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馬見丘陵公園 公園館を休憩施設に 魅力向上施設整備計画検討 オリコンで業務進む ニーズ等把握へ来園者アンケート調査

2022.10.18 県地域デザイン推進局

 奈良県県土マネジメント部地域デザイン推進局公園緑地課は、「馬見丘陵公園魅力向上施設整備計画検討業務第121―委―1号」を公募型プロポーザルによりオリエンタルコンサルタンツ奈良事務所に委託し、業務を進めている。
業務場所は河合町佐味田他。業務は、馬見丘陵公園館を休憩施設として機能を見直すことについて検討するとともに、魅力向上を図るために来園者ニーズや利用動態を把握することを目的にアンケート調査を行うもの。委託期間5年3月10日。担当は都市公園係(電話0742―27―8069)。
 馬見丘陵公園は、県中西部に位置する面積約56・2㌶の県営都市公園(種別は広域公園)で、平成3年に約10㌶を供用開始した後、順次整備・追加供用を行い、24年10月に全面供用した。5世紀頃に築造された馬見古墳群の一部を成すさまざまな古墳を園内に有した歴史的環境と、丘陵の樹林地と溜池などの自然的環境を保全・活用した広域レクリエーション拠点として、県内外から年間約110万人が散策等に訪れる人気の公園となっている。
近年は、季節を代表する花をテーマにしたイベントを開催、 県民と協働しながら花の公園づくりを展開し、春のチューリップ、初夏のハナショウブ、夏のヒマワリ、秋のダリア・コスモス、冬のイルミネーションのほか、歴史探訪や野鳥観察を楽しみながら休息・散策・ピクニック等ができる公園として管理運営を行っている。
この公園ではこれまでに限られた平地を中心に園路・トイレ・休憩所等の施設を配置し、駐車場等のアクセス環境整備や電動カートによる園内移動支援等を行ってきた。しかし、中央エリアを中心に急な降雨や夏の炎天下での休憩が可能な施設が少ないこと、大規模イベント時の休日を中心に駐車場が満車となり、道路に入庫待ちの列ができるなどの課題もある。また、草花や樹木等の見本園としての役割も大きくなっており、その情報発信や見せ方について工夫が求められている。
特に中央エリアにある馬見丘陵公園館は、平成3年の開園当初から30年間に亘り、主に馬見古墳群の紹介を中心に模型や映像を使った展示施設として機能してきた。しかし、スマートフォンの普及などに伴い情報提供手法が様変わりするなかで冷暖房が完備された貴重な建物である公園館を休憩施設として機能を見直すことについて検討が必要。
また、この公園南エリアに隣接する広陵町営竹取公園(種別は地区公園)や国特別史跡巣山古墳における広陵町事業と県事業との連携による公園を核としたまちづくりを推進するため、令和3年7月に竹取公園周辺まちづくり基本計画を策定している 。 さらに公園は河合町の一時避難地に指定されており、緑道エリアにソーラー街路灯を設置し、避難路としての環境整備を行っている。
この業務はこれらの背景や課題を踏まえ、公園のさらなる魅力向上を図るため、来園者ニーズや利用動態を把握し、現状の課題と解決方法の事例収集及びこの公園での適用条件等を検討・整理し、導入すべき機能やテーマと導入施設の内容・概略規模を設定するとともに、景観や管理運営等の概略の検討を行うことを目的とする。業務内容は次の通り。
【課題整理】
公園の現況と課題を把握する。事前にチェックリストを作成したうえで現地踏査を行い、課題を整理する。現況写真や図表を用いて課題整理票(様式任意) を作成する。
【課題解決策の検討及び提案】
以下の事項について立地条件を踏まえた検討を行って提案する。また、検討した施設等の整備及び運営に係る概算事業費を算出する。
▽便益施設等のあり方の検討=①中央エリアハナモモの丘(パーゴラ〈藤棚〉、ベンチ)②馬見丘陵公園館展示施設から休憩施設への機能転換③北エリア花の道ススキの丘(西洋風四阿)の候補地において整備すべき施設の仕様(位置、構造、規模等)についてそれぞれ3案以上の比較検討を行う。比較項目は快適性・景観性・施工性・経済性を基本とする。整備イメージパースを各1枚作成する。②については民間活力の導入手法についても検討・整理する。また、④売店、カフェ・レストラン⑤喫煙所⑥授乳室⑦自動販売機の公園施設の位置・構造・規模等の検討を行う。
▽新たな花壇の見せ方の検討=立体花壇とモニュメントとの組合せ、花壇デザインテーマの設定など草花植栽の新たな魅力づくりの方策を検討・提案する。検討では①エリアの特徴を活かす②散水設備と 電気設備及び管理車両動線となる園路等の配置を考慮する。
▽既存施設の適正性及び運用方法=①駐車場②芝生広場③園路(ランニングコースとしての利用、犬の散歩の可否等を含む)④トイレ⑤電動カート (来園者の移動支援)⑥倉庫・苗畑等(バックヤード)の公園施設について現況と課題を把握し、現在の公園規模や来園者数と利用動態から見た適正性を検証するとともに、課題への対応策を提案する。①及び⑤については有料化のあり方についても検討・整理する。
▽情報発信の方策検討=既存の取組み状況を把握・整理するとともに①草花・花木等樹木の基本情報や見どころ等の情報提供②災害時の来園者の安全確保のための情報提供の視点から追加して実施すべき方策を検討、提案する。提案に当たってはアナログまたはデジタル的な手法を問わず、他事例等を用いてその効果を説明すること。
▽まちづくり基本計画に基づく施設整備=まちづくり基本計画に位置付けられた①新たな賑わいの創出―町道上田部奥鳥井線沿道景観整備②地域資源の活用―巣山古墳周辺整備、巣山古墳周辺の視点場確保③アクセス環境の改善―移動支援方策の検討の事業について県が整備すべき内容を検討する。整備イメージとして鳥瞰パース1枚を作成する。
【協議資料作成補助】
業務の検討に当たって県庁内3者と広陵町1者及び河合町1者計5者との打合せ協議に必要な資料の作成を補助する。なお、それぞれに対して2回程度の打合せ協議を予定している。
【来園者アンケート調査】
課題の把握と課題解決策の検討を補足するためのアンケート調査を行う。対象者と実施方法(調査時期、回数、場所、対面・記入式の方法等)、質問項目については過年度実施内容を踏まえながら業務に適切な内容を検討する。なお、項目については年齢層・居住地・来訪動機・来訪手段・本人を含む同行人数・滞在時間・移動経路・良かったと思う点及び改善すべきと思う点については必須。

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