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県リニア推進・地域交通対策課 全日本、中央復建で 西大寺駅高架化・近鉄線移設 鉄道線形概略設計とまちづくり検討

2023.10.12 県土マネジメント部

 奈良県県土マネジメント部リニア推進・地域交通対策課は、大和西大寺駅高架化について令和5年度に鉄道線形案を決めて概略設計を行うとともに、まちづくりにおける都市計画の総合的検討を行うため、公募型プロポーザル2件で全日本コンサルタント、中央復建コンサルタンツと契約、業務を進めている。
大和西大寺駅及び平城宮跡周辺地域では、近鉄線の踏切に起因する渋滞が従前より課題となっている。この地域では踏切道改良促進法に基づく指定を受けた8踏切道の渋滞解消に向け、2年度末に地方踏切道改良計画を策定した。
山下真県知事が令和5年度県予算の執行を査定、大和西大寺駅の高架化・近鉄奈良線の移設については「平城宮跡内を通る近鉄線の移設については見直す必要がある。このため大和西大寺駅の高架化のみを行い平城宮跡内の近鉄線は存置する事業案を新たに検討し、現行案と費用対効果の比較等を行い、関係者とも協議のうえ整備方針を決定する。5年度はその検討経費等のみを執行する」とした。
ともに業務場所は奈良市。委託期間6年3月22日。今回の業務概要は次の通り。担当は公共交通計画係(電話0742―27―8939)。選定結果と業務内容は次の通り。
【令和5年度鉄道概略設計等業務委託(大和西大寺駅高架化・近鉄奈良線移設検討事業(都づくり))第580―委―1号】
全日本コンサルタント奈良営業所(奈良市尼辻北町10番1号)から提出された参加表明書及び技術提案書について評価基準(合計100点)に基づき審査し、64・39点で受託業者として特定し、4998万4000円込(業務量の目安は4999万5000円込が限度)で契約して委託、業務を進めている。
業務では、並行して実施するまちづくり検討業務と連携しながら、過年度に実施した基本設計を踏まえて線路計画の比較案を精査し、最適な案を選択したうえで「連続立体交差事業調査の取り扱いについて」及び「鉄道土木の計画・調査・設計報酬積算の手引き改訂第11版」に基づき、事業費積算のための概略設計を行う。また、検討を進めるうえでの関係者との協議資料の作成を行う。業務計画書を作成したうえで次の業務を行う。
▽基本設計=大和西大寺駅の高架化のみを行い、平城宮跡内の近鉄奈良線は存置する案を新たに検討する。なお、検討に当たっては踏切道改良促進法に基づく指定を受けた8踏切道のうち、立体交差とならない踏切においてはその渋滞対策について、費用対効果の高い代替案の検討を含むもの。
▽線路計画の比較=大和西大寺駅の高架化及び近鉄奈良線の移設を行う案と大和西大寺駅の高架化のみを行って平城宮跡内の近鉄奈良線は存置する案とをさまざまな視点から比較する。そのうえで並行して実施するまちづくり検討業務の検討結果も踏まえながら関係者と協議し、比較案の中から最適な案を選定する。最適案の選定までの作業を12月中旬までに完成させる。
▽概略設計=選定した最適案について施工方法や構造形式等の詳細な検討を行い、事業費積算のため①線路平面設計②線路縦断設計③西大寺車庫概略設計④横断設計⑤仮線路切替設計⑥標準高架比較設計(ラーメン高架形式2案、桁式高架1案の計3案の比較検討を行い、構造形式を決定する)⑦地下構造物比較設計(地下ラーメン形式2案、シールド形式1案の計3案の比較検討を行い、構造形式を決定する)⑧橋梁比較設計(スパン25㍍以上の橋梁は個々に数案の形式に比較検討を行い、構造形式を決定する)⑨駅部設計(駅周辺の動線計画や再開発計画等を考慮しつつ設計し、必要最小限の施設のみを高架構造とする。駅舎は駅の業務施設の概略設計にとどめる)⑩取付部比較設計(盛土方式と擁壁方式及びスラブ構造方式の別を定めるための比較設計を行い、構造形式を決定する)⑪駅業務施設概略設計(駅施設のレイアウトを数案検討し、最適1案について概略の一般図を作成する)⑫側道計画⑬構造全体一般図⑭用地図⑮概略数量計算⑯施工順序図⑰工事費概算⑱工期概算⑲パース作成(大和西大寺駅の完成イメージが分かる立視・鳥瞰パース)―を行い、工事費を積算する。
