一般記事

県河川整備課 唐院と西代を指定 全国初の貯留機能保全区域

2024.8.6 県土マネジメント部

奈良県県土マネジメント部河川整備課は、令和3年5月に創設された貯留機能保全区域に川西町唐院地区と田原本町西代地区を全国で初めて指定した。その土地が元来有している遊水機能(貯留機能)を可能な限り保全していくことを目的に、浸水被害の拡大を抑制する効用があると認められる区域を県が指定できる制度。
 貯留機能保全区域に指定された区域内では、盛土等の貯留機能阻害行為を行おうとする場合は「届出」が必要。また、知事は必要に応じて助言または勧告を行うことができる。支援策として指定を受けている土地に係る固定資産税等について、指定後3年間は課税標準を市町村の条例で定める割合に軽減する。
 ▽川西町唐院地区(約3・7㌶)=この地区では、大和川などの水位上昇により毎年のように内水氾濫が発生している。令和5年6月豪雨でも内水氾濫が発生し、河川沿いの低地が浸水した。この豪雨では家屋浸水は免れたが、家屋周辺の低地(田畑)が開発等により盛土された場合に、逃げ場を失った内水が周辺家屋等にまで拡大することが懸念される。地域の安全を守るため内水の遊水機能(貯留機能)を保全していくことに同意が得られた約田畑を指定。
 ▽田原本町西代地区(約11・6㌶)=天理市庵治町周辺の住宅地や田原本町西代周辺の田畑では、寺川の水位により内水氾濫が発生しやすい。平成29年10月豪雨では大規模な内水氾濫が発生し、78軒の家屋浸水被害も発生した。地域の安全を守るため田畑の遊水機能(貯留機能)を保全していくことに同意が得られた田畑を指定。天理市が県平成緊急内水対策事業により約8万8000平方㍍の内水の貯留対策を実施(令和6年5月竣工)。

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