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ボックス推進を開始 「城廻り線」アンダーパス 近鉄に委託、施工は奥村・淺沼JV

2022.6.7 県郡山土木事務所

 奈良県郡山土木事務所は、近畿日本鉄道に委託して進めている近鉄橿原線の下を通る都市計画道路「城廻り線」のアンダーパスで、ボックスカルバートを推し込む工事を5月末から2ヵ月間程度の予定で開始した。
 アンダーパスはブロック分割して施工する計画。近畿日本鉄道に工事委託したのは踏切部とその前後の3ブロック分で、工事延長42㍍、委託額30億4610万円、期間は令和元年12月16日~5年3月31日。施工は奥村組・淺沼組JV。
現道を南へ付け替えて施工ヤードを北側の東西に確保し、現在の踏切の北側に構造物を構築。薬液を注入して線路下の地盤を固めて掘削、R&C(ルーフアンドカルバート)工法により鉄道運行の安全をパイプルーフで確保し、構造物躯体を東側から西へジャッキにより2ヵ月程度で推し込む。
このボックスカルバートは外寸で幅約10㍍高さ約7㍍延長14㍍の規模で重さは約900㌧になる。その前後のブロックは開削工法で構築する。順調に進捗しており、今年度末に終了する見込み。
県直轄施工区間では、用地買収交渉を進め、南側の盛土部に現道を付け替え、近鉄を挟んで東西のアンダーパス工事を北側で展開する方針。また、電線共同溝も設置する計画。用地計画面積1万1385平方㍍。地権者45件のうち39件と契約を済ませている。残る6人との交渉を進める。 
北側へ車道を振り、関西電力のケーブルなど地下埋設物の移設を5年度に行い、南側の盛土部に現道を付け替え、6年度から西側のボックス構築を北側で開始する。その後、歩道の整備と電線共同溝の設置を進める。
 城廻り線の全体計画は、大和郡山市観音寺町を起点に同市北鍛冶町を終点とする延長約5330㍍標準幅員16㍍。このうち約3200㍍は概成済み。天理町交差点~北郡山交差点間の約900㍍が現在の事業区間。道路幅員13㍍~25㍍。第4種第2級の道路。事業費約62億円。
構造断面計画は地下区間が内空幅員8・5㍍2車線のボックスに幅員13㍍2車線片側歩道+片側自歩道の側道、掘割区間が中央部に幅員8・5㍍2車線の半地下と両側に幅員7・5㍍1車線歩道(片側は8・5㍍1車線自歩道)の側道、平面区間が中央に右折レーンを置く幅員16㍍となっている。
城廻り線は、骨格幹線道路ネットワークに位置付けられ、大和郡山市の中心市街地から国が整備を進めている京奈和自動車道「大和北道路」の(仮称)大和郡山北インターチェンジへのアクセス道路となっている。また都市計画道路石木城線・主要地方道枚方大和郡山線とともに、平成30年5月に開院した北和地域の高度医療拠点病院である新奈良県総合医療センターへの円滑な救急搬送ルートとして北和地域の医療環境を向上させる。
当該路線は踏切により著しい交通渋滞が頻発していることから、28年4月には踏切道改良促進法に基づく「改良すべき踏切道」として法指定を受けた。踏切と立体交差(アンダーパス)とすることにより踏切による慢性的な渋滞の解消を図る。整備効果は次の通り。
▽交通の円滑化=踏切が原因で最大約210㍍の渋滞が発生している。近鉄橿原線九条第9号踏切がアンダーパスになると、立体交差によりスムーズに通過することができ、渋滞が改善する。また通過交通と地域交通を分離することにより周辺の交通環境が改善する。
▽歩行者・自転車利用者の安全性の向上=電線共同溝を設置して電線を地中化し、歩道幅を拡げることにより安全・快適な歩行空間の確保と防災対策及び良好な住環境の形成に効果を発揮する。また景観の観点でも、都市計画道路「城廻り線」から臨む郡山城跡の景観を保全できる。
▽大和郡山市中心市街地等へのアクセス向上=大和郡山市は、郡山城跡と金魚を中心とした観光施策を進めている。都市計画道路「城廻り線」が整備されることにより、観光名所が集まる市街地への進入がスムーズになるとともに、新奈良県総合医療センターへの円滑な救急搬送が確保される。また県内の主要道とのアクセスが向上し、多くの観光客が訪れることが期待される。
(吹上)

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