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県文化財保存事務所 建築研究協会で進む 法隆寺東院廻廊耐震専門診断 保存修理専門委員会を組織 実施設計は3年度に竹中で

2022.10.14 県文化・教育・くらし創造部

 奈良県文化・教育・くらし創造部文化財保存事務所は、一般競争入札「重文化財法隆寺東院廻廊耐震専門診断業務4文保委第2号」を開札、落札した一般財団法人建築研究協会(京都市左京区田中関田町)に業務を委託し、業務を進めている。業務場所は斑鳩町法隆寺山内1番1号の法隆寺境内。業務概要は重要文化財法隆寺東院廻廊の耐震専門診断及び補強案検討。委託期間5年3月30日。
令和元年度に重要文化財法隆寺東院廻廊耐震基礎診断業務実施した。3年度には「重要文化財法隆寺東院廻廊耐震補強実施設計業務(その1)3文保委第7号」(耐震補強デバイスの実施設計及び補強後の耐震性能評価等)を竹中工務店で行っている。今年度は耐震専門診断及び補強案の策定を行う。
 業務は、重要文化財法隆寺東院廻廊の耐震専門診断を行うもので、当該立地の地震波の作成及び対象建物の立体構造解析モデルを作成と解析を行い、所定の必要耐震性能を有するか評価し、耐震性能の向上措置を検討する。また、補強案の保有耐震性能を確認のうえ必要耐震性能を有するか評価し、限界耐力計算を行う。業務の詳細は次の通り。
▽地震波の作成=法隆寺境内の独自波の作成を行う。地震波の作成の際には盆地形状などを考慮する。
▽立体構造解析モデルの作成・解析=東院廻廊(西廻廊)全体の立体解析モデルを作成し、地震応答解析を行う。モデル作成に必要なデータは図面を提供、必要に応じて現地確認・調査を行う。
▽構造補強案検討=解析結果をもとに補強案の検討を行う。作成した補強案の保有耐震性能を確認のうえ、必要耐震性能を有するか評価して限界耐力計算を行う。
▽その他=この事業では重要文化財法隆寺礼堂ほか2棟保存修理事業修理専門委員会を組織しており、業務の進行については委員会の委員と協議を行って進める。委員との協議の調整は県で行い、説明は請負者が行う。また、解析結果及び補強案について修理専門委員会での説明を予定している。

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