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県河川整備課 12月中旬にパブコメ 大和川流域総合治水条例 特定都市河川の指定へ

2021.11.11 県土マネジメント部

 奈良県県土マネジメント部河川整備課は、「大和川流域における総合治水の推進に関する条例」について12月中旬にもパブリックコメントの手続きを実施することにしており、事業をオーソライズする。
 県河川整備課は、特定都市河川浸水被害対策法の一部改正に伴い、大和川が特定都市河川に指定された場合に法を踏まえた現条例の改正を行うため、12月中旬にもパブリックコメント行うことにしている。地方公共団体による雨水貯留浸透施設の整備は、社会資本整備総合交付金の補助率が現行の1/3から1/2に引き上げられる。
 大和川上流域においては、昭和57年大和川大水害を契機として大和川流域総合治水対策協議会が発足し、60年に策定された流域整備計画を基に河道整備だけでなく、雨水貯留浸透施設の整備や開発に伴う流出増の抑制のための防災調整池等の整備を進めてきた。さらに総合治水のより一層の取組み強化を図るため平成29年10月に「大和川流域における総合治水の推進に関する条例」を制定し、①ながす対策(治水対策)②ためる対策(流域対策)③ひかえる対策(土地利用対策)の3本柱と、上下流一体となった取組みを支える仕組みとし、総合治水に取り組んできた。
令和3年2月2日に閣議決定された流域治水関連法案について、特定都市河川指定の要件が河道等の整備による浸水被害の防止が困難であることの要因として、市街化の進展に加え「当該河川が接続する河川の状況または地形その他の自然的条件の特殊性」が追加された。大和川上流域は市街化率の要件は満たしていないが、亀の瀬と呼ばれる狭窄部の影響により河道の整備が困難な地域であり、新たに追加された要件を満たすため県として特定都市河川の指定を国に求めていくこととしている。
現在、「大和川流域整備計画等検討業務委託(内水対策推進事業(都づくり))第1―委―1号」を一般競争入札により業務を建設技術研究所奈良事務所に委託して進めている。業務場所は大和川流域。委託期間4年3月31日。業務内容は次の通り。担当は河川整備係(電話0742―27―7507)。
【特定都市河川の指定に向けた県条例改正の必要性の検討】
流域治水関連法案及び大和川流域の特定都市河川指定に伴う県条例及び条例の解説の改正が必要か検討を実施する。検討に際して県条例の条項ごとに流域治水関連法案との整合性をチェックし、改正の必要性を検討する。
検討に際しては必要に応じて関係機関や弁護士へのヒアリング調査等(各1回程度、時間は2時間程度)を実施する。ヒアリング調査を実施した際は調査後にその議事録を速やかに作成する。
【流域水害対策計画の策定に向けた流域対策の検討】
▽資料収集整理。
▽流域対策の市町村分担方法の検討及び市町村分担量(案)の作成=過年度業務で検討した流域整備計画の見直し案(流域対策量)を精査し、市街化率・ため池数等を基に市町村分担方法を検討し、市町村ごとの分担量(案)を作成する。
▽市町村分担量(案)を踏まえた流域対策の検討=市町村ごとの分担量(案)に基づき、市町村ごとに具体的な流域対策の検討対象地域を抽出し、対策内容等の検討を行う。検討対象地域と対策内容等の検討に当たっては必要に応じて市町村へのヒアリングを行う。流域対策の検討対象地域の抽出と対策内容の検討は過年度に作成した内水地区カルテと平成緊急内水対策のグレードアップ検討資料及び令和元年12月に行ったアンケート調査結果等を踏まえて行う。また、必要に応じて対策の可能な箇所(ため池、水田、公共施設など)を追加で抽出するとともに既存貯留施設の調査を行い、治水機能の向上を図ることができる改良方法についても検討を行う。
▽効果検証=市町村ごとに流域対策の検討結果及びこれまで実施してきた流域対策を踏まえて被害軽減効果を説明する資料を作成する。
【雨水浸透阻害行為の許可等に係る技術基準の策定検討】
▽資料収集整理=特定都市河川に指定済の8河川における雨水浸透阻害行為の許可等に係る技術基準を収集し、対象行為及び行為規模ごとの対象降雨を整理する。対象降雨は年超過確率規模に換算して整理する。また、県内の大和川流域自治体で施行する開発指導要綱等における雨水浸透阻害行為に係る取組み状況を収集して整理する。
▽雨水貯留浸透施設技術基準(案)の作成=県条例に基づく現行の開発に伴う防災調整池の設置基準を基に、特定都市河川浸水被害対策法の技術基準を満たした雨水貯留浸透施設技術基準(案)を作成する。現行の基準を極力踏襲したものを想定している。

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