一般記事

県道路マネジメント課 相次ぐ崩土 上北山村西原、宇陀市室生大野

2024.4.11 宇陀市上北山村近畿地方整備局県土マネジメント部

 奈良県県土マネジメント部道路マネジメント課は去る1日、国道169号上北山村西原において崩土が発生したため、約3・4㌔㍍に及ぶ通行止めを実施していると発表した。
 午前7時ごろ、警察がパトロール中に発見して通報。高さ約30㍍、幅約20㍍にわたる岩盤と、それを覆うモルタルが崩落した。
近畿地方整備局道路防災ドクターによると、考えられる原因は次の通り。①斜面上の樹木が、地山への雨水浸透を助長して樹根の割れ目に侵入し、風により樹木が揺らされることにより徐々に割れ目を拡げて伸展させ、水みちの拡大につながった②緩い角度の層理面に沿って植生が存在し、湿潤部が見られ、地山そのものの弱面に雨水が浸透した。
 今後の対応は次の通り。①崩壊部周辺の現地調査②斜面観測監視体制③不安定岩塊(落ち残り)の除去④過年度の対策工のデータ収集⑤ボーリング調査⑥周辺吹付部の調査⑦各調査段階で地形図を作成。①~④を実施した段階で暫定通行の可否を判断し、応急対策を実施。恒久対策としては①~④の調査結果から⑤ボーリング調査の計画を作成する。
 国道169号は去年12月23日にも下北山村上池原で崩土があった。復旧工事に高度な技術を要することから、3月27日に国の権限代行で災害復旧事業を実施すると公表していた。下北山村の崩土では1人が死亡、1人が重傷を負ったが、今回の崩土では物損、人身等の被害は確認されていない。下北山村の崩土箇所から今回の崩土発生地点までは15㌔㍍程度の距離がある。
 4月2日には主要地方道吉野室生寺針線宇陀市室生大野地内で崩土が発生。物損、人身等の被害はない。国土交通省水管理・国土保全局砂防部が発表した、令和5年の土砂災害発生件数は奈良県が7件。令和4年は2件、令和3年は1件である。

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