民間情報

南都経研 コロナ禍の影響 依然高水準

2021.4.14 カテゴリ2(民間情報)企業

緊急事態宣言を解除した後、関西で感染者が拡大する「新型コロナウイルス」による社会への影響は企業活動にも広がっている。
南都経済研究所の令和3年1月・2月期の奈良県経済の動向調査結果によると、依然と厳しい状況にあるものの、個人消費や公共投資などは持ち直しの動きがみられると分析している。
個人消費の1月の百貨店、スーパー販売額(速報値・全店ベース)は、前年同月比1・7%減の179億2400万円の2カ月連続の減少であるが、2月の乗用車販売台数は前年同月比3・9%増の4137台と五カ月連続の増加。
1月の住宅着工戸数は、前年同月比24・4%減の310戸と3カ月連続の減少。利用関係別にみると、持家は同1・8%減の167戸、貸家は同28・4%減の73戸、分譲住宅は同48・9%減の70戸。
公共投資(西日本建設業保証の前払金保証)は、2月の公共工事の前払保証は145件で、前年同月比で23・3%減少した。請負金額は84億円で同24・7%増加。発注者別では、国は同33・5%減、県は同0・9%増、市町村は同349・4%増加した。
雇用情勢は、1月の有効求人倍率(季節値)は前月比0・02ポイント上昇の1・06倍となり、2カ月ぶりの上昇。前年同月比では0・38ポイント低下。新規求人倍率(季節値)は、前月比0・17ポイント上昇の1・94倍と2カ月ぶりの上昇。前年同月比は0・03ポイント低下。
企業倒産は、2月の倒産件数は前年同月比25・0減の6件で、四カ月連続の一桁台。負債総額は同74・5%減の1億2500万円と四カ月連続の減少となっている。業種別では、建設業、小売業が各2件、製造業、サービス業が各1件。倒産形態は6件とも自己破産であった。
生産活動では、1月の鉱工業(季節値、速報値)は、前月比1・4%低下の86・0で二カ月ぶりの低下。原指数は前年同月比9・9%低下の78・0と18カ月連続の低下。在庫指数は前月比0・6%上昇の119・4で三カ月ぶり上昇した。
奈良財務事務所が発表した令和3年1月~3月期の法人企業景気予測調査によると、全産業の景況判断BSIはマイナス34・5%ポイントとなり、5四半期連続の下降である。
内閣府が発表した国内企業が抱える余剰人員は昨年10月~12月期に238万人に上ったとの推計を発表した。4月~6月期に比べて減ったものの、コロナ前に比べて高い水準が続いている。余剰人員が続くと、企業は人員削減をせざるを得なくなり、飲食店やホテル、旅館だけでなく幅広い業種で早期退職の募集が増えており、雇用の悪化を懸念する声も出ている。

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