出する。また、発災時に応援部隊や支援物資の受入れの中心となる広域防災拠点について基本的な考え方を整理するとともに、各拠点の役割・分担を確立と配置・運用を踏まえた連携体制を明確化し、 これらをとりまとめた基本構想案を作成する。
資料収集・整理と実施計画を立案したうえで、次の「(仮称)奈良県総合防災体制基本構想」の策定支援に係る業務を行うとともに、基本構想の策定に当たり有識者等から構成される部会(有識者等10名程度)の運営を支援(3回分)し、県との協議により部会の資料と議事録を作成する。
【防災体制の現状把握及び課題抽出】
▽広域防災拠点等の現状及び課題の整理=①既存の広域防災拠点と五條市県有地と道の駅「クロスウェイなかまち」及び県立橿原公苑と橿原運動公園(広域防災拠点等)について既存資料等により現状を把握するとともに広域防災拠点として活用する際の課題を抽出する②県における防災体制を整理するとともに他府県の防災体制の事例を収集してとりまとめる。
▽ 「大規模広域防災拠点整備基本計画」の実現可能性調査=「大規模広域防災拠点整備基本計画」について過年度の調査検討を踏まえて土砂搬入量や事業期間等を精査するとともに事業の実現可能性を再検討する。
【想定災害における検討】
▽想定災害における受入量等の算出=県の被災が想定される災害(南海トラフ地震、奈良盆地東縁断層帯地震、大和川水害)について被害想定に基づき応援部隊及び支援物資の受入量及びその必要面積を算出する。
▽広域防災拠点等の被災リスクの整理=①想定される災害に対して広域防災拠点の被災リスクの調査及び分析を行う②県立橿原公苑及び五條市県有地については周辺のアクセス道路を含めて近隣のボーリングデータ等から液状化の可能性について分析する。なお、近年の大地震における液状化の事例に基づき被害程度を調査するとともに近隣府県の広域防災拠点の液状化の可能性も調査する。
【広域防災拠点等の役割分担等の検討】
▽基本的な考え方の整理=県の地理的特性を踏まえて想定される災害に対して迅速かつ円滑に対応できるように広域防災拠点の配置と役割分担について体系的に整理する。他府県の事例を踏まえて複数案を比較検討する。
▽広域防災拠点等の役割の整理=①県の地理的特性と広域防災拠点等の諸元・配置及び被害想定等を鑑みて県の被災が想定される災害について災害ごとに広域防災拠点等の役割とその分担を整理して明確にする②役割の整理に当たっては受入に必要な規模を確定させたうえで進出・救助活動・航空搬送・物資輸送の4つの機能について整理する③災害ごとに3ケース程度(道路が寸断された場合の最悪ケースなど)を想定して輸送経路(特に空路の活用)等を踏まえて整理とする。
▽県立橿原公苑及び五條市県有地が果たすべき役割の整理=①2ヵ所が果たすべき役割を整理したうえで担うべき機能及び規模を検討する②県立橿原公苑の検討の際には橿原運動公園との連携を視野に入れた想定を行う③五條市県有地については平常時の活用と概算事業費等の経済性経済性についても検討する。
▽広域防災拠点における受援の考え方の検討=①広域防災拠点等の運用の具体化へ向けて具体運用上の課題を整理して対応策を立案する②広域防災拠点等において活動が想定される「救助・救急、消火活動」「物資調達」「災害医療」について目標・基本方針・活動に係る実施事項等の必要項目を整理して広域防災拠点における受援の考え方としてとりまとめる。
【消防学校に係る検討】
消防学校は、消防職員及び消防団員の資質を高めるための教育訓練機関だが、現施設は老朽化が顕著で、敷地面積が狭いことなどから、現在の消防救急活動に即した教育訓練が充分に行えないため早期の移転整備が喫緊の課題。このことから現施設の課題を解消して県消防力の向上を早急に進めるため平常時の消防学校の教育訓練機能とともに発災時に消防学校に求められる機能等のあり方を検討して移転候補地を選定する
▽あり方の検討あり方の検討=①県に必要な消防職員等を育成するための教育訓練機能及び広域防災拠点との連携を踏まえて消防学校の立地条件について比較検討する②発災時において消防学校に必要な防災機能を明確化する。
▽移転候補地の選定=5年度に県消防救急課において評価を行った移転候補地と評価基準を参考に移転候補地について検討して消防学校の移転場所として最適な候補地を選定する。なお、移転候補地が災害リスクを有する場合にはその対策を検討すること。別途県が実施するアンケート調査の結果をとりまとめと分析を行うとともに、図表等を用いたわかりやすい表現方法により概要を作成する。
【五條市県有地に係る検討】
▽整備方針の検討=各種法令等と整合を図りつつ五條市県有地における基本的な整備の方針を検討する。なお、発災時に効果的・効率的に活用することに主眼を置くこととし、平時の活用についても検討内容に盛り込む。
▽配置計画の検討②配置計画の検討=整備方針に基づいて必要な施設の配置・ゾーニング・導線と配置施設の形状等を考慮して効果的な配置計画を複数案提案する。また、経済的合理性を含めて比較検討を行う。
【「(仮称)奈良県総合防災体制基本構想」の作成支援】
検討結果をとりまとめて「(仮称)奈良県総合防災体制基本構想」案を作成する。なお、広域防災拠点等を運用した場合に想定される課題と今後の受援計画の作成に向けた課題について整理する。

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