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県河川整備委員会 進捗点検結果まとめ 淀川(県域)・紀の川水系 次年度は大和川水系(生駒いかるが圏域)

2022.3.29 県土マネジメント部

 奈良県河川整備課は、第100回県河川整備委員会を開き、前回に委員会で「事業継続」の対応方針が承認された淀川水系(奈良県域)・紀の川(吉野川)水系について、最終的な進捗点検結果のとりまとめと環境モニタリング調査結果について審議した。
 県土マネジメント部河川整備課は、第100回奈良県河川整備委員会(委員長・川池健司京都大学防災研究所教授)を、さる23日にホテルリガーレ春日野で開催した。淀川水系(奈良県域)・紀の川(吉野川)水系の進捗点検のとりまとめの審議を行い、環境モニタリング調査結果について報告を受けた。また、4年度の大和川水系(生駒いかるが圏域)について予定を明らかにした。  対象となるのは、淀川水系(奈良県域)の宇陀川と町並川河川改修事業及び山田川河川改修事業、紀の川水系(吉野川)紀の川河川改修事業(18工区で、うち改修済3工区、事業中6工区、未着手9工区)。第99回委員会では、事業再評価を行っていずれも対応方針通り事業「継続」と可決している。担当は河川計画係 (電話0742―27―7507)。各河川改修事業の進捗点検のとりまとめは次の通り。
 【宇陀川】すでに改修を終えている。自然石による護岸整備行ったものの、素材の明度が高く周辺環境との調和への配慮が充分でなかった。年月の経過とともに明度が低下する可能性があり、経過観察を継続して行う。
 【町並川】概ね10年に1回程度の確率で発生する洪水を安全に流下させ、洪水による家屋の浸水被害を解消する。法線はその位置を極力変更せず(不足分の流量はバイパス水路により処理)に、河床掘削(125㍍。改修済)を行うとともに、バイパス水路(φ1200㍉L740㍍。事業中)の整備を行う。浸水常襲地域として指定している宇陀市榛原萩原地内の浸水被害状況を継続して注視することにより被害軽減効果を把握する。
 【山田川】魚巣ブロックを設置して生物の生息・生育・繁殖環境を保全する。河道拡幅と河床掘削による河積拡大(670㍍。改修済240㍍、未改修430㍍)を行うとともに、国が行う国道163号の道路事業と連携して河川付替(635㍍。事業中)を実施する。ゲンジボタル生息の保全へ向け、餌となるカワニナが確認されていることから堤内傾斜地の樹林の保全などを行う。また、河川付替後の現河川の利用も検討する。
 【紀の川】昭和34年9月の伊勢湾台風と同規模の洪水による家屋の浸水被害等を解消する。大滝ダムによる洪水調節と河道整備(18区間総延長9535㍍。改修済3工区、事業中6工区、未着手9工区)で対応する。未改修区間の流下能力不足箇所の解消へ向けて今後も引き続き事業を進めていく。環境学習・活動を展開するリバーウォッチングを開催している。
環境モニタリング調査は、紀の川の吉野町六田と山田川の生駒市鹿畑町各100㍍で実施し、河川内に生息する動植物の状況確認を行った。
4年度は大和川水系(生駒いかるが圏域)について審議する予定で、7月~8月に現地視察、10月頃に河川整備計画の進捗点検結果とりまとめの中間報告、12月頃に事業再評価と次年度の環境モニタリング調査計画の審議、5年2月~3月に4年度のまとめを行うことにしている。
(吹上)

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