一般記事

踏切拡幅と鉄道橋改築を 福住横田線歩行空間検討設計 小学校通学路の歩行空間を確保

2025.8.28 県奈良土木事務所

 奈良県奈良土木事務所は、櫟本小学校の通学路に指定されている福住横田線のうち万葉まほろば線との交差部で、隣接する高瀬川の整備方針も踏まえた踏切の拡幅と鉄道橋の改築に係る検討と設計を来年末にかけて実施することにしている。
 一般競争入札「一般県道福住横田線踏切部歩行空間検討・設計業務委託(防災・安全交付金事業(道路環境整備))9―4―1―委―1号」を9月11日に開札して業務を委託する。業務場所は天理市櫟本町。業務は踏切概略設計1式、鉄道橋改築設計1式、鉄道電気設備概略設計1式。委託期間8年12月18日。予定価格4167万9000円込、調査基準価格3329万7000円込。県庁の担当は県土マネジメント部道路建設課事業第一係(電話0742―27―8667)。
 櫟本小学校通学路の関係者(市教育委員会、県警察本部、学校、道路管理者等)で実施する通学路点検の要対策箇所になっており、現在は県道南側の高瀬川に張出歩道を整備して歩行空間を確保している状況。今回の業務は未整備箇所となっている万葉まほろば線との交差部において、現在の歩道整備を踏襲したうえで、高瀬川の整備方針も踏まえた河川・鉄道・道路交差部の歩行空間確保へ向けた検討と実施に関する設計を行うもの。業務内容は次の通り。
 【踏切概略設計】
 〈踏切拡幅設計〉
 ▽現地踏査=踏切に関する既存資料等と現地の整合性を把握・確認する。また、地形・地質等の自然状況や沿道・交差部・隣接状況の周辺状況と既存資料等を把握・確認し、設計に必要な基礎的な状況の把握を行う。
 ▽設計計画=貸与資料や現地踏査の結果等から歩行者空間確保に伴う踏切部や周辺環境への影響を考慮し、踏切拡幅の設計計画を行う。構造特性・施工性・経済性等の観点から鉄道事業者との協議を前提に踏切道歩道拡幅に伴う新設撤去の軌道舗装を含む案を作成する。
 ▽設計製図=線路平面図・縦横断面図・踏切全体一般図・踏切構造図等。
 ▽数量計算。
 ▽概略工事費算出。
 ▽照査。
〈踏切撤去設計〉
 ▽踏切撤去図=踏切拡幅設計を基に既存踏切の撤去計画を検討し、踏切撤去に必要な図面を作成する。
 ▽数量計算。
 ▽概略工事費算出。
 〈報告書作成〉
 踏切拡幅設計における検討内容等を取りまとめる。
 【鉄道橋改築設計】
 踏切拡幅により改築が必要となる高瀬川鉄道橋について鉄道橋改築設計を行う。
 ▽現地踏査=高瀬川鉄道橋に関する既存資料等と現地の整合性を把握・確認する。また、地形・地質等の自然状況や沿道・交差部・隣接状況の周辺状況と既存資料等を把握・確認し、施工ヤードや進入路等の施工性や経済性の判断に必要な基礎的な状況の把握を行う。
 ▽設計計画=業務計画書を作成する。
 ▽根入れ調査=踏切南側の高瀬川を渡河する鉄道橋梁は明治31年に建設され、昭和16年に改修が行われているが、既存資料では詳細な構造が不確定であり、架替や撤去等を検討するために既存橋台のコア採取を行い、橋台の根入れや健全度等の調査を、鉄道運行の支障とならないように夜間に行う。
 ▽最適工法の選定=既設鉄道橋の状況や既存成果を確認し、踏切拡幅部分の構造物として最適な構造・工法等について構造特性・施工性・経済性・維持管理・環境等の総合的な観点から技術的特徴と課題及び評価等を整理し、3案程度の比較案の選定・技術的検討を行う。鉄道事業者・河川管理者・道路管理者・地元等の関係機関と協議を行って最適案を決定する。
 ▽施工計画図作成=当該設計区間は狭隘な道路に河川や民家が隣接し密集しているため、施工時の切回し計画や仮設施設・仮設ヤードの確保など施工計画を検討する。
 ▽主要部材算定=踏切拡幅部は鉄道渡河部の構造物となることから鉄道の走行に影響のない主要部材の検討・算定等を行う。
 ▽構造一般図作成=協議や次設計に必要となる図面を作成する。
 ▽照査。
 ▽報告書作成=鉄道橋改築設計における検討内容等を取りまとめる。
 【鉄道電気設備概略設計】
 ▽現地踏査=鉄道電気設備に関する既存資料等と現地の整合性を把握・確認する。また、地形・地質等の自然状況や沿道・交差部・隣接状況の周辺状況と既存資料等を把握・確認し、設計に必要な基礎的な状況の把握を行う。
 ▽電車線・電灯電力設備検討=踏切拡幅設計を基に電車線・電灯電力設備の配置や電源供給方法等を検討・設計する。
 ▽信号・通信設備検討=踏切拡幅設計を基に踏切保安設備や通信設備の配置や接続について検討・設計する。
 ▽概略工事費算出。
 ▽照査。
 ▽報告書作成=鉄道電気設備概略設計における検討内容等を取りまとめる。
 【測量】
 鉄道敷地内を含む線路縦横断測量0・03㌔㍍を実施する(県道部分は測量済)。
 【地質調査】
 近接地点での地質調査として機械ボーリング1ヵ所、サンプリング・標準貫入試験(1㍍ごと)・土質試験・解析等調査を実施する。
 【協議資料作成】
 踏切部拡幅に伴い、河川構造の改築についての河川管理者との、踏切・鉄道橋・鉄道電気設備等の設計についてのJR西日本との協議資料を作成する。

会員登録
一覧に戻る