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CCUS登録100万人突破 技能者の処遇改善へ環境整備

2023.3.14 国交省

「建設キャリアアップシステム」(CCUS)の登録技能者数が百万人を突破した。建設技能者の経験値の客観的な評価と処遇改善に向けて、国土交通省が平成31年4月に本格運用を始めたCCUS。わずか3年半で、技能者の3人に1人が利用するまでに至った。
ただし、目的の一つである技能者の処遇改善は実現できていない。設計労務単価が11年連続で上昇したものの、建設生産労働者の平均年収はその伸び率に達していない。労務単価を上げても、下請け企業に行きわたっていないのが現状だ。資材価格の転嫁などのしわ寄せを防ぎ、労務費がしっかりと現場の方々へ行き渡るような仕組みづくりを行うことが重要である。
要因は様々だが、その一つに重層下請け構造問題が関係しているといわれる。そこで、国土交通省は昨年8月に「持続可能な建設業に向けた環境整備検討会」を設置。CCUSを軸とした重層下請け構造の適正化や建設技能者の処遇改善などについて議論を続けている。
斉藤国交相は昨年11月の会見で、「技能・経験に応じてレベル別に賃金目安を示し、職種ごとにレベルに合わせて賃金が上昇していくよう促していきたい」と話した。
国はCCUSの活用による現場管理のデジタル化にも力を入れる方針。就業履歴を蓄積するカードリーダーの設置コストを削減するため、安価なカードリーダーでも利用可能となるよう就業履歴登録アプリを改修。その他、CCUS画面に新たに入力項目を設け、施工体制台帳などへデータが反映できるようにシステムを改修するなど、現場管理のシステム化を進める方針だ。
(橋本)

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