一般記事

4年早期に造成へ 観覚寺東地区にダイヤ製薬 「くすりの町たかとり」の再興へ

2021.11.22 高取町

高取町は、企業の立地を誘導するために地区計画制度を導入した「観覚寺東地区」にダイヤ製薬を誘致、同社は3期に分けて「新奈良工場」を建設するための造成工事に令和4年早期に着手する見通し。
 高取町が新たな産業拠点を形成するため初めて地区計画制度を導入した「観覚寺東地区」へ、金橋ホールディングス(橿原市東坊城町)グループのダイヤ製薬(橿原市上品寺町)が「新奈良工場」の建設を計画している。県への開発許可の手続きを進めており、令和4年早期に造成工事を始め、建築工事は3期分割で第1期にダイヤ製薬の施設を建設する見通し。
 同町では、製薬業を始めとした産業の衰退が著しく、若者が雇用を求めて町外・県外へ流出し、人口減少の大きな要因となっている。また、他地域に較べて労働生産性が低い状態が続いており、豊かな住民生活に貢献できる産業拠点の形成が望まれている。
 大和都市計画「高取町観覚寺東地区地区計画」の対象となるのは、大字観覚寺の北東部の約3㌶。周辺にキトラ古墳や土佐街道等の歴史資源があり、南北に田園が広がり、東西に丘陵地がある、谷あいの擂鉢状の地形。
近鉄吉野線壺阪山駅から北東約0・5㌔㍍、国道169号から東約0・2㌔㍍、町道観覚寺下土佐上土佐線沿いの交通利便性を活かし、地域経済の基盤強化と雇用の場を確保するため、緑豊かな周辺の自然環境との調和に配慮しつつ、環境への影響が少ない産業施設の立地を誘導し、産業拠点の形成を図るもの。今後は、企業進出の動向を見極めながら、適正な土地利用の誘導を図る必要がある。
そこでこの地区に地区計画制度を導入し、新たな産業拠点として無公害型企業の立地を適正に誘導するため、令和元年5月10日に都市計画決定して告示した。将来的には、商工業の発展に向けた薬業関連会社を誘致し、薬業の拠点づくりを図りながら、「くすりの町たかとり」の再興と活力あるまちづくりをめざす。地区計画では次のような建築物等の用途の制限を定め、建築物の容積率と建ぺい率、敷地面積、壁面位置・高さ等についても必要な制限を行う。
▽建築物等の用途の制限=①工場(建築基準法別表第2〈ぬ〉第1号に掲げるものは除く)②研究施設③危険物の貯蔵または処理に供する建築物(建築基準法別表第2〈ぬ〉第1号に掲げるものは除く)④事務所⑤倉庫⑥以上の建築物に附属するもの―以外は建築することができない。
▽容積率の最高限度=200%。
▽建ぺいの最高限度=60%。
▽建築物の敷地面積の最低限度=3000平方㍍。
▽壁面の位置の制限=建築物の外壁またはこれに代わる柱の面から町道との境界まで3㍍以上、町道を除くその他の敷地境界まで1・5㍍以上。
▽建築物の高さの最高限度=15㍍。
(吹上)

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