一般記事

機能・規模を検討 附属病院新外来棟基本構想 4月11日まで参加受付 4月14日にプレゼン

2022.3.31 県立医科大学

 県立医科大学は、令和4年度に現A棟を建て替える「新外来棟」について機能・規模の設定を検討する。公募型プロポーザルを3月28日に公告、4月11日まで参加申込書及び提案書を受け付け、4月14日にプレゼンテーションを行って契約交渉相手事業者を特定する。
 公立大学法人奈良県立医科大学では現在、医学部機能の一部を新しいキャンパスへ移転するプロジェクトを進めており、県立医科大学附属病院は現敷地において医療サービスを継続的に提供していくことになる。その一方、施設の老朽化や最新医療への対応のために施設整備が必要な状況となっていることから、 現A棟の建替を検討することにした。
 3月28日に「奈良県立医科大学附属病院新外来棟基本構想検討支援業務」に公募型プロポーザルを適用して公告した。参加申込書及び提案書を4月11日まで持参または郵送により受け付け、プレゼンテーションを4月14日に開催、提出書類及びプレゼンテーションの内容について審査項目に従い総合評価を行い、総合点数の最も高い提案者を契約交渉相手事業者として選定する。選定結果は4月18日にすべての参加事業者に書面で通知する。
 参加資格は平成29年4月以降に病床数400床以上を有する病院の病院整備に係る基本計画等の策定支援業務を受託した実績があること(履行中を含む)―など。提出先・問合せ先は病院経営部経営企画課(県立医科大学附属病院C棟2階。電話0744―22―3051内線5211)。
この業務においては、地域ニーズや特定機能病院として担うべき役割を踏まえ、「新外来棟整備に向けた基本的方向性」に沿って新外来棟の機能・規模の設定を検討する。委託期間5年3月31日。委託上限額1850万円込。
業務内容は次の通り。成果物は基本構想書(素案)10部と基本構想書(素案)を含む使用したデータ1式CD―ROM1枚。
 ▽基本 構想 書(案) 策定=①同院が担うべき役割(特定機能病院として担うべき役割、臨床研究とトランスレーショナル・リサーチへの対応、高度急性期医療機能と地域連携、新型感染症への対応、地域包括ケア奈良医大モデル実現に向けた機能、地域の健康増進への貢献、基幹災害拠点病院として担うべき機能、地域の医療人材育成、職場環境整備と働き方改革への対応、その他)②担うべき役割を実現するために必要となる具体的な機能・規模の想定③新外来棟に整備する機能の設定④新外来棟の整備規模の設定⑤新外来棟整備に伴う他棟機能の再整理⑥現時点で想定される初期投資費用。
 ▽現状把握及び資料作成=①人口動態の将来予測②患者数の将来予測③診療報酬改定等を始めとした国の医療政策④地域医療計画や地域医療構想等の奈良県内の医療政策⑤同院の経営状況⑥同院の診療活動⑦その他基本構想(案)を検討するうえで必要となるデータ等の整理・分析。
 業務の進め方は①8週間に3度程度開催される(仮称)新外来棟検討サブワーキング会議で資料説明等を行い、各委員からの意見を確認して構想に反映させる②同院事務部と連携してサブワーキング会議を運営し、提示する資料を定期的に調整のうえ作成③必要に応じて同院の各種会議で資料説明・意見聴取等を行う④新型コロナウイルス感染症の流行に応じて対面での打ち合わせが困難となる事態も想定されることからオンラインでの会議開催に対応する。また、非流行期間であってもオンラインでの会議開催を妨げない⑤10月頃に新外来棟に必要とされる機能・規模等をまとめた中間報告書を提出する⑥今後高さ制限緩和に向けた行政協議を行うことを予定しており、必要に応じて医業経営コンサルタントの視点から助言若しくは資料提供を行う。
 【附属病院整備に係る基本的方向性】
 新A棟は新築するとして①免震建物に収容すべき必要性が高い機能②外来診療・救急医療と連動性が高い機能③主に患者利用施設④機能的寿命が短いまたは固定的で重量なもの―を配置する。
新棟竣工の頃に築約30年で建替期を迎えるB・C棟についても一体の施設として整備する(新棟竣工10年程度で救急センターや放射線部門更新のために外来診察室から離れた場所に建物を整備といった事態を回避する)。B・C棟には①耐震建物で許容する機能②入院医療(病棟)と連動性が高い機能③主に職員利用施設④機能的寿命が長いまたは可動的で比較的軽量なもの―を配置する。
 【新A棟(新外来棟)整備に向けた基本コンセプト案】
 ▽地域の医療の中核となる機能の集約=将来的な地域の医療需要に対応し、地域住民が地域において必要とするあらゆる医療が受けることができる体制における拠点としての機能を果たす。
▽快適で安全安心な環境の提供=患者満足度の向上及び感染対策、医療安全の質の向上に繋がる患者さんにとっての快適な環境並びに働き方改革を実現するためのスタッフにとっての快適な環境を同時に実現する。
▽高度医療・先進医療の提供及び研究開発の拠点=大学病院として使命を果たすためさまざまな知を集約する拠点として整備し、高度医療・先進医療を推進する。
▽救急医療の充実=県内救急医療の中心としてまた県民にとっての最終ディフェンスラインとして広範に対応できる体制を整備する。
▽災害拠点病院の役割を果たす設備・機能=災害時に災害医療の拠点としての機能を充分に果たすための設備・機能を備える。
 ▽地域完結型医療における中心的な役割=地域住民の住み慣れた地域での安心した生活の実現をめざし、より緊密な病病連携・病診連携の中心的な役割を担う機能を備える。
▽県民の健康増進の拠点=県民の健康増進をめざしたがん予防を始めとする予防医学の推進及び予防医学を担う人材育成のための機能を充実させる。
▽奈良県立医科大学の特色を活かす臨床研究の活性化=奈良県立医科大学の特色を活かした臨床研究を推進していくための設備・機能を充実させ、研究マインドを持つ医師の育成及び確保に繋げる。
▽地域に貢献する新たなイノベーションの創出=周辺に健康・医療関連産業を呼び込み、協力することにより地域住民のQOLの向上に繋がる技術革新をめざす。

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