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オリコンで業務進む 新天辻工区第1号T掘削計画 旧五新鉄道活用を検討

2022.12.1 県五條土木事務所

奈良県五條土木事務所は、一般競争入札「一般国道168号新天辻工区第1号トンネル掘削計画検討業務委託(地域連携道路事業(都づくり))1―4―委7号」を落札したオリエンタルコンサルタンツ奈良事務所に業務を委託して進めている。
これは、一般国道168号新天辻工区の最大の構造物である第1号トンネルの構築計画で、掘削によるずりの搬出に旧五新鉄道天辻トンネル(管理者は五條市管財課)の活用を令和5年末までに検討するもの。業務場所は五條市大塔町阪本~西吉野町立川渡。業務概要は掘削計画検討1式、トンネル点検1式。委託期間5年12月18日。
一般国道168号新天辻工区は、五條市と和歌山県新宮市を結ぶ地域高規格道路「五條新宮道路」の一部を構成し、法面崩壊等による通行止めを回避し、緊急輸送道路の機能を強化するとともに、第二次救急医療施設へのアクセス向上や観光振興に寄与する道路で、国土強靭化の要となる紀伊半島アンカールートの整備促進の一環として平成30年度に新規事業化された。
新天辻工区は五條市大塔町阪本~西吉野町宗川野間の延長約7・2㌔㍍。長大トンネルを含む構造物が大半を占める計画。主要な構造物は北側から▽終点側法面▽第3号橋梁▽第3号トンネル▽第2号橋梁▽第2号トンネル▽第1号橋梁▽第1号トンネル。このうち第1号トンネルは延長4970㍍幅員10・5㍍。
第1号トンネルのずりの搬出先は五條市内を想定しているため、第1号トンネルの起点側(五條市大塔町阪本)から搬出する場合には狭隘な新天辻トンネル(既設トンネル・国道168号)を通過する必要があり、通行車両への影響が大きいことが危惧されることから、第1号トンネルに並行している旧五新鉄道天辻トンネル(管理者は五條市管財課)を活用することにより、ずり搬出時における新天辻トンネルの通過を避け、通行車両への影響を解消できると考えている。
この業務は、新天辻工区における第1号トンネルの施工に当たって旧五新鉄道天辻トンネルを活用した掘削計画について検証し、通常掘削(起終点からの両堀)も踏まえ、第1号トンネルの掘削計画を決定することを目的とする。なお、天辻トンネルの活用に当たっては近接目視点検等により健全度を把握したうえで行う。業務内容は次の通り。
【現地踏査】
設計に先立って現地踏査を行い、設計図書に基づいた設計範囲及び貸与資料と現地との整合性を目視により確認するものとするとともに、定期点検に先立ってトンネル変状等の発生状況を把握する他、トンネルの立地環境や交通状況等について現場の概況を調査して記録(写真撮影含む)する。また、地形・地質等の自然条件と地物及び環境条件等の周辺状況等を把握し、合わせて工事用道路・施工ヤード等の施工性の判断及び施工設備計画の立案に必要な現地状況を把握する。
【設計条件の確認】
設計図書に示された道路の幾何構造、荷重条件等設計施工上の基本条件を確認し、当該設計用に整理する。
【計画準備(点検)】
▽計画準備=貸与された資料及び現地踏査結果により実施計画書の作成を行う。
▽資料収集整理=詳細なトンネルの点検計画となる実施計画書等の作成に必要な関連資料等の収集を行う。
▽関係機関協議=五新鉄道トンネル(天辻トンネル)の使用に関して、管理者である五條市との協議に必要な資料を作成する。
【状態の把握(点検)】
点検要領に基づきトンネル点検車等を用いてトンネル本来工及び附属物等の取付状態等を近接目視(必要に応じて行う打音検査や触診、応急処置等を含む)により行う。トンネル内の附属物等により近接できない箇所についてはロボットカメラ等の活用を検討する。また、滴水以上の漏水が見られた場合はストップウォッチやメスシリンダー等で1分間当たりの漏水量を測定する。
