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県まちプロ推進課 8月26日まで意見募集 八条・大安寺周辺まちづくり

2022.6.17 県土マネジメント部

 奈良県県土マネジメント部まちづくりプロジェクト推進課は、八条・大安寺周辺地区における交通結節機能の形成に向けた取組みや、県の新たな玄関口としての広域的なまちづくりの方向性・ビジョンについて県として意見を募集しており、8月26日まで郵送・FAX・持参により受け付ける。問い合わせは電話0742―27―8031。
 すでに4月13日~5月31日の期間に「奈良市八条・大安寺周辺地区まちづくり基本計画(案)」については、奈良市によるパブリックコメントが実施された。一方、京奈和自動車道(大和北道路)と(仮称)奈良ICの整備に加え、県が事業主体であるJR関西本線高架化事業や都市計画道路(西九条佐保線等)の整備により交通結節機能の強化が進むこの地区については、県の新たな玄関口としての広域的観点からのまちづくりの方向性・ビジョンの検討も必要となっていることから、県として意見を募集するもの。
 このエリアでは、県の南北軸としての骨格を成す京奈和自動車道(大和北道路)と(仮称)奈良ICの整備を契機として、高い交通結節機能を有する拠点の形成と先端技術を活用したまちづくりを実現するため、各事業者がそれぞれの役割分担のもとに事業を進めている。奈良市は面的整備と駅前広場整備等を担っている。  ▽京奈和自動車道(大和北道路)と(仮称)奈良ICの整備=国・NEXCO・県。地盤改良工事や事業用地の取得が着実に進んでいる。令和4年3月末時点の用地買収進捗率は大和北道路(仮称)奈良IC~郡山下ツ道JCT間約83%。
 ▽JR関西本線高架化、新駅設置=県・JR・奈良市。事業により踏切4か所が撤去され、安全性向上や渋滞解消にも大きな効果が期待できる。3年9月から高架化の工事に着手し、高架工事期間中に使用する仮線の設置工事を進めている。事業延長1880㍍幅員9㍍。平成28年7月事業認可。事業費155億円
 ▽都市計画道路(西九条佐保線・大安寺柏木線)の整備=県。このエリアと奈良市中心市街地とのアクセス性を確保するための街路整備で、着工に向けて事業用地の取得が着実に進んでいる。西九条佐保線は(仮称)奈良IC~都市計画道路大森高畑線(平成28年7月事業認可)1533㍍、都市計画道路大森高畑線~大宮通り(平成25年10月事業認可)479㍍、幅員23㍍(4車線)の構造規格第4種第1級。設計速度40㌔㍍/h。事業費248億円。大安寺柏木線は奈良市大安寺~柏木町の事業延長820㍍幅員18㍍(2車線)の構造規格第4種第2級。設計速度40㌔㍍/h。平成30年3月事業認可。事業費40億円。令和4年3月末時点の用地買収進捗率は西九条佐保線約55%)。
 JR新駅の周辺エリアについては、県の新たな玄関口としてふさわしいまちづくりを進めるため、最先端の技術を活用した「AIタウン」の実現を掲げ、県が市と共同で設置した検討会において議論を進めてきた。
まちづくりのコンセプト(めざすまちの姿)は①1300年を経て再び世界に開かれた文化交流のゲートとなるまち②「知の交流拠点」であった大安寺のコンテクストを活かしたまち③グリーンフィールドを活かした先端的な取組みが展開されるまち―としている。  県土マネジメント部道路建設課は、現在整備中の大和北道路の(仮称)奈良ICから奈良市中心市街地を結ぶアクセス道路として整備する都市計画道路「西九条佐保線」の用地買収と、全区間で詳細設計等を進めている。担当は幹線街路整備事務所。
 用地買収で一定のエリアがまとまれば、文化財発掘調査を行い、工事着手に備える。一方、JR関西本線高架は、高架橋本体を建設するための仮線工事(東側)と施工ヤード工事等が西日本旅客鉄道に委託して始まった。
令和2年度に「奈良県公共事業評価監視委員会」(12月開催)で、街路事業の西九条佐保線(奈良IC~大宮通り)・大安寺柏木線・JR関西本線高架を審議して「事業継続が妥当」とした。
現在、用地買収を実施しており、特に大きな問題はなく、当初計画通り進めている。引き続き残用地の買収を重点的に進めるなど事業進捗を図り、早期の供用をめざす―としている。
コンクリート構造物のプレキャスト製品の積極的な採用と建設発生土の有効活用及び道路照明のLED化によりコスト縮減が期待される。電線共同溝の低コスト手法である浅層埋設方式及び小型ボックス活用埋設方式の採用などより一層のコスト縮減に努めながら、引き続き事業を推進する。現在の計画で事業の進捗に問題がないため代替案の検討は行わない。
 西九条佐保線は、ほとんどの区間は平面構造だが、大安寺柏木線との立体交差のため奈良ICへ至る終点側が高架構造となる。また、大森高畑線以南は菩提川と市道中部第9号線を西側へ付け替え、現在の川がある部分に新設道路を構築することにしている。
 まちづくりプロジェクト推進課では、奈良市八条・大安寺地区でAIタウン実現に向け、令和3年度に導入施設の検討や機運醸成を目的とした取組みの企画運営、次年度以降に立ち上げる予定のプラットフォーム(研究会)の検討などを行うため、業務を地域計画建築研究所(略称・アルパック。中塚一代表取締役社長)大阪事務所(大阪市中央区今橋)に委託して行った。
 奈良市八条・大安寺周辺地区には、奈良市を南北に縦断する高規格幹線道路である京奈和自動車道(大和北道路)の(仮称)奈良ICのほか、市内中心部とのアクセス道路となる都市計画道路西九条佐保線、合わせて整備されるJR関西本線の高架化並びに新駅の設置が決まっている。
(仮称)奈良ICと新駅の交通結節点のポテンシャルを活かした新たな地域・広域交流拠点や滞在周遊型の観光交流空間の形成など国際文化観光都市として魅力があり、地域住民にも優しいまちづくりを行い、定住人口並びに観光交流人口の増加に繋げていくことを「奈良市 八条・大安寺周辺地区まちづくり基本構想」の目的としている。
業務は八条・大安寺周辺地区の一部でAI等の最先端技術を用いたまちづくりを検討するに当たり、国内外のスマートシティの事例調査によりAIタウンにおける最適な検討の進め方の提示、AIタウン実現に向けた機運醸成を目的とした取組みの企画運営及び地域課題に対して官民が連携して解決をめざすプラットフォーム(研究会)の立ち上げ検討支援を行うもの。併せて令和3年度開催予定のAIタウン特別検討会において、事例収集や取組みを踏まえた資料作成及び運営補助を行うもの。  (吹上)

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