一般記事

パシコンで基本設計 スポーツ公園プール施設 6年夏オープンをめざす

2021.7.30 香芝市

 香芝市は、令和6年夏オープンをめざしているスポーツ公園プール施設の基本設計をパシフィックコンサルタンツに委託して着手した。今年度は造成工事を継続するとともにプール施設区域の事業用地の取得を進め、来年度には詳細設計を行い、5年度着工の見通し。
「香芝市スポーツ公園整備事業に係るプール施設基本設計業務」を指名競争入札によりパシフィックコンサルタンツ奈良事務所に委託した。業務場所は今泉・平野。委託期間4年3月24日。順調に進展すれば4年度に詳細設計を行って5年度に建築工事着手し、6年夏のオープン(部分開業を含む)をめざしている。
業務では、導入機能(廃止した総合公園のプールは流水プールとスライダーを備えていたことを参考とする)や概算事業費及び事業スケジュールを盛り込んだ整備方針、基盤整備と建築の基本設計をまとめる。
 今年度は、プール施設基本設計のほか、昨年度の補正予算による造成工事と、3年度当初予算に計上した2億2157万円による2年度分と3年度分の造成工事を行うとともに、プール施設区域の事業用地の取得を進める。
 香芝市スポーツ公園は、基本計画を13年3月に策定し、15年3月に修正を行っている。計画地は平野・今泉。敷地面積23・7㌶を都市計画公園として計画決定している。27年度に北側の都市計画道路尼寺関屋線と畑分川線に囲まれた旧特定保留区域2・8㌶を追加し、南側の自然公園特別地域内の山林部分4・6㌶を除外した範囲21・9㌶とする計画に変更。
変更時の計画では工事費は造成・防災・排水・広場・設備32億9000万円、スポーツ施設15億7000万円、遊・憩い施設6億6000万円、便益施設・管理施設21億900万円の総額77億1000万円。施設整備計画は▽多目的競技場2㌶▽多目的広場1・6㌶▽テニスコート0・7㌶▽武道館0・7㌶▽プール1・1㌶▽軽スポーツ施設▽健康づくり施設。事業期間は5年度まで。
昨年12月定例市議会で従来型の事業手法に戻し、PFI事業を取り止めるために条例を廃止した。用地買収で1筆が取得できていないことからPFI事業の要件を満たせないことや新型コロナ対策によりPFI事業の費用が拡大する可能性があるため、従来型事業により実施することにしたもの。
 未購入の土地はプール計画地の南側部分で、プール予定地の4分の1程度に影響があると見られる。PFIから従来型の事業手法に戻すとともに、今回委託したプール施設整備基本設計のなかで配置計画を検討する。
 また、「令和2年度香芝市スポーツ公園整備事業に係る地質調査及び法面対策設計業務」をオリエンタルコンサルタンツ奈良事務所で実施。これは進めてきた造成工事により想定以上の土の滑りがあり、地下水位も高く危険で、一時的に不安定な法面になることに対処し、施工の安全性を確保する業務。残す予定の地山が崩壊しないかを地質調査を行って確認し、必要があれば法面対策工の設計も含む。
先行整備するプール施設は用地面積約1・1㌶。施設構成は屋内温水プール25㍍、屋外レジャープール。社会資本整備総合交付金事業により整備する。アドバイザリー業務はパシフィックコンサルタンツ、アンダーソン・毛利・友常法律事務所。担当は都市創造部土木課(電話0745―44―3317)。建築の営繕課、運営の教育委員会生涯学習課と連携して具体化する。
打合せ協議は業務着手時・中間3回・業務完了時の計5回。プール施設基本設計の業務内容は次の通り。
【整備方針の検討】
▽計画条件等の整理=香芝市スポーツ公園及びプール施設に関するこれまでの経緯と現時点での要望及び課題を整理するとともに、現地踏査及び関係機関ヒアリングを行い、計画地における課題と法規制及びその他の計画条件を整理する。
▽施設整備コンセプトの検討=計画条件及び「香芝市スポーツ公園プール施設整備運営事業要求水準書(案)」等を踏まえ、施設整備の方向性を再整理し、プール施設を整備するためのコンセプトを検討する。
▽導入機能の検討=計画条件と施設整備コンセプト及び要求水準書(案)等を踏まえ、施設に導入すべき機能を抽出して選定するとともに、選定した機能の必要規模を整理する。導入機能の検討においてはイニシャルコスト及びランニングコストを踏まえる。特にプール施設の運営期間(夏季のみ営業する等)について事業性を含めた評価を実施し、温水利用や上屋等の必要性を整理するとともに、運営の効率化や収益性等を踏まえて要求水準書(案)における自主事業等に関する導入機能等を、同種及び類似の事例を整理するとともにプール施設等の運営実績のある企業等にヒアリングを行って整理する。施設の導入機能及び規模や路線バス・巡回バスの導入予定等を踏まえ、必要となる駐車場及び駐輪台数を検討して必要面積等の整理を行う。
▽施設計画の検討=導入機能の検討結果と必要となる敷地面積等を踏まえ、プール施設整備時点における造成計画や調整池計画等の基盤整備のあり方を整理するとともに、必要となる駐車場及び駐輪台数を踏まえて暫定駐車場等を含めた駐車及び駐輪場のあり方を整理したうえで、施設のゾーニング計画及び動線計画を3案程度立案し、比較検討を行って最適案を抽出する。また、導入機能を踏まえて各施設の具体的な計画内容を整理する。
▽概算事業費及び事業スケジュールの検討=以上の検討を踏まえ、整備方針検討段階における暫定供用(一部区域の先行供用等)や仮設計画等を含めた事業スケジュールを整理するとともに、概算事業費を算出する。利用が想定される補助金等についても整理する。
【基盤整備工事に関する基本設計】
▽整理内容の抽出=整備方針の検討を踏まえ、現在整備が進められているプール区域造成工事の設計図書及び施工計画等において修正等の検討が必要となる課題を抽出するとともに、この業務で検討が必要となる概略設計項目を整理する。
▽基盤整備工事等の概略設計=以上の検討結果と暫定供用や市等の要望を踏まえた基本図の作成、法規制・ライフライン等の関係機関協議、事業認可及び開発許可法等に関する申請図書(変更を含む)等の必要となる申請の事前協議を行い、設計及び事業内容の方向性を確認することを目的として①概略設計の概要書②概略設計図書③設計計算書④構造形式等の比較検討書⑤施設計画に関する検討⑥概算工事費及び事業スケジュールの検討⑦実施設計のための仕様書(案)の作成―を実施する。
【建築工事に関する基本設計】
▽整理内容の抽出=以上の検討結果を踏まえ、整理検討が必要となる課題を抽出するとともに、概略設計項目を整理する。
▽建築工事等の概略設計=以上の検討結果と市等の要望を踏まえた基本図の作成、法規制・ライフライン等の関係機関協議、事業認可及び建築基準法等に関する申請図書(変更を含む)等の必要となる申請の事前協議を行い、設計及び事業内容等の方向性を確認することを目的として①設計条件の整理②法令上の諸条件の調査及び関係機関との打合せ③上下水道・ガス・電気・通信等の供給状況の調査及び関係機関との打合せ④基本設計方針の策定⑤基本設計図書の作成(配置図、仕上表、平面図、立面図、断面図、外構図、主要な構造図・設備図等)⑥概算工事費及び事業スケジュールの検討⑦実施設計のための仕様書(案)の作成―を実施する。   (吹上)

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