一般記事

リニア新幹線県期成同盟会 早期全線開業へ決議 令和7年度総会を開催 ボーリングとアセス調査進捗 JR東海が計画の近況を説明

2025.9.16 県土マネジメント部

 奈良県県土マネジメント部リニア・地域交通課は去る8日、リニア中央新幹線の『奈良市附近駅』位置の早期確定及び三重・奈良・大阪ルートによる一日も早い全線開業をめざす活動の一環として、リニア中央新幹線建設促進奈良県期成同盟会(会長・山下真奈良県知事)の令和7年度総会をホテル日航奈良(奈良市三条本町)で開催した。
 このなかで、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)は、名古屋~大阪間のルートと奈良市附近駅の位置確定へ向けてボーリング調査が候補地3ヵ所で進捗している、東京~名古屋は工事を展開、静岡ではここ1年で大きく対話が進展して現地説明会も開催、丁寧にスピード感を持って進める―と説明した。
 総会では、山下知事が「空港も新幹線の駅もない奈良県としては一日も早い開業を望んでいる。東京~大阪間の2037年全線開業へ向け、アセスメント手続きが早く進むように県としても全面的に協力する。三重県・奈良県・大阪府で昨年設置したリニア中央新幹線三重・奈良・大阪建設促進連携会議においても取組みを進めている」と挨拶した。
国土交通省・JR東海・国会議員からの来賓祝辞などを経て6年度事業報告、6年度収支決算報告、7年度事業計画(案)、7年度収支予算(案)について承認した。
また、▽駅位置及び三重・奈良・大阪ルートを早期に確定させるべく名古屋~大阪間の環境影響評価法に基づく計画段階環境配慮書の早期公表と『奈良市附近駅』の位置は整備効果が観光・経済面など県内全域に広範に及ぶよう考慮したものとすること▽12年後の2037年全線が確実に開業できるよう道筋を示すとともに奈良県を含む名古屋以西区間の工事に早期着工すること▽名古屋~大阪間の車両基地は奈良県内へ設置する―ことなど、早期全線開業へ向けた決議を採択して閉会した。担当はリニア・交通まちづくり推進係(0742―27―8102)。
JR東海の名古屋以西を担当する執行役員より 「中央新幹線計画の近況について」説明があった。東京~名古屋間は工事契約が79件、用地取得が85%で神奈川・山梨・長野・岐阜・愛知で橋梁・高架橋・トンネルの工事が進捗している。名古屋~大阪間は『奈良市附近駅』候補地3ヵ所での地質調査と環境影響評価に着手している。時速500㌔㍍の走行で曲がることができる限界は半径8㌔㍍のカーブ、地下駅になると幅40㍍長さ800㍍の大規模なものになる―と話した。  同課では公募型プロポーザルにより「リニア中央新幹線調査・検討業務委託(リニア中央新幹線調査検討事業)第1―委4号」をパシフィックコンサルタンツ奈良事務所(奈良市辻芝町)に委託して6年度に実施した。この業務で▽リニア中央新幹線「奈良市附近駅」の整備効果▽リニア中央新幹線の整備に―関する調査・検討を行った。
リニア中央新幹線は、平成23年5月に整備計画が決定され、その主要な経過地には「奈良市附近」が含まれている。26年には品川~名古屋間が工事着手され、令和19年の東京~大阪間全線開業に向けた整備が着々と進められている。5年12月には奈良県内においてJR東海が地質調査により環境影響評価の手続きに着手した。(吹上)

会員登録
一覧に戻る