一般記事

県リニア・地域交通課 パシコンに業務委託 リニア中央新幹線調査検討

2024.11.19 県土マネジメント部

 奈良県県土マネジメント部リニア・地域交通課は、最も早くて令和19年のリニア中央新幹線の全線開業を見据え、「奈良市附近駅」の整備効果に関する調査・検討とリニア中央新幹線の整備に関する調査・検討を6年度に実施する。
公募型プロポーザル「リニア中央新幹線調査・検討業務委託(リニア中央新幹線調査検討事業)第1―委4号」について、パシフィックコンサルタンツ奈良事務所(奈良市辻芝町4丁目2番地の2)から提出された技術提案書を評価基準(合計100点)に基づき審査し、評価点65・65点で受託業者として特定、999万9000円込(業務量の目安の限度と同額)で契約して業務を委託した。業務場所は県全域。委託期間7年3月21日。連絡先または提出先等はリニア・交通まちづくり推進係(電話0742―27―8102)。業務内容は次の通り。
 ▽計画準備。
 ▽リニア中央新幹線「奈良市附近駅」の整備効果に関する調査・検討=奈良市のJR平城山駅付近とJR新駅付近及び大和郡山市のJR関西本線と近鉄橿原線の交差付近の3ヵ所を対象に①「奈良市附近駅」の整備効果の整理(リニア中央新幹線「奈良市附近駅」の整備効果について整理するため、新幹線中間駅及び車両基地における新幹線整備に伴う整備効果を産業と観光等の多様な観点から事例の収集を行う。また、事例調査を踏まえて「奈良市附近駅」の特性等を考慮し、「奈良市附近駅」の整備効果や検討を要する課題について整理する。)②「奈良市附近駅」の整備効果に関する検討(「奈良市附近駅」の整備効果を整理した結果について整備効果を増強させる方策及び課題解決に向けた方策を検討する)。
 ▽リニア中央新幹線の整備に関する調査・検討=①リニア建設工事に関する沿線自治体における課題の整理(高速鉄道の建設工事における沿線自治体の課題について事例の収集を行う。また、奈良県の特性等を考慮し、奈良県下のリニア建設工事に関する沿線自治体における課題について生活環境や自然環境等の多様な観点から整理する)②環境影響評価に関する調査・検討(リニア中央新幹線の整備に関して必要となる許認可に係る法令及び関係機関についてそれぞれの想定ルートごとに整理する)。
 ▽県内の社会経済情勢の整理=人口や経済等のさまざまな社会経済情勢及びその展望について、過去からリニア全線開業までの期間において体系的にとりまとめてビジュアル化する。
 ▽報告書作成。
リニア中央新幹線は、平成23年5月に整備計画が決定され、その主要な経過地には「奈良市附近」が含まれている。26年には品川~名古屋間が工事着手され、令和19年の東京~大阪間全線開業に向けた整備が着々と進められている。5年12月には奈良県内においてJR東海が地質調査により環境影響評価に着手した。
リニア中央新幹線の『奈良市附近駅』位置の早期確定及び三重・奈良・大阪ルートによる一日も早い全線開業をめざす活動の一環として9月2日に開催したリニア中央新幹線建設促進奈良県期成同盟会(会長・山下真奈良県知事)の6年度総会で、JR東海の名古屋以西を担当する執行役員より 「中央新幹線計画の近況について」説明があり、品川~名古屋間は工事契約が9割、用地取得が8割の進捗で名古屋駅関連用地も取得できた。名古屋~大阪間は『奈良市附近駅』候補地3ヵ所での地質調査と環境影響評価に着手しており、ボーリング調査は大和郡山では昨年12月に着手して終了、平城山付近は9月中に完了予定、JR新駅付近は9月2日に着したところ―とした。東海旅客鉄道株式会社(JR東海)は、名古屋~大阪間のルートと奈良市附近駅の位置確定へ向けてボーリング調査が候補地3ヵ所で進捗している―と説明した。

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