▽協議資料の作成=奈良市・鉄道事業者・国等の関係機関との協議・検討会を実施するうえで必要となる資料。
▽報告書の作成。
【令和5年度まちづくり検討業務委託(大和西大寺駅高架化・近鉄奈良線移設検討事業(都づくり))第580―委―2号】
2者から提出された参加表明書及び技術提案書について評価基準(合計100点)に基づき審査し、中央復建コンサルタンツ奈良営業所(奈良市大宮町5―3―14不動ビル)を58・53点で受託業者として特定し、4115万1000円込(業務量の目安は4120万5000円込が限度)で契約して委託、業務を進めている。
業務では、過年度の検討結果を踏まえ、また、並行して実施する鉄道概略設計等業務委託と連携しながら、大和西大寺駅の高架化及び近鉄奈良線の移設を行う案と大和西大寺駅の高架化のみを行い平城宮跡内の線路は存置する案につき、「連続立体交差事業調査の取り扱いについて」及び「鉄道土木の計画・調査・設計報酬積算の手引き改訂第11版」に基づき、都市計画の総合的検討と関連事業計画等の検討及び事業効果調査を行い、事業の費用便益分析を行う。また、検討を進めるうえでの関係者との協議資料を作成する。
なお、業務内容のうち、別途並行して実施する鉄道概略設計等業務委託で検討する大和西大寺駅の高架化及び近鉄奈良線の移設を行う案と大和西大寺駅の高架化のみを行い平城宮跡内の線路は存置する案につき、両案の比較を行うために必要となる、土地利用計画の概略と周辺道路整備やそれらを踏まえた事業効果や費用便益比を12月中旬までに提出する。その内容を踏まえて最適な計画案を選定する。選定した1案について計画の詳細について検討を進め、都市整備基本構想を作成する。情報収集・現況の問題点の整理したうえで次の業務を行う。
▽都市計画の総合的検討=①将来目標の設定②都市整備基本構想の検討として設定した将来目標を基本方針に、大和西大寺駅の高架化及び近鉄奈良線の移設を行う案と大和西大寺駅の高架化のみを行い平城宮跡内の線路は存置する案において都市の基本的構成、駅・線路周辺市街地整備基本構想(土地利用計画、自動車・自転車・歩行者の交通計画、公園緑地計画、公共施設計画、建造物整備計画、その他)、基本構想の実現方策の検討(周辺市街地について基本構想と整備状況を照合し、整備の性格を除去、改造、修復、保存、促進、新設等に類別するなどしてブロック分けを行う。各ブロックについて基本構想実現上の問題点を検討して適当な整備手法を選択する。また、市街地整備の時期と順序を整備プログラムとしてまとめる。特に駅周辺部で車庫跡地等が発生する場合等は有効に活用する面的整備)を作成する。
▽関連事業計画等の検討=①関連事業計画(連続立体交差事業の事業効果を最大にするような計画内容と事業プログラム)②駅周辺動線計画(駅前広場、側道、コンコース、改札口、ホーム、階段等を計画し、歩行者と自転車の動線計画と、周辺道路の整備内容を作成する)③高架下利用計画(高架下空間を商業ゾーン、駅業務ゾーン、公共利用ゾーン、通路等に区分するなどして高架下利用の基本計画を策定する)について、大和西大寺駅の高架化及び近鉄奈良線の移設を行う案と大和西大寺駅の高架化のみを行い平城宮跡内の線路は存置する案につき、それぞれ検討を行う。
▽事業効果調査=大和西大寺駅の高架化及び近鉄奈良線の移設を行う案と大和西大寺駅の高架化のみを行い平城宮跡内の線路は存置する案につき、それぞれ連続立体交差事業によって生ずる効果を推計する。
▽費用便益効果の検討。
▽協議資料の作成=奈良市・鉄道事業者・国等の関係機関との協議・検討会を実施するうえで必要となる資料。
▽報告書の作成。
(吹上)

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