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県河川整備課 水位予測の手法を検討 AI等活用洪水・災害予測で 一般競争を8月29日に開札 大和川水系で避難行動へ 情報提供の高度化などを

2023.7.6 県土マネジメント部

 奈良県県土マネジメント部河川整備課は、今後の奈良県域の洪水・災害対応を円滑に行うために、令和5年度に大和川水系においてAI等を活用した河川水位予測と、デジタル技術などを活用した河川監視・越水検知の手法を検討することにしている。
県建設業・契約管理課で一般競争入札「AI等を活用した洪水・災害予測検討業務(河川情報活用事業)第1―委―1号」を8月29日に開札して業務を委託する。
業務場所は奈良市他。業務概要は水位予測の精度向上検討1式、河川監視・越水検知モデルの検討1式。委託期間6年3月25日。予定価格1981万1000円込、調査基準価格1589万5000円込。
河川の氾濫はひとたび発生すると人命に関わる重大な被害を引き起こすことから、市町村や住民の防災対応のため、県では奈良県河川情報システムにより雨量や水位情報の公開や発信を行っている。昨今の水害が激甚化や頻発化している状況のなか、今後は住民が自らの避難行動へ繋げるための情報提供の高度化や、さらなる状況把握を行う必要がある。
 業務の計画準備と必要な資料の収集整理を行ったうえで次の業務を実施し、わかりやすくまとめた報告書を作成する。担当は水防災対策係(電話0742―27―7507)。
 【河川監視・越水検知モデルの検討等】
 画像分析・解析に関する国内外の研究開発事例の収集・整理を行い、CCTVや河川監視カメラの画像データから河川水位・流速を把握する技術について奈良県に適した手法を提案する。
 その手法を用いて河川監視カメラの映像から水位状況の把握や河川越水の検知を逸早く行うため、カメラ画角の特徴を踏まえて提案する5地点で河川監視・越水検知モデルを構築し、算定制度について評価を行う。なお、5地点のうち1地点では水位計のない所でも検証を行う。
 また、既往検討業務において整理されている洪水予測システム構築の概略検討結果を踏まえ、同システム内で河川監視・越水検知モデルをリアルタイム運用する手法と概算費用について整理する。
 【河川水位予測の精度向上検討】
 5年3月にまとめた既往検討業務において整理されている奈良県に適した水位予測手法(AIモデル)を用いて、奈良県の流出・流下特性と災害特性を踏まえて提案する7河川を対象に水位予測モデルを構築し、予測精度の検証を行う。
 【河川水位予測システム運用時の予測雨量の補正方法の検討】
 大和川水系では、県管理の10河川において水位予測システムを運用しており、予測雨量を用いて予測する形式としている。しかし、大和川流域では各河川の流域面積が小さく予測雨量の精度を確保できておらず、水位予測の精度確保が難しい状況にある。
 そのため河川水位予測の精度向上検討で選定した河川を対象に、実運用上の水位予測の精度確保を目的に、降雨・流域特性を踏まえた予測雨量の補正方法についても検討する。また、ダム操作については、上流域の雨量予測データを用いてダム流入量等を予測し、今後どのようなダム操作が必要になるのか―といった水防業務を支援できる仕組みを検討する。
 河川水位予測システム運用の開始に向け、システム構築稼働時までのロードマップを作成する。

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