現地踏査結果を踏まえて点検面積が異なる場合は点検実施前に予め調査員に報告する。変更の対象とする。
極めて緊急性の高い変状(応急措置としてのハンマーでの撤去が困難な程の不安定なコンクリート塊が残存し、すぐにでも落下の危険性がある場合等)が確認された場合は速やかに調査職員に報告する。また、現地点検を踏まえて「Ⅲ判定」「Ⅳ判定」と診断される可能性があるトンネルについては予め調査員に報告する。点検終了後にひび割れ密度を算出する。実際のひび割れ密度に基づいて変更の対象とする。
【健全性の診断(点検)】
状態の把握と次回定期点検までの間の措置の必要性について総合的な診断を行う。トンネル本体工の変状を外力と材料劣化と漏水に区分して材料劣化または漏水に起因する変状はそれぞれの変状ごとに、外力に起因する変状は覆工スパンごとに整理して道路トンネルごとの健全性の診断を行う。
変状ごと及び覆工スパンごとに得られた外力と材料劣化と漏水に関する各変状のうちで最も評価の厳しい変状等の評価を採用し、その覆工スパン単位での健全性とする。さらに各覆工スパン単位での最も評価の低い健全性を採用し、そのトンネル単位の健全性とする。
附属物等の取付状態及び機能に対する判定は定期点検を行う者が現地において判定区分を用いて行う。
【背面空洞調査(点検)】
覆工巻厚と背面空洞の調査を実施する。調査は縦断方向に3測線(トンネル天端、左右肩部)と横断3ヵ所。空洞が想定される箇所については代表箇所(3ヵ所)において削孔による確認を行う。調査を実施する際にはトンネル点検の結果等よりトンネル本体工の覆工厚さや背面空洞の規模を想定して機材を選定し、事前に採用する技術の概要及び精度が分かる資料を調査員に提出して承諾を得る。また、横断3ヵ所についても調査箇所に関して承諾を得る。
【定期点検記録様式の作成】
状態の把握(点検)及び健全性の診断をもとに点検要領に基づき定期点検記録様式をMicrosoftExcelで作成する。
【通行車両への影響予測】
起点側からのずり搬出を行った場合の通行車両への影響予測を行い、行った場合と行わなかった場合を対比できる比較資料を作成する。対比項目としては交通量や渋滞率などを想定。
【旧五新鉄道トンネルを活用した掘削計画の立案】
施工機械の大きさや転回や施工運用面での実現性などを考慮したうえで、旧五新鉄道トンネルを活用した掘削計画(案)を3案程度立案する。また、活用により生じる「拡幅」や「作業坑」の位置については既存資料(竣工図)や点検結果をもとに立案する。
【概略図作成ならびに概算工事費算出(補修・補強)】
旧五新鉄道トンネルを活用した場合の補修・補強工事の概略図並びに工事に要する概算工事費を算出する。なお、概算工事費の算出に当たっては別途業務の点検結果を参照するとともに、補修範囲については掘削計画並びに使用期間を考慮したうえで提案する。
【概略図作成並びに概算工事費算出(拡幅)】
旧五新鉄道トンネルを活用した場合の施工機械の離合等に必要となる拡幅工事の概略図並びに工事に要する概算工事費を算出する。なお、概算工事費の算出に当たっては別途業務(空中電磁探査・弾性波探査業務)により算出した地山分類を参照する。
【概略図作成並びに概算工事費算出(作業横坑)】
旧五新鉄道トンネルを活用した場合の本体トンネルへの進入に必要となる作業坑工事の概略図並びに工事に要する概算工事費を算出する。なお、概算工事費の算出に当たっては別途業務(空中電磁探査・弾性波探査業務)により算出した地山分類を参照する。
【掘削計画の決定】
立案した掘削計画並びに通常掘削(起終点からの両堀)に関して経済性や施工性及び環境性などを踏まえた総合的評価により当該トンネルの掘削計画を決定する。

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