一般記事
奈良公園室 秋の多客期に社会実験 モビリティによる周遊性向上
2021.8.3 県土マネジメント部
奈良県県土マネジメント部地域デザイン推進局奈良公園室は、公募型プロポーザル「モビリティによる公園利用者の周遊性向上に資する社会実験(奈良公園魅力向上事業)」を7月28日に公告、公募参加申込を8月6日まで受け付けて参加選定通知を8月中旬に行い、企画提案書を8月中旬~9月上旬に受け付け、9月仲旬にプレゼンテーション及びヒアリング審査を実施し、評価点が50点以上の者の中から評価点の高い順に事業候補者及び次位事業候補者を選定する。
募集は、モビリティによる公園利用者の周遊性向上に資する社会実験を実施するに当たり、事業者を選定するもの。提案に基づく技術を用いたモビリティ社会実験を実施し、奈良公園周辺での周遊サービスの実用化を期待するもの。
この実験は、昨年度に奈良公園内で活用可能な車両を確認する観点から、閑散期(2月)において社会実験を行ったところで、この結果を踏まえて今年度は引き続き実用化に向けた検証を進める。
業務はモビリティによる社会実験の実施。委託期間令和4年1月31日(但し、社会実験は原則として秋の行楽シーズン10月下旬~11月中旬の多客期の範囲内で実施する)。業務量の目安は1000万円込を限度とする(業務完了時に業務完了報告書を提出し、完了検査に合格した後に一括払いする)。
応募資格は県における物品購入等に係る競争入札の参加資格等に関する規程に基づき作成された競争入札参加資格者名簿の中で、役務の提供の検査・分析・調査業務「調査分析業務」、諸サービス「運転代行」、諸サービス「その他サービス」の登録区分のいずれかで登録している者―など。担当は奈良公園バスターミナル運営係(電話0742―27―8074)。
対象地域は奈良公園(図参照)。事業内容はコース設定で、広域な園内での移動円滑化に資するモビリティ社会実験をテーマとして、課題解決のための提案を求めている。この実験を通してできるだけ多くの人にモビリティを体験してもらい、実用化に向けた課題を抽出する。
▽コース設定及び車両の提案=①車両の貸出場所は、「奈良公園バスターミナル」及び「二月堂周辺」の2ヵ所に設置し、各々の場所で車両の貸出または返却ができるようにする②「片道のみ」または「往復」のどちらでも利用できるような実験体制とする③往路と復路のルートは同一でも異なってもどちらでもよい。
▽使用する車両=過年度に実施した実験を踏まえて行うことから、車道だけではなく公園内園路を走行できる車両とする。
▽移動手段と合わせて利用者の満足度を向上させる機能について提案=応募者が提案した内容は、契約後に県と協議したうえで原則として実施することから、実現可能な提案を行う。
明治13年(1880年)に太政官布達により開設された名勝・世界遺産「奈良公園」において、従来からの文化財・歴史的資産としての適切な保存を図っているところ。
奈良公園は広大な地域に跨がり、貴重な歴史的文化遺産を包蔵する東大寺・興福寺・春日大社や保存のための文化施設である奈良国立博物館や正倉院等々とこれらをとりまく雄大で豊かな緑の自然美が調和して他に類例のない公園であり、魅力的な名所が数多くある。
しかし、広大な敷地に名所が点在し、駅や主要なバス停からの移動は徒歩以外の手段がないことも多く、行きたくても行けないという現状もあることから、二次交通としてのモビリティの可能性、さらにはモビリティの実用化に向けてこの実験を通じて検討するもの。