民間情報
建設技術研究所 支援システム開発 AIでプロポ書類作成
2021.6.3 カテゴリ(民間情報)企業
河川・ダム・道路など建設コンサルの大手、建設技術研究所(代表取締役社長・中村哲己)はこのほど、プロポーザル方式で発注した業務委託の応募手続きを効率化するため、人工知能(AI)で解析して、業務の適任者を選出するなど、参加表明書の作成を支援するシステムを開発した。
同システムは、同社が過去10年間に受託した約800件を超えるデータを基に、入札説明書のPDFデータをAIで画像解析する。数十ページの入札説明書から、参加表明書の作成に必要な項目を1分程度で抽出し整理する。整理する項目は「同種業務」「類似業務」「必要資格」「発注者名」「同種業務検索キーワード」の5つ。
整理した項目は、自社の技術者の業務実績や保有資格などと照らし合わせて、管理技術者の候補を自動で複数人選出。表彰や業務評定点、実績などに対する評価点を技術者ごとに一覧で表示される。これは「入札に参加するかどうかの判断基準として使える」ため、ランキング形式で一覧できる評価点を参考にすれば、技術者の点数が低く、受注の見込みが薄い案件に注力せずに済む。
また、手持ちの業務件数も分かるため、特定の技術者に業務が集中しないよう考慮できる。部門長などはこれらの情報を基に、管理技術者を最終判断する。
同社によると、今まで人力だと1~2日かかっていた参加表明書の作成がわずか数分で済む。時間短縮による業務の効率化は大きいという。
同社ではすでに、国土交通省の関東地方整備局と北陸地方整備局の発注案件で導入しており、今後採用範囲を拡大していく方針だ。また、参加表明書以外に総合評価方式の技術提案書作成も完全自動化を目指している。