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県文化財保存事務所 竹中工務店で補強設計 旧織田屋形大書院及び玄関 5年度に工事を予定

2022.8.30 県文化・教育・くらし創造部

 奈良県文化・教育・くらし創造部文化財保存事務所は、一般競争入札「重要文化財旧織田屋形大書院及び玄関構造補強実施設計業務4文保委第1号」を8月8日に開札、竹中工務店が1070万円(入札書比較価格1098万円)で落札した。他の参加者は建築研究協会。
 業務場所は橿原市久米町934番地(橿原神宮境内)。業務概要は重要文化財旧織田屋形大書院及び玄関の構造補強実施設計業務。委託期間5年3月24日。重要文化財旧織田屋形の大書院及び玄関について今年度に構造補強工事の実施設計を行うことにしており、令和5年度に工事実施を予定している。現在、「大書院及び玄関基礎掘方工事4文保第7号」を左野工業の施工により工期10月7日で進めている。大書院と玄関はともに天保15(1844)年建立。
▽大書院=桁行16・745㍍、梁行12・800㍍、平面積269・721平方㍍、軒面積402・602平方㍍、屋根面積496・550平方㍍。7畳半(床、棚、附書院付)、10畳、15畳、9畳、12畳、9畳(床付)、入側、縁等より成る。一重の入母屋造で桟瓦葺。
▽玄関=桁行17・730㍍、梁行7・880㍍、平面積188・221平方㍍、軒面積306・067平方㍍、屋根面積344・130平方㍍。20畳(床付)、12畳、8畳、6畳、入側、玄関式台、内玄関より成る。一重の入母屋造で桟瓦葺。
業務は、2年度に地質調査を実施しているが、大書院下段の間直下で1ヵ所ボーリング調査及び標準貫入試験と土質試験・物理検層を行い、立地地盤の状況をより正確に把握する。軸組材の詳細な納まりを把握するために小屋組及び天井下の三次元測量を実施する。立地地盤及び軸組図の更新情報を踏まえて補強案のおさまりやディテールについて詳細に検討し、実施設計図書を作成する。積算業務は構造補強工事の数量調書を作成のうえ工事費を算出し、工事仕様書を作成する。(吹上)

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