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県河川整備委員会 「事業継続」は妥当 大和川水系「生駒いかるが圏域」 富雄川は今後5年間で阿波興留井堰まで改修

2022.12.23 県土マネジメント部

奈良県県土マネジメント部河川整備課は、第102回奈良県河川整備委員会(委員長・川池健司京都大学防災研究所教授)を、さる19日にホテルリガーレ春日野(奈良市法蓮町757ー2)吉野の間で開催し、大和川水系(生駒いかるが圏域)について事業再評価を審議、県が提示した「事業継続」を妥当と判断した。
まず、第101回奈良県河川整備委員会でとりまとめた大和川水系(生駒いかるが圏域)についての進捗点検の議事概要と委員からの意見への回答を確認し、大和川水系(生駒いかるが圏域)における事業再評価に係る県からの説明を受けた。
事業再評価では、上流に向けて改修を進めており、富雄川は井堰についての地元協議も行っている、三代川は用地交渉を行っている、竜田川は用地交渉や井堰についての地元協議も行っているとして、改修を進めることができるため、事業の必要性等に関する視点及び事業の進捗の見込みの視点から「事業継続が妥当」と判断できる―とした。
前回の進捗点検では、富雄川の安堵工区は今後5年間で阿波興留井堰までの改修を進める、三代川はJR関西本線南側で残る用地取得と改修の進捗を図る、竜田川では小瀬工区で生駒南第2小学校までの河川改修と生駒工区で生駒郵便局下流付近までの河川改修をめざす、としていた。
また、令和5年度に行うと大和川水系(平城圏域)環境モニタリング調査計画について、今後5年間の整備予定と現状の自然環境を踏まえて菰川約3300㍍、秋篠川秋篠工区約2200㍍、地蔵院川郡山工区約3000㍍、蟹川約2200㍍の4河川4区間を調査対象河川に選定した。
5年3月中旬~下旬に第103回河川整備委員会を開いて大和川水系(生駒いかるが圏域)の竜田川・富雄川・三代川の4年度まとめを行うことにしている。担当は河川計画係 (電話0742―27―7507)。各河川改修事業の再評価は次の通り。
【富雄川】
3工区のうち奈良と上芝の2工区は改修済みで、再評価の対象となるのは安堵工区。
安堵町目安の高瀬井堰~大和郡山市外川町の外川橋間の改修区間延長5500㍍のうち620㍍が改修済で、未改修区間は4880㍍。平成29年度以降に西安堵井堰の改築(90㍍)が完了した。現況の河道法線をもとに河床掘削を実施した。4年度は井堰の取付擁壁工を実施する。
当面の目標は①下流から順次工事を実施した場合に浸水被害が報告されている業平橋周辺の改築まで時間を要するため、並行して業平橋周辺の改修を行うことが可能か検討中②今後5年間で阿波興留井堰までの改修をめざすとともに、高安住宅地での浸水被害の早期解消を図るため高安住宅地周辺においても先行的な河川改修が可能か検討して早期整備をめざす③上流の井堰の統廃合を検討している。
進捗率(事業費ベース)は29%、現在価値化した事業費202・6億円のうち残事業費は86・5億円。
 【三代川】
改修区間延長は斑鳩町阿波のJR関西本線との交差部下流約200㍍から1100㍍。
地積混乱箇所があったJR関西本線南側の地図訂正が平成28年度に完了したことから用地買収を進め、4年度は下流部から河川改修に着手予定。上流部の県道天理斑鳩線沿いについては道路整備と併せて用地買収済み。当面の目標は残る用地の取得に努めるとともに、改修の進捗を図る。
進捗率(事業費ベース)は35%、現在価値化した事業費34・4億円のうち残事業費は17・1億円。
【竜田川】
5工区のうち斑鳩と梨本の2工区は改修済みで、残る3工区が再評価進捗点検の対象となる。
〈小瀬工区〉
改修区間延長は生駒市小平尾町の井出山橋~小瀬の大登大橋間2000㍍で、400㍍が改修済み。
浸水被害が発生したことを受けて小瀬橋上流部の河道の暫定拡幅70㍍を実施。災害関連事業で一部の護岸が完成済み。国道168号道路事業と連携して事業を進めている。現況の河道法線をもとに河道の拡幅及び河床掘削を実施する計画。護岸施工済区間も河床掘削を残している。井堰4基のうち2基が整備完了し、1基が施工中、残り1基は協議中。下流部の一部で用地取得が難航しており、用地取得率は74%。4年度は護岸工事の一部を完了する予定。
当面の目標は①引き続き用地交渉を行う②用地取得後は生駒南第2小学校までの河川改修をめざす③引き続き井堰2ヵ所の協議を行う。
〈菜畑工区〉
改修区間延長は生駒市小瀬の大登大橋~菜畑の清流橋間2200㍍。小瀬工区の上流に当たるため未着手。当面の目標は河川改修の設計に着手するとともに、小瀬工区の進捗を見ながら工事着手を判断する。
〈生駒工区〉
改修区間延長は生駒市谷田の下流・近鉄奈良線~上流・阪奈道路交差部間の1200㍍で、330㍍が改修済み。
3年度までに330㍍の整備が完了、4年度は用地測量を行う予定。当面の目標は生駒郵便局下流付近までの河川改修をめざす。
進捗率(事業費ベース)は45%、現在価値化した事業費106・7億円のうち残事業費は31・6億円。
(吹上)

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