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新たな井堰の予備設計 一級河川富雄川河川改修事業で 茶の前井堰と籠池取水井堰を統合 一般競争入札を12月5日に開札

2025.11.20 県郡山土木事務所

 奈良県郡山土木事務所は、一級河川富雄川河川改修で茶の前井堰と籠池取水井堰を統合する井堰の予備設計及び統合井堰から取水した水を受益農地へ繋ぐ用排水路の設計を行う。なお、井堰予備設計は計画地点の河状と近接構造物・土地利用状況や地形・地質・流量等から堰の位置や断面形状と構造形式・基礎形式等について比較検討を行い、最適な堰の形式を選定する。
一般競争入札「富雄川井堰予備設計業務(特定都市河川浸水被害対策推進事業(河川改修))4―4―委―1号」を12月5日に開札して業務を委託する。業務場所は斑鳩町高安1丁目。業務は井堰予備設計1式。委託期間8年9月30日。予定価格3157万円込、調査基準価格2534万4000円込。
一級河川富雄川の富雄橋より下流区間は、「大和川水系河川整備計画 生駒いかるが圏域」において整備区間として位置付けをされている。順次可道拡幅と護岸整備並びに河川構造物の改築等による河川改修事業を進めている。
現在、西安堵井堰の上流側取合部分の改修まで完了している。また、その上流の1・8㌔㍍付近に位置する阿波興留井堰についても3年度に詳細設計が内外エンジニアリングに委託して完了している。
さらにその上流に位置する茶の前井堰・籠池取水井堰・軒井堰及び高安上井堰の4井堰については、高安水利組合と井堰統廃合に向けた協議を重ねてきた。6年度には茶の前井堰と籠池取水井堰を統合することについて賛同が得られたことから、統合井堰の予備設計等を行うもの。県庁の担当は県土マネジメント部河川整備課河川整備係(電話0742―27―7469)。業務内容は次の通り。
【井堰予備設計】
▽設計計画=業務計画書を作成する。また、貸与する既往の業務成果等を確認して地域の課題などを把握する。
▽現地踏査=貸与資料を基に現地踏査を行い、現況施設の状況や予定地周辺の河川の状況と地形・地質・近接構造物及び土地利用状況・河川の利用形態等を把握し、合わせて
事用道路・仮排水路・施工ヤード等の施工の観点から現地状況を把握し、整理する。
▽基本事項の検討=①設計与条件の確認②堰位置及び堰軸の検討(現況及び河道計画の河道断面形状・取水口位置・基礎地盤条件・周辺環境条件を勘案して治水及び利水計画の必要条件を満足する堰位置と堰軸を2案程度比較したうえで決定する)③河道横断形状の検討(堰位置の河道横断形状として計画の河床高・高水敷高・高水位・堤防高・河道幅・低水路高・堤防天端高を設定する)④径間割りの検討(計画規模に対して構造令・水理性・操作性・安全性・経済性等から径間割りを2案程度比較したうえで決定する)⑤ゲート形式の検討(治水・利水計画の必要与条件からゲート形式〈引上げ式、転倒式、ゴム引き布製起伏式等)を決定する⑥本体構造形式の検討(決定したゲート形式と径間割りに対応した全体構造について検討し、構造形式を決定する。また、平面図・縦横断図の一般図を作成して設計方針・構造物全体配置・形状の検討をする)⑦付帯施設の検討(与条件の調査結果に基づいて魚道の必要性と対象魚の設定・舟通し・土砂吐き・管理橋の必要性及び能力の条件を設定する)⑧取水工の検討(既存資料及び現地踏査の結果に基づいて統合井堰から受益農地の用排水路までの取水工について検討を行う。具体的には現況施設の取水能力や受益農地における必要用水量と水路におけるロス率等から計画用水量を設定し、取水口の必要断面や形状等について検討を行う。また、統合前井堰の現取水工の処理方法についても検討を行う)。
▽設計図=①設計条件と構造諸元の設定として準拠すべき規則・基準・示方書・通達或いは参考図書を整理して設計条件項目ごとに適応性を検討設定する。計画条件及び基本事項に基づいて堰の各部構造の基本構造諸元(堰地点・堰形式・堰径間長・堰径間数・堰天端高・堰敷高・ゲート形式とゲート高・魚道、土砂吐き・計画取水位・計画取水量)を整理して最終決定する②基礎工及び本体工の検討として基礎工・本体工と水叩き工・護床工・遮水工を検討する③操作室の検討④ゲート工の検討⑤魚道の検討⑥付帯工の検討⑦基本図面(全体図と計画一般図)の作成。
▽施工計画検討=樋門予備設計に準じて施工計画検討について検討する。
▽概算工事費=設計業務の成果に基づいて概算工事費を算定する。
▽照査。
▽報告書作成。
【用排水路設計】
▽用排水路設計=既存資料及び現地踏査の結果に基づいて用排水系統の計画と、流量計算及び用排水構造物の形状等について設計を行って排水系統図を作成する。特に現地における既設の関連用排水現況と将来計画との整合を考慮して設計を行う。
▽設計図作成=平面図・横断図・詳細図・その他必要な図面作成する。
▽数量計算=設計業務の成果に従い数量計算を実施して数量計算書を作成する。
▽報告書作成。
(吹上)

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