一般記事

宇陀土木 町並川河川改修事業

2023.5.23 県宇陀土木事務所

分水施設工事を間もなく発注
進む地下バイパス河川整備

奈良県宇陀土木事務所は、「町並川河川改修事業」を進めており、今年度は地下バイパス河川の分水施設の発注を予定している。
整備が予定されているのは、「一級河川町並川分水施設工事」で、町並川を流れてきた水の地下バイパス河川への取り込み口になり、宇陀市榛原萩原の国道165号交差部付近(北側)で、流入立坑と同位置に整備される。整備概要は工事延長25メートル、分水施設工、鋼製スライドゲート工。第1四半期中の発注を予定しており、工期は10カ月を見込んでいる。
町並川は、宇陀市榛原を流れる宇陀川中流部の支流で、近鉄大阪線の榛原駅付近の密集市街地を流れて宇陀川に注ぐ流域面積0.90平方㌔㍍、流路延長1.3㌔㍍の一級河川。旧初瀬街道に概ね沿うようなかたちで家屋が連担する中を蛇行しながら流下しており、河道断面が小さく、流下能力が不足し、頻繁に浸水被害が発生している。
同事務所は、淀川水系(奈良県)河川整備計画に基づき、概ね10年に1回程度の確率で発生する洪水を安全に流下させ、洪水による家屋の浸水被害を解消するため「町並川河川改修事業」を推進しており、河床掘削による河積拡大を行うとともに、不足する流下能力を補うため、国道165号交差部から近鉄大阪線下流75㍍の間に、国道165号に沿うかたちで、延長760㍍、深さ5.6㍍~25.6㍍に直径1.2㍍の鉄筋コンクリート管を1/355の縦断勾配で埋設する地下バイパス河川の整備を行っている。平成29年に工事着手し、放流施設、放流立坑の工事は完了、バイパス河川も分水施設付近まで敷設は進んでおり、現在、概ね8割の進捗となっている。
地下バイパス河川の分水量は5.0立方㍍/秒を計画しており、地下バイパス河川の整備により浸水被害の解消が見込まれている。また、地下バイパス河川へ分水することで、洪水時の町並川への流量を減少させることが出来るため、町並川自体への河川改修が、河床部のみの掘削で止めることが出来、軽微な改修とすることで川沿いの歴史的環境も維持される。

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