一般記事

県下水道課 広域化・共同化へ 流域下水道の経営合理化検討 可能性を県全域で検討

2021.7.29 県土マネジメント部

 奈良県県土マネジメント部下水道課は、令和3年度~4年度に流域下水道の経営合理化検討として広域化・共同化計画を策定する。対象とする自治体は県及び奈良県内全市町村、対象とする事業は汚水処理事業(下水道事業、農業集落排水事業、浄化槽整備事業、し尿・浄化槽汚泥処理施設事業等)。
 総合評価落札方式一般競争入札「奈良県流域下水道の経営合理化検討委託(社会資本整備総合交付金事業)R3浄化委第5号・第二委第3号・宇陀委第2号・吉野委第1号」を8月24日に開札して業務を委託する。業務場所は大和郡山市額田部南町他。業務概要は県流域下水道の経営合理化検討(広域化・共同化計画策定支援)1式。委託期間5年2月28日。予定価格2410万1000円込、調査基準価格1933万8000円込。担当は企画係(電話0742―27―7526)。
 人口減少に伴う使用料収入の減少、担当職員数の減少による執行体制の脆弱化により、汚水処理事業を取り巻く事業環境は一層厳しさを増しており、加えて既存ストックの老朽化による大量更新や水環境保全のための更なる汚水処理整備の推進など、多くの課題を抱えている。
広域化・共同化は、これらの課題を解決する手段の一つであり、総務省・環境省・農林水産省・国土交通省の連名で4年度までに都道府県単位で「広域化・共同化計画」を策定することを要請している(平成30年1月17日)。
平成30年度~令和2年度の県の取組みは①「広域化・共同化」に関する市町村説明会②市町村ヒアリング(下水道ほか汚水処理事業の経営状況と課題など)③市町村アンケート実施(下水道他汚水処理事業の経営状況及び連携メニュー等)④県と代表8市町による勉強会3回(県内で有効な連携メニュー)⑤その他に関係機関及び他府県へのヒアリング等。
今回の業務では、これら汚水処理全般の課題を受け、効率的な事業運営を行うための汚水処理事業の広域化・共同化の可能性を県全域で検討し、広域化・共同化計画の策定支援を行うことを目的とする。打合せ協議は初回・中間8回・成果納品時の計10回行う。業務内容は次の通り。
【汚水処理事業の基礎情報の収集整理】
広域化・共同化計画検討に際して必要となる汚水処理に係る基礎的情報を収集するとともに、県から貸与する流域下水道及び関連市町村の汚水処理施設情報と経営状況及び経営計画を整理する。
【連携メニューの効果・分析】
連携メニュー①汚水処理施設の統廃合(施設統合)=県内の流域下水道施設・単独公共下水道施設・農業集落排水施設②汚水処理施設の統廃合(し尿の希釈水等の受入)=県内のし尿処理場施設③維持修繕業務の共同化=マンホールポンプ等の維持管理業務と点検・調査等業務④下水道事業のデジタル化推進=下水道台帳システムと広域運転管理システム等の共同運営・管理⑤排水設備工事責任技術者登録の共同化=排水設備工事責任技術者の登録及び申請様式共同化などその他―を広域化・共同化した場合の定量的・定性的効果を両面から検討する。
【広域化・共同化計画の位置付けに対する具体的な検討】
広域化・共同化計画の位置付けに向け〈ハード連携〉では①汚水処理施設の統廃合と汚水処理施設の統廃合で概略施設計画=追加及び廃止する施設や設備等の計画②流域下水道施設への影響③流域下水道への受入方法・受入条件の整理④費用負担・受益の分担・役割分担・リスク分担⑤法制度=広域化・共同化に伴う各種法令の整理⑥事務手続き〈ソフト連携〉維持修繕業務の共同化と下水道事業のデジタル化推進及び排水設備工事責任技術者登録の共同化で①様式・システム=システムの形態や共同化する際の様式・項目等の検討②費用負担(財源の整理)・受益の分担・役割分担・リスク分担及び災害時・緊急時等における施設の停止など平常通りの事業運営が困難になった場合について関連市町村等のリスク分担案も検討③法制度=広域化・共同化に伴う各種法令の整理する④事務手続き=広域化・共同化に伴う条例等の変更が必要な場合の変更内容の具体的な整理―に対して、具体的な検討を行うとともに、広域化・共同化に向けた課題を整理する。
【広域化・共同化計画のロードマップ作成及びとりまとめ】
連携メニュー実施に向け、短期・中期・長期の各段階における具体的な検討内容について、スケジュールを検討してロードマップを作成し、広域化・共同化計画としてとりまとめる。
【関係機関協議資料作成】
広域化・共同化計画の連携メニューの検討等に当たり市町村との調整・協議に必要なアンケート及び協議資料作成を行う。
【報告書等作成】
調査内容と検討内容及びその結果を整理した報告書」をとりまとめて作成する。また、当該計画を市町村や他関係機関に説明するための資料として『「広域化・共同化計画」説明書』をとりまとめて作成する。提出する成果品は▽報告書等(紙媒体)①報告書(A4版・簡易製本)2部②「広域化・共同化計画」説明書(A4版・簡易製本)2部▽電子成果品① 報告書2部②「広域化・共同化計画」説明書2部。

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