一般記事

県奈良公園室 モビリティによる社会実験 利用者の周遊性向上へ 業務は建設技術研究所で

2022.9.13 県地域デザイン推進局

 奈良県県土マネジメント部地域デザイン推進局奈良公園室は、公募型プロポーザルにより建設技術研究所奈良事務所(奈良市西大寺南町16―19フロンティアビル)を事業候補者に特定した「モビリティによる公園利用者の周遊性向上に資する社会実験(奈良公園魅力向上事業)第240―委―1号」ではモビリティによる社会実験を実施する。業務場所は奈良公園。業務量の目安は1000万円込を限度とする。委託期間5年3月24日。連絡先は奈良公園整備第一係(電話0742―27―8036)。
奈良公園は広大な地域に跨る公園であり、雄大で豊かな緑の自然美が調和している。さらに奈良公園周辺には、貴重な歴史的文化遺産を包蔵する春日大社や東大寺と興福寺等の社寺や保存のための文化施設である奈良国立博物館及び正倉院等の魅力的な名所が数多く存在する。
しかし、これらの名所は点在しており、駅や主要なバス停からの移動手段は徒歩しかないため、目的地に行きたくても行けない観光客が存在している。このため二次交通としてモビリティの可能性及び実用化に向けての検討が必要となった。
この業務は、奈良公園(奈良公園周辺を含む)における二次交通となるモビリティの導入について社会実験を実施、実用化に向けた分析(採算性、民間参入の可能性等)を行い、事業スキームについて検討することを目的とする。実験は令和2年度から実施しており、今年度は実装に向けて過年度の結果を踏まえた運営体制や採算性に関する効果検証を行うもの。
過年度の業務では、繁忙期においてバスターミナルから奈良公園内への園路が混み合うこと、地下道路の走行性が悪いことなど奈良公園内の周遊を目的とした自由散策において安全性や快適性に課題が見られた。
▽安全管理の効率化・省人化方策の検討=人件費の削減のため、通行禁止エリアへの侵入やトラブル発生時の位置情報を遠隔で把握する仕組み等の検討が必要。
▽付加価値サービスの検討=利用者の増加や事業の収益化を図るため、モビリティのデザインや移動サービスに加えて利用者の満足度を向上させる付加価値サービスの検討が必要。
▽関係機関との協議の必要性=貸出拠点の設置場所の提供や貸出受付補助等の協力の可能性について、公園管理者や園内施設管理者等の関係者と協議が必要。また、付加価値サービス(ガイドツアー等)の商品化に向けて旅行事業者や観光ボランティア等との協議が考えられる。
広域な園内での移動円滑化に資するモビリティ社会実験をテーマとして、課題解決のための提案を求める。この実験を通してできるだけ多くの人にモビリティを体験してもらい、実用化に向けた分析を行って事業スキームについて検討する。
コース設定及び車両の提案に当たって①車両の貸出場所は「奈良公園バスターミナル」「二月堂周辺」の2ヵ所に設置することを基本とする(これ以外の貸出場所を設置してもよいが各々の場所で車両の貸出及び返却ができるようにする)②過年度の結果を踏まえて今年度の実験は実用化に向けてコースの延長等を視野に入れて採算が見込まれるコースを検討する③「片道のみ」または「往復」のどちらでも利用できるような実験体制とする④往路と復路のコースは同一でも異なってもどちらでもよい。
過年度に実施した実験を踏まえて行うことから使用する車両は車道だけではなく、公園内園路を安全に走行できる車両とする。奈良公園内は坂道や未舗装箇所があるので、こうした箇所に対応できる車両や回避できるコースを提案する。
移動手段と合わせて利用者の満足度を向上させる機能等についても提案を求めている。その際に快適な利用のための一時的な降雨への対応や採算性確保のための工夫についても配慮する。但し、応募者が提案した内容は契約後に発注者と協議したうえで原則として実施するので、実現可能な提案とする。

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