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防災統括室 第3次県地震被害想定調査 災害シナリオを作成 5月22日まで参加申込受付 震災対策の方向性検討
2025.5.13 県総務部
奈良県総務部知事公室防災統括室は、第2次奈良県地震被害想定調査以降に発生した地震災害での教訓を活かし、中央防災会議の資料等を参考に、令和7年度~8年度に近い将来の発生が予想される巨大地震での被害予測と災害シナリオ作成及び震災対策の方向性の検討を行うための基礎データを調査・算定することにしている。
去る7日公告の公募型プロポーザル「第3次奈良県地震被害想定調査業務」に係る参加申込書を5月22日まで、企画提案書等を5月30日正午まで受け付け、プレゼンテーション及びヒアリングを6月5日に行い、選定委員会において評価点方式による順位付けを行って最優秀提案者として選定する。
参加資格は▽県建設工事等競争入札参加資格のうち建設コンサルタント「地質」部門の資格を有すること▽平成27年以降(過去10年間)に国または都道府県と締結した契約において同種・同類の業務を元請として履行した実績を有する者―など。提出・問い合わせ先は防災企画係(電話0742―27―8425)。
委託予定金額は1億2941万5000円込(7年度32%、8年度68%)。委託期間9年2月26日。基本方針は①最新の知見及び科学的・客観的な手法を取り入れた被害想定②県の地域特性を踏まえた被害想定③震災対策に役立つ被害想定④危機管理的な考え方を取り入れて社会的な影響やさまざまな状況を視野に入れた幅広い想定⑤広域的な影響や応援・受援についても検討する。 調査の対象区域は県全域。調査を実施するため「第3次奈良県地震被害想定調査検討委員会」(奈良市内で5回程度開催)を設置するとともに、検討委員会の運営業務を委託する。主な検討事項は想定地震、想定ケース、調査の内容(自然条件の調査、社会条件の調査、地震動・液状化予測の精査、地震被害予測、今後の震災対策のための検討)外。業務内容は次の通り。 【令和7年度】
▽自然条件の調査=①地盤モデルの設定②震源モデルの設定③地震動予測(地震等の予測計算を行うとともに県下各地の計測震度と最大加速度及び最大速度など被害想定等に必要な項目を算定する)④液状化予測⑤斜面危険地データ更新⑥斜面崩壊危険度判定⑦宅地造成地データの収集整理。
▽社会条件の調査=①ライフライン関係データ(上下水道、都市ガス、プロパンガス、電力、電話)②交通関係(一般国道・一般県道・主要地方道、鉄道等)③人口データ④建物データ(市町村ごとの構造・建築年代別建物構成比を把握する)⑤その他(消防関連、避難施設関連、危険物施設関連、行政施設関連、医療施設関連、福祉施設関連、文化財関連、備蓄物資など生活支障関連)。
▽検討委員会の運営=2回の開催を予定。
▽中間報告書の作成等=報告書と電子データの作成。
【令和8年度】
▽地震動・液状化予測の精査=①地盤モデルの精査②震源モデルの精査③地震動予測④液状化予測。
▽地震被害予測=①建築物被害(建築物被害が発生する要因ごとの被害推計)②火災被害(火災発生件数及び焼失棟数推計)③人的被害(建物倒壊・火災・災害関連死等要因別人的被害推計④文化財被害⑤ライフライン被害⑥交通・輸送施設被害(道路、鉄道、橋梁、ヘリポート等の被害を予測)⑦ため池被害(貯水量1000立方㍍以上かつ人命、人家、公共施設等に被害を及ぼす恐れのあるため池を対象とした被害を予測)⑧生活支障(ライフライン被害予測結果等を踏まえた避難者の発生状況等について予測)⑨その他の被害(要配慮者、孤立の可能性がある集落、観光被害等の予測)⑩経済被害(直接的経済被害額の推計及び間接的経済被害の予測)。
▽今後の震災対策のための検討=①災害シナリオ作成(被害想定調査結果をもとに地震による被害を最小限に抑えるために重要な応急対策期の時系列シナリオ。期間は地震発生後~3日後、3日~1週間後、1週間~1ヵ月後、1ヵ月以降に分けて検討する)②震災対策の方向性の検討(被害想定調査結果と災害シナリオ及び中央防災会議の報告等に基づき、県の災害危険の特性を総合的に評価し、震災対策等についての問題点及び課題を整理、報告をまとめる)。
▽検討委員会の運営=3回の開催を予定。
▽データベースの作成=①基礎情報②地盤情報③建物情報④火災情報⑤ライフライン情報⑥土木情報⑦人口・人的被害情報⑧生活機能情報等のデータベースを作成する。
▽ホームページ掲載用データの作成=調査の成果はインターネットを通じて一般に公開し、その普及・啓発を図るため調査で得られた計算結果や図面・報告書等をデジタル化してホームページ掲載用データを作成する。
▽最終報告書の作成等=報告書と電子データの作成。