一般記事

上下水道部 水害を想定した見直し 下水道BCP計画策定業務

2021.7.15 大和高田市

 大和高田市上下水道部は、「大和高田市流域関連公共下水道事業業務継続計画(水害編)策定業務及びポンプ場施設耐水化計画策定業務委託」の一般競争入札を7月27日に開札して業務を委託する。委託期間4年1月31日。
同市では、平成29年度に大規模地震を想定した下水道BCP計画を策定した。しかし、全国各地で豪雨等による水害が多発し、甚大な被害が発生していることから、水害を想定した下水道BCPの追加を行う業務。対策の災害は水害で、地震・津波は対象としない。対象期間は緊急点検・調査~応急復旧の間(水害時は発生が予測される段階を含む)。また、地震と共通する箇所は活用する。
また、令和元年東日本台風では、河川からの氾濫や内水氾濫の発生により下水道施設が浸水し、市民生活に多大な影響を与えることとなった。発災時においても下水道施設の処理機能を維持するため、水害による施設の対策浸水深を設定し、高田雨水ポンプ場の耐水化のためのハード・ソフト対策について耐水化計画としてとりまとめる。業務内容は次の通り。
【大和高田市流域関連公共下水道事業業務継続計画(水害編)策定業務委託】
国土交通省水管理・国土保全局下水道部策定の「下水道BCP策定マニュアル2019版(地震・津波、水害編)」及び他の自治体の事例等を参考に、水害を想定した計画見直しにおける課題や問題点の整理、調整事項等を把握して計画の立案を行う。
▽非常時対応の基礎的事項の整理=①対応体制の追加(水防体制との整合を図る)②代替対応拠点の決定③被害状況のチェックリスト作成④保有資源と調達先の決定⑤備蓄・救出用機材の決定。
▽水害規模の設定と被害想定=①想定される管渠施設やポンプ場での被害状況を整理する②具体的な被害事例をまとめる。
▽優先実施業務の選定=①発災後業務量・リソースの検討②優先実施業務の決定。
▽許容中断時間の把握=業務許容中断時間の把握。
▽対応の目標時間の設定=対応・目標時間の決定。
▽非常時対応計画の検討=①タイムライン式非常事態対応計画の策定②被害想定に基づいた緊急的な処理方法。
▽事前対策計画の検討=①応急復旧用資機材の確保②自治体内部の連絡・協力体制の確立③民間企業との協定等の締結と見直し④他地方公共団体との支援体制の整備⑤復旧対応記録の様式の作成。
▽訓練・維持改善計画=訓練内容(案)と維持改善計画(案)の策定。
【大和高田市ポンプ場施設耐水化計画策定業務委託】
対象となるのは高田雨水ポンプ場(西町283―4)。計画流入水量44万8675立方㍍/日。吐出先は高田川で計画外水位61・500㍍、現況河床高57・950㍍。
▽計画準備=①業務の目的・主旨の把握②特記仕様書に示す業務内容の確認③業務概要・実施方針・工程計画・人員配置計画の決定④作業計画書の作成。
▽現地調査=対象施設の現地調査を行い竣工図や設備配置図等を基に①浸水経路となる開口部の浸入開始高と開口寸法・開口種別等②主要設備の配置と設置高さ③作業員等の避難経路及び緊急避難場所の現状―を確認し、確認結果を収集した平面図・立面図・断面図を活用して調査結果図としてとりまとめる。
▽資料収集整理=①計画図書関連(全体計画・事業計画)②浸水想定区域図(国・県公表資料)③対象施設の竣工図関係図書(一般平面図・平面図・立面図・断面図)④地盤高図(国土地理院基盤地図情報)⑤過去の水害による被害実績⑥下水道BCP⑦その他必要となる資料(設備配置図、機器リスト、ストックマネジメント計画図書等)を収集して整理する。
▽基本方針の策定=①令和2年5月21日通知「国水下事第13号下水道の施設浸水対策の推進について」に基づいて②「気候変動を踏まえた都市浸水対策に関する検討会」(国土交通省)で示される最新の動向を踏まえて検討(構造物の水圧に対する耐力照査は別途業務)、基本方針を策定する。
▽浸水深の設定=各種水害における国・県が公表する浸水想定区域図の想定浸水深を基に、下水道施設のハード対策(防災対策)及びソフト対策(減災対策)において目標とする対策浸水深を設定する。
▽対象施設の設定=浸水のおそれのある施設(開口部を含む)を抽出する。
▽確認すべき機能の策定=揚水機能等の確認すべき機能を策定し、具体的な施設・設備を抽出する。
▽耐水化計画の策定=対策の優先順位と段階的整備及び改築更新や耐震化等の関連する他の事業スケジュール等を踏まえ耐水化計画を策定する。

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