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再整備推進室 市場エリアを先行 中央卸売市場再整備基本方針改正 来年度にも事業者公募
2024.6.4 県食と農の振興部
奈良県⾷農部中央卸売市場再整備推進室は先月28日、奈良県中央卸売市場運営協議会(会長・浦出俊和摂南大学教授)を開催、「奈良県中央卸売市場再整備の基本方針」を見直し、一体的に整備する市場エリアと賑わいエリアのうち市場エリアを先行して来年度にも事業者公募、整備期間中に賑わいエリアの整備内容を検討する段階的整備などを内容とする基本方針改正案を了承した。
中央卸売市場の再整備では、市場本来の卸売機能となる「BtoB」と、県民や観光客など一般消費者を対象とした賑わいづくりを目的とした「BtoC」を整備することにしている。市場エリアのBtoB(約9㌶)を西側、賑わいエリアのBtoC(約6㌶)を東側に配置する。北側の買収予定地(約3㌶)は駐車場用地及びアクセス通路に充てる。両エリアに連携性を持たせて一体的整備することにしていたが、山下知事の方針により基本方針を見直していた。コンストラクションマネジメントは山下PMCが担当。
基本方針の改正では▽賑わいエリアの施設整備と運営は民間活力を可能な限り活用する▽賑わいエリアには一般消費者向けだけでなく市場の機能強化や活性化に資する施設の整備を可能にする▽市場エリアと賑わいエリアを一括して発注整備することから市場エリアを先行して整備し、その整備期間中に賑わいエリアを整備する事業者募集を行う。親和性のある一体的な整備の方針は維持する。
令和6年度には7月に基本方針公表と市場事業者との基本協定変更を行い、PFIを想定している市場エリアの発注準備として実施プランを策定する。7年度に市場エリアの事業者を公募して8年度に事業着手。整備に5年、既存施設解体に2年を予定、その間に賑わいエリアの整備内容を検討して事業者を公募する。
▽市場エリア=市場の高機能化と効率化を行うことで食の流通拠点機能を充実させ持続可能な市場をめざす①市場施設のコンパクト化と物流動線の整理や業務の共同化等②閉鎖型施設や全天候型施設の導入③HACCPの考え方による衛生管理やコールドチェーン化。
▽賑わいエリア=市場エリアとの連携による「食」と親和性の高い一般消費者向けの賑わいを創出する。また、食品加工機能や物流機能を有する施設など市場機能の能化・活性化に資する施設についても、市場の魅力向上に繋がり、賑わい創出にも寄与することから整備を可能にする。
市場エリアは県が整備を行い、土地・建物その他の施設を県が保有して市場事業者等に使用を認める方式とする。賑わいエリアは民間事業者による独立採算での整備を基本とし、整備する施設や手法に応じて施設保有形態や運営手法を決定することにしている。
3年3月にまとめた市場エリアの実施プランでは事業費約270億円(市場棟建設関連費約200億円、インフラ整備費約43億円、仮設費約7億円、解体費約20億円)。施設規模は▽卸売場(青果4849平方㍍、水産2232平方㍍)▽仲卸売場(青果684平方㍍、水産2341平方㍍)▽買荷保管所積込所(青果3796平方㍍、水産2884平方㍍)▽加工場(青果・水産)5080平方㍍▽冷蔵庫5907平方㍍―としていた。(吹上)