一般記事
大淀町 第2期空家対策計画増え続ける空家の対策強化を
2024.5.31 大淀町
大淀町は、「大淀町空家等対策計画(第2期)」を公表した。1期目の「大淀町空家等対策計画」とは方向性に大きく違いはないが、空家特措法の改正や、同町が行った空家の実態調査の結果から、より強化された内容となった。
同計画は、町民の安全な生活環境の確保や空家の活用を促進して地域振興につなげるため、総合的かつ計画的な空家対策の実施に向けてその基本方針を定めたもの。当初策定した計画が令和5年度で満了となったことから、空家特措法の改正を踏まえて時期5ヵ年(令和6~11年度)の方策として改定された。
全国で空家が増加している中、同町の空家率は、全国平均や奈良県の平均よりも大きく上回っている。今後、更なる空家等の増加が懸念されるため、中長期的な視点から施策を推進。担当者によると、解体業者を斡旋するなど、空家対策に特化した民間企業と連携することが検討されている。
同町では4つの基本方針のもと対策を実施。方針内容は次のとおり①空家等の発生の抑制②空家等の適切な管理の促進③地域特性に応じた空家等及びその跡地の利活用の促進④所有者等、行政、地域その他の団体・事業者等の連携・協働。
特措法改正により、管理不全空家も指導・勧告の対象となった。空家の状態は、同町が「大淀町特定空家判断基準」に基づき、立ち入り調査や周辺への影響度、危険の切迫などから総合的に判断する。その後、協議をして所有者特定や改善依頼文書の送付、助言・指導、勧告、命令などの手順を踏み、解体・除去に至る。
空家には住宅の他に、店舗・事務所、倉庫、工場、集合住宅が対象。同町は空家とその跡地の利活用の具体例として、移住のおためし体験や、小規模ワーキングスペース、レストランと宿泊施設を兼ね備えたオーベルジュや古民家レストラン、民泊・ゲストハウス、新事業の試行ができるチャレンジショップなどを挙げている。同町は、空家の除却や活用に係る費用を一部助成する制度や、空家対策の自発的な取組に対する支援を検討中。具体的には、既存住宅解体工事補助や、老朽危険空家等除却補助、既存住宅改修工事補助、空家バンク活用住宅支援補助(住宅購入・改修)などを挙げている。