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県幹線街路整備事務所 用地買収を進展 都市計画道路「西九条佐保線」 JR関西本線高架は仮線工事進む

2022.3.11 県土マネジメント部

 奈良県幹線街路整備事務所は、西九条佐保線を現在整備中の大和北道路の開通までの供用をめざし、現在は用地買収交渉を進めている。また、JR関西本線高架は仮線工事の開始されている。
 県土マネジメント部道路建設課は、現在整備中の大和北道路の(仮称)奈良ICから奈良市中心市街地を結ぶアクセス道路として整備する都市計画道路「西九条佐保線」の用地買収と、全区間で詳細設計等を進めている。担当は幹線街路整備事務所。
 用地買収で一定のエリアがまとまれば、文化財発掘調査を行い、工事着手に備える。一方、JR関西本線高架は、高架橋本体を建設するための仮線工事(東側)と施工ヤード工事等が西日本旅客鉄道に委託して始まった。
令和2年度に「奈良県公共事業評価監視委員会」(12月開催)で、街路事業の西九条佐保線(奈良IC~大宮通り)・大安寺柏木線・JR関西本線高架を審議して「事業継続が妥当」とした。
 ▽都市計画道路西九条佐保線=(仮称)奈良IC~都市計画道路大森高畑線(平成28年7月事業認可)1533㍍、都市計画道路大森高畑線~大宮通り(平成25年10月事業認可)479㍍、幅員23㍍(4車線)の構造規格第4種第1級。設計速度40㌔㍍/h。事業費248億円。
 ▽都市計画道路大安寺柏木線(奈良市大安寺~柏木町)=事業延長820㍍幅員18㍍(2車線)の構造規格第4種第2級。設計速度40㌔㍍/h。平成30年3月事業認可。事業費40億円。
 ▽JR関西本線高架(奈良市大森町~八条4丁目)=事業延長1880㍍幅員9㍍。平成28年7月事業認可。事業費155億円。
 事業の目的は①(仮称)奈良ICから奈良市中心部へのアクセス性の向上②地域内交通の円滑化③踏切除却による安全性向上及び地域分断の解消、新しいまちづくり④防災機能の向上⑤良好な景観の形成。
令和2年10月末時点の事業進捗率約13%、用地進捗率約36%。事業費443億円で残事業費370億円。現在、用地買収を実施しており、特に大きな問題はなく、当初計画通り進めている。引き続き残用地の買収を重点的に進めるなど事業進捗を図り、早期の供用をめざす―としている。
コンクリート構造物のプレキャスト製品の積極的な採用と建設発生土の有効活用及び道路照明のLED化によりコスト縮減が期待される。電線共同溝の低コスト手法である浅層埋設方式及び小型ボックス活用埋設方式の採用などより一層のコスト縮減に努めながら、引き続き事業を推進する。現在の計画で事業の進捗に問題がないため代替案の検討は行わない。
 西九条佐保線は、ほとんどの区間は平面構造だが、大安寺柏木線との立体交差のため奈良ICへ至る終点側が高架構造となる。また、大森高畑線以南は菩提川と市道中部第9号線を西側へ付け替え、現在の川がある部分に新設道路を構築することにしている。
 まちづくりプロジェクト推進課では、奈良市八条・大安寺地区でAIタウン実現に向け、令和3年度に導入施設の検討や機運醸成を目的とした取組みの企画運営、次年度以降に立ち上げる予定のプラットフォーム(研究会)の検討などを行うため、公募型プロポーザルにより業務を地域計画建築研究所(略称・アルパック。中塚一代表取締役社長)大阪事務所(大阪市中央区今橋)に委託して進めている。
 奈良市八条・大安寺周辺地区には、奈良市を南北に縦断する高規格幹線道路である京奈和自動車道(大和北道路)の(仮称)奈良ICのほか、市内中心部とのアクセス道路となる都市計画道路西九条佐保線、合わせて整備されるJR関西本線の高架化並びに新駅の設置が決まっている。
(仮称)奈良ICと新駅の交通結節点のポテンシャルを活かした新たな地域・広域交流拠点や滞在周遊型の観光交流空間の形成など国際文化観光都市として魅力があり、地域住民にも優しいまちづくりを行い、定住人口並びに観光交流人口の増加に繋げていくことを「奈良市 八条・大安寺周辺地区まちづくり基本構想」の目的としている。   (吹上)

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