一般記事

都市再生機構 都市再生3D都市モデル活用 パナソニックに委託 関西都市圏2地区対象に実証

2023.12.15 独立行政法人

 独立行政法人都市再生機構西日本支社は、機構が関西都市圏で検討中である都市再生地区(2地区)において「Project PLATEAU」等のオープンデータを基に将来空間について3次元モデル化し、作成した3次元モデルをユースケースに活用する実証を行い、その有効性を調査する。
 一般競争入札「令和5年度都市再生地区における3D都市モデル活用事業等支援業務」を12月5日に開札、パナソニック(大阪府門真市大字門真1006)が1166万円(評価値37・8500)で落札、業務を委託した。予定価格1356万円。参加は同社のみ。委託期間6年3月10日。担当は都市再生業務部事業企画課(電話06―4799―1171)。
 国土交通省により人口減少・少子高齢化のなかで、豊かで多様な暮らし方を支える「人間中心のまちづくり」の実現に向け、3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化、デジタル技術を用いた都市空間再編やエリアマネジメントの高度化、データを活用したオープンイノベーション創出等を進めるなど、これまでのまちづくりのあり方を変革し、新たな価値の創出や社会的課題の解決を図るため、まちづくり分野のDX(デジタル・トランスフォーメーション)(まちづくりDX)を推進することが掲げられている。
また、「まちづくりのデジタル・トランスフォーメーション実現ビジョン」に基づき 「3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化」「都市空間DX」「エリマネDX」 及び「まちづくりデータの高度化・オープンデータ化」を重点取組みテーマとして位置付け、 その取組みの柱として 「Project PLATEAU」による3D都市モデル化など都市活動の可視化や各種シミュレーション等に活用する取組みが加速しつつある。
また、同機構は、DXを推進する目的として「人が輝く都市へ、DXを通じて業務や組織を変革(モードチェンジ)し、 お客様の満足度向上や社会の課題解決に貢献します」とするDX推進方針を定め、DX施策の推進に取り組んでいる。
このような状況下に同機構西日本支社においては、 長期的には府民・市民のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を向上させるため、短期的にはまちづくり関係者の業務効率向上や誤作業防止等を実現するため、ICT技術を活用した3D都市モデル化及びXR技術等 活用によるまちづくりの可視化に取り組むことが将来のまちの運営や日本全国への展開に資すると考えている。業務内容は次の通り。
【都市再生地区(2地区)における3次元モデル作成】
機構が保有する地区関連データ及び将来空間データ(AutoCAD、CIM等)、まちづくり関係者が保有するデータで機構経由により提供する関連データ (AutoCAD、CIM等)及びオープンデータ(ProjectPLATEAU等)を活用し、対象地区の将来空間を仮想現実空間として再現し、機構及びまちづくり関係者が閲覧可能な3次元モデル(デジタルツイン)を作成する。
対象地区は機構が指定する関西圏の2地区とし、対象面積は約60㌶(A地区約10㌶、B地区約50㌶)を予定する。※期待するサービス水準は①多様なデータの変換・接続及びクラウド化によるプラットフォーム構築②3Dモデルのレベル設計はLOD1相当③ProjectPLATEAUなどのオープンデータとの効率的な連携④解析エンジン活用による分析・検証。
【作成した3次元モデルを活用したまちなみ景観シミュレーション】
A地区において作成した3次元モデルを活用し、 まちづくり関係者とのイメージの共有及び合意形成を図るコミュニケーションツールとして、仮想現実空間で将来のまちなみ景観シミュレーションを5パターン実施する。 パターンについては機構が指定し、その実施に当たってはグランドレベル(1~3階程度)を LOD2相当に変換したうえで、 建築物や公共用地(道路・公園等)の屋根や壁面及び地表面に空中写真データ等を利用してテクスチャ (画像データ)を貼り付ける方法により行う。
【作成した3次元モデルを活用したAR技術によるアンケートプラットフォームを内包した体験型コンテンツの構築】
A地区において作成した3次元モデルを活用し、市民等に対してAR技術による体験型コンテンツを通じた来場者アンケートを実施するためのオンラインプラットフォームを構築する。
アンケートの回答項目及びAR体験コンテンツで使用するモデルデータのパターンは機構が指定し、構築した3次元モデルへの反映を行ったうえで、個人情報を取得しないことを前提としたオンラインアンケートを実施する。
【作成した3次元モデルを活用した段階整備備計画の見える化】
A地区及びB地区については、段階的にまちが完成していく事業展開を予定していることから、まちづくり関係者の理解促進及び検討推進に向けて、従来の2次元による段階整備計画を3次元マップとして表現を行う。
【3D都市モデル活用によるユースケースの有効性及び課題解決策の検討】
これまでの業務を経て把握できた3D都市モデル活用による各ユースケースの有効性を評価し、その課題解決策の検討(将来の技術革新や企業連携等を期待するユースケース、段階的取組みに向けたロードマップ等も含む)を行う。
【専門的知見やナレッジの提供】
以上の業務遂行に当たって適宜必要な支援(専門的知見やナレッジに基づく助言)の他、機構の職員等に向けた成果報告会(1回)を開催する。

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