一般記事

今年度内に初回の試験実施 ドローン「無人航空機操縦士」

2022.9.30 国交省

新資格の試験内容・教則を公表
 ドローンの運用ルールなどを定めた改正航空法の施行を今年12月に控え、国土交通省は操縦者の技能を証明する新たな資格「無人航空機操縦士」の試験内容や講習に用いる教則の具体案を示した。年度内に初回の試験の実施を予定する。
改正航空法は、ドローンの操縦者の技能や機体の性能を認証する仕組みを新設し、飛行の安全性を担保するのが狙いだ。市街地など第三者のいる場所の上空を補助者なし・目視外で飛ばす「レベル4」の実現に向けて整備した。認証制度を生かし、人口集中地区(DID)など特殊な条件下の飛行で必要な国交省への許認可手続きを簡略化する。
無人航空機操縦士は技能レベルによって一等と二等に分かれる。いずれも有効期間は3年。試験は学科と実地から成る。
国交省が示した案によると、一等と二等ともに試験内容は、学科試験では主に(1)航空法などの規則(2)ドローンの飛行原理や特徴(3)点検や保険といった運航体制(4)気象情報などに基づくリスク管理─の4項目に関する理解度を確かめる。
実地試験は、飛行計画を作る机上試験、機体点検に関する口述試験、実際に機体を操縦する実技試験の3つから成る。実技試験では、空中で同一地点にとどまる「ホバリング」や緊急着陸の技術を確認する。
国交省は、一連の試験の対策を講じるための「登録講習機関」の認定も進める。既存のドローンスクールなどから申請を受け、講師の経験や組織体制を審査して登録する。無人航空機操縦士の試験の受験者が登録講習機関で講習を受けて修了審査に合格した場合、実地試験を省略できる。国交省は、登録講習機関の申請要領の案を公開。科目ごとの講習時間の基準などを提示した。9月から申請を受け付けている。 
ドローンの機体を認証する制度も年内に運用を始める。求める安全性の高さによって第一種と第二種の2段階に分かれる。レベル4の飛行には第一種の機体認証が必要だ。第二種の認証を受けたドローンは、無人航空機操縦士の資格保有者が扱う場合にDIDの上空の飛行などで必要な許認可手続きを簡略化できる。有効期間は第一種機体認証が1年、第二種は3年だ。機体認証では、個々の機体ごとに、設計や製造の過程、機体の状態を調べ、安全性を確認する。「型式認証」を受けた市販のドローンなどでは、機体認証の検査の一部または全部を省略できる。型式認証の有効期間は3年と定めた。

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