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第2四半期に入札 大学新キャンパス造成工事

2021.6.4 県立医科大学

 県立医科大学は、令和4年10月着工をめざしている「新キャンパス建設工事」に先立ち、造成工事を3年度第2四半期に入札することにしており、公告へ向けた準備を進めている。概算工事規模23億円以上。5年度にかけて造成する。建設工事設計は松田平田設計大阪事務所に委託して基本設計を終え、今年度内に実施設計をまとめる。
 公立大学法人奈良県立医科大学は、令和3年度工事発注見通しのなかで「奈良県立医科大学新キャンパス造成工事」について、一般競争入札を適用して第2四半期に入札する―と公表した。すでに設計は日建技術コンサルタント奈良事務所で終えており、公告へ向けた準備を進めている。工事種別は土木1式で、工事概要は開発造成工事1式。工期約28ヵ月。概算工事規模は23億円以上。
施設の老朽化・狭隘化に対応するため、約1㌔㍍南西に位置する新キャンパス(橿原市四条町88〈旧奈良県農業研究開発センター〉、周辺の用地を取得して敷地面積約12万平方㍍)に、教育・研究部門を全面移転する計画を進めている。桜川以西の敷地A約9万3500平方㍍、敷地B約3500平方㍍、桜川以東の敷地C約9500平方㍍、敷地D約300平方㍍。南側のアクセス道路は橿原市が東側を整備済。
2期に分けて整備することとし、敷地北側に配置する看護学科・医学科「教養部門」を先行させ、講義棟や実習棟など主要4棟を6年度中に完成させる方向性を固めている。建設工期として4年度~6年度を見込んでいる。継続整備となるのは研究棟1と2、総合研究棟、交流施設、事務局棟、エネルギーセンター、外構。担当は法人企画部新キャンパス・施設マネジメント課キャンパス整備推進係(電話0744―22―3051内線2802)。先行整備部分は6年度中に竣工するスケジュール。施設内容と設計の考え方は次の通り。
 ▽実習・研究棟RC造3階建延べ面積約8780平方㍍、講義棟RC造3階建延べ面積約8430平方㍍=学生間、学生・教職員間、学外の人とのさまざまな交流を生み出せる空間づくりを行う①学生数に見合ったゆとりのある施設の確保②機能性・可変性の高い諸室・施設構成③学生の居場所の充実④多様な学内交流を生み出す共有空間・交流施設の拡充。
▽講堂・図書棟RC造3階建延べ面積約5240平方㍍=一般開放を想定した地域との交流空間としての施設づくりを行う①ゆとりある閲覧・書庫スペースの確保(図書館)②多目的に活用できる施設(大講堂)。最大1000名収容できる構造。
▽体育館・クラブ棟S造2階建延べ面積約2630平方㍍、武道館S造2階建延べ面積約740平方㍍=学生及び教職員の活動施設として授業、課外活動での活用を想定して整備する①機能を集約(災害時には一時避難施設としての機能を有する施設)②地域開放を想定した機能等の充実(体育館にトレーニングルームを併設)。
3年度当初予算では医大・周辺まちづくりプロジェクト推進事業として19億8062万1000円を計上し、医大教育・研究部門の移転及び附属病院の機能充実では文化財発掘調査と造成工事及び建物実施設計(先行整備分)と新規に新キャンパス継続整備及び新外来棟等整備の検討ほか、附属病院周辺のまちづくりではまちづくり基本計画の策定に向けた施設配置計画の検討と周辺道路交通状況の調査及び用地測量ほかを行う。
平成25年度に明豊ファシリティワークスに施設整備に関するコンストラクション・マネジメント業務を委託、移転候補地を含む敷地全体の整備基本構想を策定。医科大学の数十年先のあるべき姿を見定め、未来へ向かって着実な歩みと大きな飛躍のための道標とするための検討を重ね、歴史の香漂う橿原の地で奈良への愛着を醸成し、県立医大ならではの医学教育を実践する場にふさわしい姿として、日本最初の都城である藤原京をモチーフとしたゾーニングとデザインを取り入れる。藤原京の大極殿院とその朝庭(ちょうてい)になぞらえた大学本部棟と前庭を中央に据え、正面玄関となる南側に畝傍山を望むキャンパスイメージ。北側に先行整備工区、南側に継続整備工区を配置する計画。開発に当たっては大学施設の整備が行えるように地区計画制度を導入、橿原市が土地区画整理事業を実施する。    (吹上)

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