一般記事
文化資源活用課 旧八重川家屋根葺替等修理工事
2023.3.23 県文化・教育・くらし創造部
移築後初の本格的な葺き替え
椋本工務店の施工で間もなく完成
奈良県文化資源活用課が進めている「奈良県立民俗博物館旧八重川家住宅屋根葺替等修理工事」が間もなく完成する。
旧八重川家住宅は、もとは山辺郡都祁村大字針に所在していた民家で、代々農業を営んでいた家と伝わっており、建物の形式手法からみて19世紀前半頃の建築と思われる。寄棟造、茅葺で、桁行11㍍、梁間8㍍。県指定有形文化財となっており、江戸時代末期におけるこの地域の一般的な住宅の典型的事例として、平成3年に、奈良県立民俗博物館(大和郡山市矢田町)へ移築された。以来、小規模な補修は行われているが、茅の葺き替えは行われておらず、傷みが目立ってきたことなどから本格的な葺き替え工事を実施している。
工事概要は、移築復原民家である旧八重川家住宅(県指定有形文化財)の屋根葺替及び部分修理。設計は建築研究協会、施工を椋本工務店が担当している。
9月より公開を休止して作業に掛かっており、3月16日の時点で葺き替え作業はほぼ終了、仕上げの作業やその他の補修を進めており、今月中の完成、4月公開再開を目指している。
県立民俗博物館には、当時の暮らしを今に伝える県内の各地域の特徴的な民家が移築されており、それらの維持・管理、および、現在の基準に合わせた安全性の確保などが課題となっている。今回の工事だけで無く、昨年「旧臼井家住宅耐震対策工事」なども行っており、移築民家の日常的なメンテナンスに加え、大がかりな修理工事や、建物の耐震化などを順次進めてゆく方針だ。