一般記事

流入ゲートの設置など 菰池治水対策施設詳細設計 護岸嵩上げと既設護岸補修も

2025.3.6 県奈良土木事務所

 奈良県奈良土木事務所は、天理市二階堂地域(天理市二階堂南菅田町)で発生する浸水被害の軽減を図るため、治水容量を付加して整備された菰池を治水利用するに当たり、令和7年に必要となる次の詳細設計を行う。
 菰池上流の水路に設置が計画されている流入ゲートにおいて、二階堂小学校地下貯留施設の流入水位や菰池の治水水位を計測し、自動開閉を行うための自動制御及び遠隔からの状態監視等を行うために必要な詳細設計。
既設の余水吐と同等の高さ・口径の余水吐を菰池放流ゲートに設置するための扉体改造の詳細設計(なお、改造は既設扉体に開口を設ける構造を想定。既設の余水吐については余水吐の機能を排除して利水ポンプ運転時のみ下流水路へ流れるように過年度の予備設計を再検証したうえで詳細設計を行う)。
以上の設計に加え、過年度に設計した流入ゲートや護岸嵩上げと既設護岸の補修について工事が発注できるよう取りまとめたうえで、全体的な施工計画を検討する。また、本格運用に向けて対策工事完了後に貯水を行い、堤体の状況やゲート・余水吐等の施設及び自動制御・遠隔監視システムが適切に機能しているか等を確認するための試験湛水計画を作成する。
一般競争入札「菰池治水対策施設詳細設計業務委託(臨時単独河川改良事業第2種)第N―201―委―1号」を3月13日に開札して業務を委託する。業務場所は天理市二階堂南菅田町。委託期間12月26日。予定価格2515万7000円込。県庁の担当は県土マネジメント部河川整備課河川整備係 (電話0742―27―7507)。業務内容は次の通り。
 ▽計画準備=業務の実施に当たっての実施方針及び業務工程と業務実施体制を検討し、業務実施計画書を作成する。
▽現地踏査・資料収集整理=当該箇所における基本的な条件や過年度に実施した調査内容を整理するとともに、現地状況の確認を行い調査・設計に必要となる各種条件を整理する。
▽施設設計=①流入ゲート 自動制御・遠隔監視設備(水位計、回転灯、遠隔監視制御盤、非常用電源)②余水吐(既設余水吐φ250㍉と同じ高さ・口径の余水吐を新たに設置する。余水吐の設置は既設の菰池放流ゲートの扉体に開口を設ける構造を想定している。扉体が流用可能か検討を行い扉体改造方法・補強方法を検討する。また、周辺の歩道橋構造物等への影響を考慮した合理的かつ経済的な施工方法を検討する)③既設余水吐の改変(菰池の余水吐として機能していることが確認されている利水ポンプ配管φ250㍉は余水吐機能を排除して利水ポンプ運転時のみ中間マンホールを経由して下流水路に流れるように改変を行う。余水吐機能を排除することで流れなくなる吉野川分水の水を直接中間マンホールに入れることができるよう池と中間マンホールへの分岐管路の詳細設計を行う。また、中間マンホールから市道に埋設されている横断管φ250㍉はカメラによる管内調査を実施し健全性の評価を行い、補修が必要と判断される場合は工法検討を行う)。
▽施工計画=検討された設備計画について施工方法(施工順序及び施工機械等)や仮設計画等を検討し、最適な施工計画案を策定する。なお、過年度に設計した菰池の北側・東側護岸の嵩上げ及び既設護岸の補修(R4年3月、第N―6―委―1他号菰池治水利用検討業務)並びに流入ゲート(R6年10月、第N―301―委―29号池治水利用検討業務)も含めた全体的な施工計画を検討する。また、本格運用に向けて対策工事完了後に貯水を行い、堤体の状況やゲート・余水吐等の施設と自動制御・遠隔監視システムが適切に機能しているか等を確認するための試験湛水計画を作成する。なお、試験湛水の水位設定については治水満水位の半分の水位と治水満水位の2パターンを想定している。
▽設計図=工事発注に必要な設計図の作成を行う。
▽数量計算書=工事発注に必要な数量計算の作成を行う。
▽概算工事費の算出。
▽照査。
▽報告書作成。
第N―301―委―29号池治水利用検討業務(単独河川改良事業)は指名競争入札により東京建設コンサルタント奈良事務所(奈良市芝辻町2―10―26新田村ビル)が担当。

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