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奈良県内から2件 官民連携基盤整備推進調査費 平城・相楽NTと竹取公園再整備で 地域活性化のための基盤整備検討を

2023.5.25 国交省

 近畿地方整備局は、国土交通省「官民連携による地域活性化のための基盤整備推進支援事業(官民連携基盤整備推進調査費)」の令和5年度第1回配分で、奈良県内から奈良市の平城・相楽ニュータウンにおける地域活性化のための基盤整備検討調査と、広陵町の竹取公園再整備よる地域活性化拠点形成のための基盤整備検討調査の2件への支援が決定した―と公表した。
 この事業は、民間の設備投資等と一体的に計画される地方公共団体のインフラ整備(道路・河川・都市公園・市街地整備・港湾・空港等)の事業化検討を支援するための制度で、近畿地方整備局管内で3件(全国では14件)の地方公共団体の事業化に向けた調査への支援が選定された。補助率1/2。
 【平城・相楽ニュータウンにおける地域活性化のための基盤整備検討調査(奈良市)実施計画額4000万円・うち国費2000万円】
 2府県3市町に跨る平城・相楽ニュータウンは住宅・都市整備公団(現UR都市機構)により一体的な開発整備が行われた。令和3月3月には3市町・UR都市機構・関西文化学術研究都市センター等でこれからの50年のまちづくりを見据えた報告書「平城+相楽100」が取りまとめられ、エリアマネジメントに関する協議を4年度より開始しており、人中心のウォーカブルなまちなかの形成に向けた検討が行われている。
ニュータウンの中心に位置する高の原駅前広場は1日当りの利用者数は約1・6万人(3年)となるなど交通結節点として重要な役割を担っており、駅周辺には都市機能が集積している。
利用を希望する民間企業や市民のアイデアを募ることで効果的な利活用の在り方を探る「トライアルサウンディング(民間活力導入)」をニュータウンの5つの都市公園で実施している。市や自治連合会等の関係団体が連携した環境改善に取り組んでおり、エリア一体での地域活性化を検討中。
 ▽社会的背景・状況の変化等=令和3年3月「平城+相楽100」とりまとめ・4年3月 公園トライアル・サウンディングの制度化・4年7月(仮称)高の原エリアマネジメント組成に向けた協議を開始・4年10月奈良市公園マネジメント基本計画策定・4月11月まちびらき50周年・4年12月駅前広場再整備に向けた社会実験を開催。
 ▽民間事業者の活動・新たな投資・予定=①7年度以降に(仮称)高の原エリアマネジメントによるオフィスや飲食店舗等エリアの運営とフリーマーケットやキッチンカーなどのイベント開催予定②6年度以降に民間事業者による駐輪場の再編及び複合収益施設の設置。
 ▽基盤整備の必要性(現状の課題等)=①ニュータウンの中心地である高の原駅のにぎわい創出に向け、人中心のウォーカブルな駅前広場への転換②市民や民間事業者によるイベントや飲食・物販等の事業活動等が展開できる基盤を整備し、魅力あるニュータウンとすること―が必要。
 ▽調査内容=①高の原駅前広場の再整備に向けた基礎調査②高の原駅前広場の概略設計③高の原駅前広場のPPP/PFI導入可能性調査。
 ▽民間の活動と一体的に整備する効果=収益施設と駅前広場の一体的な整備により駅の利用者数が増加し、ニュータウン中心地の更なる活性化が図られる。これを起爆剤とした波及効果によりニュータウン全体のエリア価値と魅力が向上し、新たな民間投資の誘導及び域内の経済活動の活発化が期待される。
 【竹取公園再整備よる地域活性化拠点形成のための基盤整備検討調査(広陵町)実施計画額2000万円・うち国費1000万円】
 広陵町は奈良盆地の中西部に位置し、大阪市内へは40分と交通アクセスに恵まれ、古墳群が残るのどかな田園風景や閑静な住宅街が広がる町。日本一の生産量を誇る靴下製造業や「夏秋なす」や若手のイチゴ農家による「イチゴ」などの農業を地場産業としている。
ベッドタウンとして成長する一方で、都市サービスの享受は町外へ行く住民が多く、町内の拠点地区の形成・充実などが求められている。
こうしたなかで県とまちづくりに係る取組みについて包括協定を締結して「広陵町竹取公園周辺地区まちづくり基本計画」を策定した。「竹取公園」を核とした賑わいのある拠点地区形成に向けて、民間活力導入による公園魅力向上や地域資源や地場産業を活用した新たな賑わい創出に取り組むことが求められている。
都市部からのアクセスに恵まれ、年間100万人の来園者を誇る県営馬見丘陵公園に隣接する「竹取公園」のポテンシャルを活かし、町内外からヒト・モノ・カネを引き込む新たな賑わい拠点整備が期待されている。
 ▽社会的背景・状況の変化等=平成29年2月県と包括協定締結・令和元年10月竹取公園に対するサウンディング調査実施・3年3月 「広陵町都市計画マスタープラン」を改訂・3年7月「広陵町竹取公園周辺地区まちづくり基本計画」公表。
 ▽民間事業者の活動・新たな投資・予定=①9年度以降に竹取公園におけるPark―PFI事業者による収益施設の整備及び公園の再整備・管理運営②5年度以降に一般社団法人広陵町産業総合支援機構による県営馬見丘陵公園において竹取公園と連携した農産物販売イベント等の開催③5年度以降に広陵町商工会による集客イベントの開催④9年度以降に靴下製造会社による地場産業の研修・見学施設等の設置。
 ▽基盤整備の必要性(現状の課題等)=①開園25年が経過して遊具や園路等の老朽化が進み、公園施設の改修整備②公園内に飲食できるスペースや休息できるスペースが少なく公園のリニューアル―が必要。
 ▽調査内容=①公園再整備(広場等)に係る概略設計②公園の整備・管理運営に係るPPP/PFI導入可能性検討。
 ▽民間の活動と一体的に整備する効果=民間活力を導入した収益施設との一体整備することにより公園の魅力向上と利用者の増加及び民間活動の活性化と、公園拡張及び公園施設の改修コスト削減。

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