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放水路案と遊水地案を 三代川河川整備計画治水対策検討 一般競争入札を3月17日に開札
2026.1.30 県郡山土木事務所
奈良県郡山土木事務所は、三代川河川整備計画において下流河道の流下能力の制約とJR交差部の流下能力の向上が困難である現状を踏まえ、既往検討結果で有力案として整理されている放水路案と遊水地案の再検討を令和8年内に行う。
一般競争入札「三代川治水対策検討業務(緊急自然災害防止対策事業債対象事業(臨時・特別))第K―110―委―1号」を3月17日に開札して業務を委託する。業務場所 は鳩町法隆寺南他。業務概要は治水対策検討1式。委託期間12月25日。予定価格2862万2000円込、調査基準価格2297万9000円込。県庁の担当は県土マネジメント部河川整備課河川計画係(電話0742―27―7507)。
平成14年に「大和川水系河川整備計画(生駒いかるが圏域)」は認可されており、三代川は大和川合流点から3・26㌔㍍を整備区間とし、昭和63年の全体計画の計画規模1/3確率を踏襲して設定されている。一方、同じ大和川流域内の他河川においては1/10確率を目標規模としており、この業務ではその計画との整合を図るため河川整備計画の計画規模を1/10確率への変更に資する検討を行う。検討内容は次の通り。
【計画準備】
仕様書における業務の目的と内容を充分に把握し、具体的な作業方法及び工程計画を検討して業務計画書を作成するとともに、業務の遂行に必要な諸準備を行う。
【資料収集整理】
この業務の検討に必要な平成28年9月の三代川放水路検証業務委託(防災・安全社会資本整備交付金事業(総流防・広域系))第10―委―1号(ウエスコ)、29年7月の三代川放水路検証及び河川整備計画変更資料作成業務(臨時単独河川改良(2種)) 第K―201―2―委―3号(アスコ大東)、令和4年3月の三代川上流部河川改修検討業務(単独河川改良事業))第K―302―委―1号(近畿技術コンサルタンツ)の既往成果等の資料を収集整理し、過去の検討経緯と流下能力等の現状を整理する。
【現状の地盤高等の把握】
既往の測量成果(富雄川圏域航空レーザー計測)、国土地理院のLPデータ等を活用し、放水路案と遊水地案の候補地周辺の地盤高等を把握する。
【治水対策案の検討】
既往検討結果を踏まえて有力案として整理されている放水路案と遊水地案の再検討を行う。整備の目標を1/10確率規模とするが、下流河道の流下能力の制約として河川整備計画の目標規模である1/3確率規模とした場合に必要な放水路・遊水地の施設規模を検討する。さらに三代川のJR交差部の流下能力の向上が困難である現状を踏まえ、現状流下能力の確率規模を制約とした放水路・遊水地の施設規模についても検討を行う。
【放水路案の検討】
既往検討で設定されている①南向きルートと②東向きルートの2案について下流河道の制約(2ケース)に対して次の検討を行う。
▽検討の前提条件・制約条件の整理=既往検討で整理されている放水路分流部の構造、放流先の富雄川の計画、ルート途上に埋設物やJR等の支障物件等を既往検討成果に基づき把握する。
▽施設規模の検討=前項踏まえて分流部と放流部を考慮した水理条件、想定される施設構造を考慮した粗度係数など放水路の水理検討を行うための検討条件を設定する。設定した条件に基づき必要な水理検討※を行って放水路の施設規模に応じた流下能力を算定し、治水対策の目標規模に応じた下流河道の流下能力を満足できる施設規模を設定する。※既往検討では満管と開水路の状況を想定、満管では構造に応じた損失計算、開水路ではプライスマンスロットの不等流計算を実施。
▽概算事業費の算定=設定した放水路の概算事業費を算定する。
▽比較検討=以上の結果を基に概算事業費と実現性及び整備における課題等を整理のうえで比較検討を行い、最適案を選定する。
【遊水地案の検討】
既往検討で有力案として選定されている遊水地1ヵ所を対象に、河道と遊水地との越流及び遊水地内の流れに関する詳細な水理検討を行う。
▽越流堤の水理検討=①水理解析モデルの構築として越流堤の水理現象に着目した三代川と越流堤及び遊水地減勢工周辺の流れを表現できる平面二次元流況解析モデルを構築する。三代川の河道幅と想定する越流堤の天端幅を表現可能なメッシュサイズを設定し、次項に示す越流堤幅4ケースの構造を反映する②水理解析では三代川の河道水位を定常(一定値)で与え、越流堤幅・越流堤高(越流水深)を変化させた検討における境界条件を設定する。検討ケースは越流堤幅が10㍍(予備設計より)、5㍍、15㍍、20㍍の4ケース、越流水深が0・8㍍(越流堤高T.P.+44・4㍍、予備設計より)、0・5㍍、1・0㍍の3ケースを組み合わせた12ケースを想定する。※三代川の河道幅3㍍程度、計画水深2㍍程度③検討した水理解析結果をもとに越流堤幅と越流堤高(越流水深)の違いによる越流特性(越流量、越流係数)を整理する。
▽遊水地の貯留効果の検討=三代川と遊水地の一体的な水理解析を行い、遊水地の調節効果を検討し、下流河道の制約(2ケース)に対して必要な遊水地諸元を検討する①水理解析モデルの構築として三代川の河道水位と遊水地の水位・貯留量を同時に解析し、得られた越流特性を反映した水理解析モデル(河道一次元、遊水地H―V関係の1池、河道と遊水地間を越流計算)を構築する。モデル範囲の上流端は遊水地箇所の上流で三代川の流量ハイドログラフを設定できる地点とし、下流端は放水路分流地点と想定する②遊水地諸元の設定として水理解析モデルを用いて三代川の洪水外力を与えた水理解析を行う。遊水地については既往の予備設計で設定された遊水地範囲とし、必要な洪水調節効果が得られる地盤の掘削高を検討するとともに、越流堤の幅と高さを調整して最適な越流堤諸元を設定する。
▽報告書作成=検討内容を取りまとめた報告書を作成する。
【打合せ等】
業務着手時・中間5回・成果品納入時の計7回。
【関係機関協議】
近畿地方整備局等へ2回程度を想定している。
