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県砂防・災害対策課 流木災害発生ポテンシャル調査 国際航業で業務進む 基礎データの整備と優先度評価
2023.6.16 県土マネジメント部
奈良県県土マネジメント部砂防・災害対策課は、令和5年度に県全域における流木災害発生ポテンシャルを把握し、土砂・洪水氾濫時に流出する流木の対策計画に必要な基礎データを整備し、併せて土砂災害防止法基礎調査対象渓流における流木対策施設の優先度評価を行う。
県建設業・契約管理課で一般競争入札「流木災害発生ポテンシャル調査検討業務(防災・安全交付金事業(総流防・砂防)(国補正))第補80―1―委1号」を開札、落札した国際航業奈良営業所に委託して業務を進めている。業務場所は県全域。業務概要は流木災害発生危険箇所の抽出、流木土砂・流木量の算出、土砂災害防止法基礎調査対象渓流における流木対策施設の優先度評価。委託期間6年3月22日。担当は砂防係(電話0742―27―7514)。
対象箇所は土砂・洪水氾濫対策検討業務渓流(既往業務)11流域、土砂・洪水氾濫抽出業務渓流47流域、土砂災害防止法基礎調査対象渓流3780渓流(砂防設備あり261渓流、砂防設備なし3519渓流)。業務内容は次の通り。
▽計画準備=業務計画書を作成する。
▽資料収集整理=調査に必要な文献や技術指針などを資料・収集する。
▽林相区分=県が保有する林班図及び森林簿を基に作成する。
▽谷次数区分=レーザ計測地形図を基に基礎調査渓流及び土砂・洪水氾濫流域ごとにストレーラー法に基づいて行う。
▽侵食断面・幅の設定=計画流出土砂量・流木量を算出するため、基礎調査渓流で設定されている区域調書の値を用いて設定する。
▽流木発生危険箇所の抽出=①山腹の流木発生危険箇所の抽出(山腹崩壊危険度の評価、森林の土砂崩壊防止機能の評価、発生流木危険斜面の抽出)②渓流の流木発生箇所の抽出③流域内の流木発生箇所の抽出。
▽流出土砂・流木量の算出=①土砂・洪水氾濫対象流域における流出土砂・流木量の設定②土砂災害防止法基礎調査対象渓流における流出流木量の設定。
▽UAVレーザ計測範囲の検討=別途業務で土砂災害警戒区域を有する渓流の最下流既設砂防堰堤(100ヵ所)を対象としてUAVを用いたレーザ計測を実施して詳細な地形図等の作成を予定している。この既設砂防堰堤100基を対象に計測範囲を検討し、位置図等に整理する。
▽施設効果量の3次元モデル化=別途業務でUAVレーザ測量を実施する既設砂防堰堤(100基程度)を対象に、現況堆砂面(現況地盤高)・平常時堆砂面(元河床勾配の1/2)・洪水時堆砂面(元河床勾配の2/3)・現況堆砂面を設定し、3次元データ(3Dポリゴン)を作成する。
▽現況堆砂量の把握=作成した現況堆砂面・平常時堆砂面・洪水時堆砂面を用いて計画捕捉量・現況堆砂量・堆砂率を算出する。
▽土砂災害防止法基礎調査対象渓流における流木対策施設の優先度評価=①既設砂防設備を有する渓流の優先度評価②未整備渓流の優先度評価。
▽砂防設備管理方法の検討=別途業務で計測するUAVレーザ測量成果(3次元点群データ)及び施設効果量の3次元データ(3Dポリゴン)等の適切な管理方法と今後の活用方法を、3次元データを活用した既設砂防設備台帳のデジタル化や3次元管内図の構築など砂防DXを見据えて検討する。
▽報告書作成。