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4年度に詳細設計など 雨水貯留浸透施設の整備計画 法隆寺北1丁目を候補地に

2022.3.4 斑鳩町

 斑鳩町は、法隆寺北1丁目地内に計画している貯留浸透施設の整備について4年度早期に詳細設計と用地測量を委託する見通し。当初予算で確保していた業務委託費1250万円を4年度に繰り越す。
町は、内水対策として雨水貯留浸透施設の整備を計画しており、今年度に予定していた詳細設計と用地測量について、事業費を令和4年度に繰り越して実施することにしている。建設候補地は三代川上流の法隆寺北1丁目地内を予定。
令和3年度予算で第5次斑鳩町総合計画に基づく事業の安全・安心にくらせるまち「奈良県平成緊急内水対策事業の実施」として計上していた1250万円を4年度に繰り越すことを12月の町議会で議決している。これは、昨年12月に認定された大和川水系大和川等の特定都市河川指定に向けた作業を待っていたため。
内水対策として三代川への雨水流入を抑制して浸水被害を防止できるように、雨水貯留浸透施設を整備して降雨時に雨水を貯め、流量が減った段階で三代川に繋がる水路に雨水を放出する計画。「底面利用」の検討も行うことにしている。4年度に早期に業務を委託したい考え。
 国土交通省は、昨年11月1日に施行された改正特定都市河川浸水被害対策法に基づき、同法の改正後で全国初となる大和川水系大和川等の特定都市河川指定に向けた関係者への事前の意見聴取を実施して認定した。
 気候変動の影響による降雨量の増加等に対応するため流域全体を俯瞰し、あらゆる関係者が協働して取り組む「流域治水」の実現を図る「特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第31号。通称「流域治水関連法」)が3年5月10日に公布され、同年11月1日に全面施行となった。
国土交通省では、流域治水の本格的実践に向けて、流域治水関連法の中核をなす特定都市河川浸水被害対策法に基づき順次、特定都市河川の指定を全国の河川に拡大し、流域治水関連法の枠組による取組みの一層の強化を図ることとしている。
このほど流域治水関連法の施行後で全国初となる一級河川大和川水系大和川他18河川の特定都市河川指定に向け、法第3条第8項の規定に基づき当該河川の流域をその区域に含む奈良県及び県内の25市町村の長と、当該河川の流域に係る下水道管理者への意見聴取を行ったもの。地方公共団体による雨水貯留浸透施設の整備は、社会資本整備総合交付金の補助率が現行の1/3から1/2に引き上げられる。
 大和川上流域においては、昭和57年大和川大水害を契機として大和川流域総合治水対策協議会が発足し、60年に策定された流域整備計画を基に河道整備だけでなく、雨水貯留浸透施設の整備や開発に伴う流出増の抑制のための防災調整池等の整備を進めてきた。さらに総合治水のより一層の取組み強化を図るため平成29年10月に「大和川流域における総合治水の推進に関する条例」を制定して①ながす対策(治水対策)②ためる対策(流域対策)③ひかえる対策(土地利用対策)の3本柱と、上下流一体となった取組みを支える仕組みとし、総合治水に取り組んできた。
令和3年2月2日に閣議決定された流域治水関連法案について、特定都市河川指定の要件が河道等の整備による浸水被害の防止が困難であることの要因として、市街化の進展に加え「当該河川が接続する河川の状況または地形その他の自然的条件の特殊性」が追加された。
大和川上流域は市街化率の要件は満たしていないが、亀の瀬と呼ばれる狭窄部の影響により河道の整備が困難な地域であり、新たに追加された要件を満たすため県として特定都市河川の指定を国に求めていくこととしている。    (吹上)

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