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CLTを現した音楽ホール 隈研吾氏がデザイン

2021.4.2 その他

今、鉄筋コンクリート並みの強度を持つ高層木造建築が可能である新建材「CLT(直交集成板)」が、国内林業復活の切り札として注目を浴びている。
桐朋学園(東京都調布市)が建設していた音楽ホール「桐朋学園宗次ホール」(写真)が先ごろ、完成した。
同音楽ホールのコンセプトは「木が織り成す音楽の場」。CLT(直交集成板)による折板(せつばん)構造を採用し、CLT構造材を現した音楽ホールは世界で初めてらしい。基本設計とデザイン監修は、隈研吾建築都市設計事務所が手掛けた。
3月22日に竣工披露した桐朋学園宗次ホールの構造は、木造、一部鉄筋コンクリート造。地下1階・地上3階建てで、延べ面積は約2400平方㍍。音楽ホールと講義室、レッスン室で構成されている。実施設計・監理と施工は前田建設工業・住友林業JVが担当した。
 四方の外壁のうち、道路に面する部分には木製ルーバーを設置。高さによって角度を変えながら取り付けられている。隈研吾氏は「楽器の弦をイメージした」とコメントしている。
 CLTの折板構造で建てられた音楽ホールは、天井高さ約10㍍、スパン約17㍍を確保。客席数は最大234席とコンパクトだが、ステージは奥行き約10㍍で、フルオーケストラが演奏できる広さ。ホールの天井は30ミリ厚のラミナを5層重ねたCLTで、内側にはスギとヒノキが使われている。壁は4層のCLTで天井同様に内側にスギ、表面にヒノキを使用している。
 エントランスホールは、入り口正面の壁面いっぱいにCLTの端材をランダムに配置され、音楽ホールで使用しているヒノキとスギのCLTで、断面が見えるようになっている。壁面に沿った階段もCLTの断面が見えるデザイン。
楽器の弦をイメージした、木に囲まれた空間では柔らかく音が響く音楽ホールがお目見えし

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