一般記事

まほろば健康パーク パシコンに業務委託 機能強化民活導入可能性調査 事業スキームの検討とサウンディング調査を

2021.6.10 県地域デザイン推進局

 奈良県は、まほろば健康パーク機能強化について令和3年度に検討するため、業務をパシフィックコンサルタンツに委託した。業務は事業スキームを検討するほか、サウンディング型市場調査を実施して民間事業者の事業への参入可能性を確認するとともに、民間活力を活用した事業手法の可能性について検討する。
 奈良県県土マネジメント部地域デザイン推進局公園緑地課は、公募型プロポーザル「まほろば健康パーク機能強化民間活力導入可能性調査第742―委―1号」について、2者から提出された参加表明書及び技術提案書を評価基準に基づき審査し、パシフィックコンサルタンツ奈良事務所を受託業者に特定、847万円込(業務量の目安の限度と同額)で契約を締結して業務を委託した。
 業務場所は大和郡山市宮堂町・川西町下永。業務は①現況整理及び計画条件等の整理②導入機能及びサービスの検討③事業スキームの検討④サウンディング型市場調査の実施支援⑤VFM(支払に対するサービスの価値)の算出⑥概算事業費の算定。委託期間4年3月25日。担当は都市公園係(電話0742―27―7517)。
 施設は昭和49年2月に都市計画決定され、下水道処理場の周辺環境対策施設としてテニスコート・プール・野球場等を整備し、浄化センター公園として開設された。県営プール等の老朽化に伴い、PFI事業により平成23年度~26年度にスイムピア奈良の新設整備、ファミリープール等の再整備を実施し、26年7月に浄化センター公園をまほろば健康パークに名称を改めて開園している。
 開園して6年が経過し、年間約33万人(スイムピア奈良の有料施設は約22万人)の利用があり、年々利用者が増加している人気の公園となっている。一方、県内には子どもたちが遊びや運動・スポーツを通して楽しく過ごせる公園が少ない状況であり、県スポーツ推進計画においても近年の子どもの体力低下やスポーツをする機会の減少及び運動する子どもとしない子どもの二極化等が大きな課題となっている。そのため子どもたちが楽しみながら身体を動かすことで基礎体力の向上を図るとともに、健全な心身の発達と人格形成を促すことを目標に子どもたちが健やかに育むスポーツを推進することにしている。
このことからまほろば健康パーク機能強化検討事業では、公園に隣接する約8・5㌶の拡張予定区域において「子どもが憩い楽しみ、遊びや運動・スポーツを通して成長できる公園」を基本コンセプトに子どもの成長段階に応じた公園施設の検討を進めており、昨年度までにパシフィックコンサルタンツ奈良事務所で検討した基本計画(案)で民間事業者の創意工夫やノウハウを取り入れた施設の導入が公園の魅力や賑わいを向上させるために有効であることが分かった。
今回の業務では、これまでの検討結果をもとに快適性の向上といった目的に応じた機能やサービスについて抽出し、県にとって質の高い公共サービスが提供できる事業スキームを検討する。また、サウンディング型市場調査を実施することにより民間事業者の当該事業への参入可能性を確認するとともに、民間活力を活用した事業手法の可能性について検討する。
打合せ協議は業務着手時・中間3回・業務完了時の計5回行う。次の業務を行って照査し、業務の成果として報告書を作成する。また、業務の内容を容易に理解できるように簡潔にとりまとめた概要書を作成する。
【現況整理及び計画条件等の整理】
この公園の既存施設の状況と管理運営状況について既往のデータ等を整理する。また、この公園に関するこれまでの上位計画や経緯と要望及び課題を整理し、計画地における課題と法規制及びその他の計画条件を整理する。
【導入機能及びサービスの具体検討】
前項の結果を踏まえて県がこの公園に求める導入機能及びサービスを整理する。また、この公園に対して快適性の向上や賑わいの創出に寄与する機能やサービスについて、子どもの成長段階に応じた遊びや運動を対象とした施設や、カフェ・レストラン等の飲食施設の立地状況を周辺施設等との競合状況なども踏まえた定量的・定性的な分析を行ったうえで抽出する。
【事業スキームの検討】
▽法制度上の課題の検討=民活事業に関連する法制度(都市公園法、地方自治法、PFI法等)及び県の関連条例や規則等に基づき、課題等の抽出及び整理を行う。
▽事業条件の検討=整理した導入機能及びサービスのうち、民間事業者に委ねることにより民間事業者の創意工夫やノウハウを有効活用できる事業範囲・事業方式・事業形態・事業期間を検討して整理する。
▽官民リスク分担の検討=民間活力を導入して事業を実施する場合の公共側・民間側のリスク分担設定の考え方を整理するとともに、当該事業に伴う設計と建設及び維持管理・運営のそれぞれの段階で想定されるリスクを抽出し、各々のリスクについて望ましい官民分担を設定する。
▽事業化までの工程整理=この公園における事業計画全体のスケジュールを作成し、課題・留意点を整理する。
▽事業スキームの適性評価と課題等の整理=サウンディング型市場調査結果を踏まえて事業スキーム等の適切に反映する。今回の業務の検討結果により事業スキームの適性を評価するとともに課題等を整理する。
【サウンディング型市場調査の実施支援】
国土交通省政策局によるサウンディング(官民対話)に参加するための資料を作成し、民間事業者に対して当該事業への参入可能性について意見交換を実施したうえで、調査結果の分析を行う。
【VFM(支払に対するサービスの価値)の算出】
事業を従来方式で実施した場合と民間活力を導入した事業方式で実施した場合の事業費からVFMを算出する。
【概算事業費の算定】
事業の実施に当たり、必要となる概算事業費(実施設計費、建設費、維持管理費、運営費、調査費等)を算定する。

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